
三重県名張市の中心部であり、近鉄名張駅からも近い桜ケ丘には『平尾山カルチャーパーク(以下、カルチャーパーク)』があります。パークには大きな芝生広場や遊具、散歩コースなどが充実しており、名張市では人気の公園です。また、カルチャーパークのすぐそばには名張市立図書館もあります。
カルチャーパークや市立図書館は週末になると多くの家族客で賑わう場所。そんなカルチャーパークに隣接したところに、おしゃれなカフェがオープンしました。
『café ravi』がオープンしたのは、2025年8月2日。カルチャーパークや図書館を利用して一息つきたいときや手軽なランチ、1日頑張った自分へのご褒美タイムにもおすすめのカフェです。
今回は、『café ravi』のオーナー喜岡里佳さんに、カフェの特徴やおすすめメニュー、開業のきっかけなどを伺いました。
名張市でカルチャーパークや図書館を利用される際には、ぜひ『café ravi』にも訪れてみてください。何かいいことがあるかもしれません。
店舗開業のきっかけ

喜岡さんは製菓の学校を卒業後、学校に勤務して実習助手をしていました。学生時代に進路を考えるなかで、製菓か保育士をしたいと思っていたと語ります。
「在職中に保育士の資格を独学で取得し、子ども園や託児所で勤務していました」
引っ越しや結婚を期に、営業職や事務職などのさまざまな職種を経験し、カフェ開業前は保育士をしていたとのこと。また、キッチンに立つことやお菓子づくりが好きだったため、仕事の合間にワンデイシェフをしていたこともあります。
ワンデイシェフは喜岡さんにとって、生活の楽しみであり息抜きの時間でした。
そんなときに転機が訪れます。喜岡さんは体調を崩し、フルタイムでの勤務が厳しい状態になったそう。
「体調を崩してから、好きなことをして過ごす時間が必要だと気がつきました。そこで、自宅をリフォームして菓子製造販売をしようかと考えるようになったのですが……」
不思議なもので、喜岡さんは昔の縁がつながったといいます。以前に趣味として取り組んでいたワンデイシェフに来てくれていたお客さんから、「テナントが空いているからそこを使わないか」という話がありました。
『café ravi』で「もっと喜ぼう」

店舗名からは、喜岡さんの店舗への思いが感じられます。
フランス語”ラビィ”には、綴りの異なる2通りの意味があります。一つは”ravi”で、「喜び」を表す単語。もう一つは”lavie”です。こちらは「生活」「人生」を表します。
「私にとってもお客さんにとっても、『お店にいる時間が生活の喜びになりますように』との思いで店舗名を考えました」
喜岡さんは、優しそうにふわっとした笑みを浮かべて語ります。
喜岡さんの大好きな言葉は、「もっと喜ぼう」です。これは哲学者ニーチェの著書『ツァラトゥストラはかく語りき』に書かれている言葉。生命の活力は「喜び」のなかにあり、”ラビィ”は店舗名としてぴったりだと言います。
おすすめはパウンドケーキ

『café ravi』のメニューは、以下のような内容です。
- モーニング
- 日替わりメイン料理のセットメニュー
- パスタ
- ガトー
- コーヒーやアルコールなどのドリンク
なかでも喜岡さんがもっとも力を入れているメニューがガトーメニューのパウンドケーキです。
パウンドケーキというと、定番メニューの中でも地味な焼き菓子に感じるかもしれません。一方で、『café ravi』のパウンドケーキはブランデーをひたひたに染み込ませてあり、中には具材がゴロゴロ入っているどっしりとしたもの。
流行りのふわっとした食感ではなく、重量感のあるパウンドケーキは、喜岡さん自身が大好きな焼き菓子です。胡桃とオレンジ、チョコレートの3種類が店頭に並ぶ予定とのこと。

「夜にお酒を飲みながらスイーツが食べられるのも推しです」
と、喜岡さん。名張市の地酒や喜岡さんの故郷である香川から仕入れたワインもおすすめ。香川の『さぬきワイナリー』から仕入れた『さぬき赤』は、オリジナル品種『香大農Rー1』を100%使用している貴重なワインです。
また、香川の食材を使った料理や菓子、香川県民には馴染みの深いイリコと自家燻製ベーコンを使ったオリジナルのカルボナーラなどもおすすめ。
ぜひ、料理や飲み物を通じて瀬戸内の温暖な気候を感じてみてください。
慣れない開店準備は大変

『café ravi』のリフォームは、以前の店舗からいかに節約しながらリフォームできるかを考えていたといいます。改装前はポップな印象の店舗でしたが、喜岡さんは落ち着いて過ごせる雰囲気になるように考えを巡らせました。
「まず、私自身がここに居たいと思える空間づくりを目指しました。家具やガーランドなど、かわいいと思うもの、すてきだな思うものを集めています」

一方で、初めての店舗づくりのため苦労もあったと語ります。最初の一歩である、仕入れ先や発注先が皆目見当がつかなかったとのこと。しかも、ようやく見つかった業者から送られてきた見積もりも、1桁見間違えて認識していたといいます。
「考えていた予算よりかなり安くなったと大喜びして、余った費用を別の用途に使用してしまったので、とても困りました」
と、おっちょこちょいの一面も見せてくれました。
地域活性化のためにできること

『café ravi』はまだ発展途上の店舗です。今後はどのような展開を考えているのでしょうか。
近くの施設利用者が気軽に立ち寄れるお店を目指して
「カルチャーパークや市立図書館が近くにあるので、持ち帰りできる菓子の提供を考えています。また、学生さんにも立ち寄りやすい店舗にしたいです」
図書館利用の方には、何らかのサービスができないかと検討中とのこと。具体的には、割引やクッキー、プチガトー系のサービスなど。図書館利用者が気軽に利用できる方法を模索中と語ります。
サードプレイスとして朝も昼も夜も……

「じつは私自身が不器用なので社会に馴染めず、無理して過ごすうちに体調を崩してしまいました。ですから、心のわだかまりやストレスを解き放てるような店にしたいと思っています」
現代社会ではストレスを感じ、生きづらさを感じている人も多いのではないでしょうか。喜岡さんは、そのような人の心に寄り添う場所を目指しています。
朝も昼も夜もいつも開いていて、誰もが気軽に立ち寄れるサードプレイス、それが『café ravi』です。
『café ravi』詳細情報
『café ravi』の詳細情報は、Instagramをご確認ください。
- Instagram : cafe_.ravi
営業日・営業時間
- 営業時間 8:30~18時/19~22時(日曜は18:00まで)
- 休日 月曜・最終火曜
アクセス
〒518-0712 三重県名張市桜ケ丘3088-170