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フード  |    2026.07.30

【大阪府河内長野市】フルーツサンドを万博で販売。カフェも営む老舗果物店|fruits café TSURUZAWA

南海高野線、近鉄長野線「河内長野駅」からすぐのところにある「ノバティながの」。駅のデッキから直結しているほか、長野商店街に隣接しています。

ショッピングモールほど大きくないけれど、スーパーマーケットでもない。都会と田舎が融合する河内長野だからこそ、ちょうどいいと頷ける規模感の商業施設です。

地下フロアにはサンプラザをはじめとした食料品店。地上階には本屋やゲームセンター、ドラッグストアなどが並び、市内の生活には欠かせません。

朝には買い物の主婦が行き交い、夕方には通学帰りの学生も。駅を降りてそのままルーティンのようにノバティながのへ訪れる人が多くいます。

ノバティながのは、河内長野駅のぺダストリアンデッキ直結。通勤通学帰りに足を運ぶ方もたくさんいます

ノバティながの北館1階、駐輪場に近い入り口の自動ドアをくぐるとすぐに、色鮮やかな果物の並ぶお店が目に入ります。

カフェ併設の果物店「fruits café TSURUZAWA」(以下、TSURUZAWA)。

1950年に創業し、かつて長野商店街にお店を構えていたTSURUZAWA。平成元年、ノバティながのの建設に伴い館内へ移転し、同タイミングでカフェを併設します。

進物の果物が並ぶスペースをぐっと奥に進むと、白と黒を基調としたカフェの店内に、流れるBGMのレゲエ。落ち着いた雰囲気に、心がほっと和みます。

TSURUZAWAカフェ店内の様子。白と黒を基調としたシンプルな内装は、今回お話を伺った鶴澤さんのアイデア

2025年の大阪・関西万博では、TSURUZAWAの看板メニュー、フルーツサンドを販売。

3代目オーナーの鶴澤哲太さんは、「若いときを振り返ると、継ぐ気は正直なかったんです。けれども、これも運命かな。今は楽しくやっています」とおだやかに語ります。

地元の果物店が、大阪・関西万博に出ることを決めた背景とは。そして、昭和、平成、令和と時を過ごしてきたTSURUZAWAの軸にあるものとは。

鶴澤さんのおだやかなお話には、立ち止まり、時には思い切り、着実に歩んできた軌跡がありました。

果物そのものの味わいをカフェで。長年変わらないフルーツサンドと、新開発したフルーツピザ

TSURUZAWAのメニューには、販売している果物を使用した品がずらり。「フルーツをより身近に感じてもらえたら」と、鶴澤さんの代からは一層カフェ部門にも力を入れています。

TSURUZAWAの看板メニューは、季節の果物を使ったフルーツサンド(3ピース税抜¥520)。カフェの誕生以来、ずっと変わらないスタイルで提供しています。

フルーツサンドへのこだわりをお尋ねすると「あえて趣向はこらしていなくて、直球勝負ですね」と鶴澤さん。

サンドをひとつ手に持つと、艶やかな光が照明に反射して美しく輝きます。

今か今かと待ち受けていたかのように、じゅわっと溢れる瑞々しさ。生クリームをうっすらとしか塗っていないぶん、果物の抱く潜在的な甘みがふわっと広がります。

TSURUZAWAでは、フルーツサンド以外にも、フルーツピザなど珍しい品数も。きっかけは10年前、ノバティながの北館の改装が行われたときでした。

改装中の1週間、北館のお店は全館閉店。その頃、ツルザワは7日間という短い期間で、内装やメニューを思い切ってリニューアルしました。

「あのとき全改装まで踏み切ったのはうちだけだったと思います」と当時を回想します。

長年提供しているフルーツサンドはそのままに、それ以外のメニューをガラリと一新。そのときに生まれた品のひとつが、フルーツピザです。

フルーツピザ(税抜¥680)りんごやパインをはじめ、酸味と甘みのバランスを鑑みた彩り豊かなフルーツが重なっています

注文後、こんがりと焼けた香ばしさが鼻腔を伝い、チーンと甲高いオーブンの音が響きました。「あ、そろそろかな」と待っていると、果物のたっぷり乗ったピザが運ばれてきます。

平らなピザ生地は、パイを彷彿させるようなサクサク感。バナナ、パイン、りんごをはじめ、彩り豊かなフルーツを敷き詰めます。そこにチーズを乗せて焼き、最後にはちみつをとろり。

TSURUZAWAの果物をふんだんに使ったオリジナルメニューです。

ピザ生地は、1枚1枚すべて自家製。安心安全を心がけて、丁寧に焼き上げています。

薄いピザ生地が割れぬよう、ピザの1ピースを一気に頬張ります。まず感じるのはチーズのとろりとした伸び。ぐんぐん伸びるチーズを真正面から感じたのも束の間、すっと後味が引いていき、さりげなくフルーツへバトンが渡ります。

りんごのシャキシャキとした食感に、パインや柑橘のじゅわっとした酸味。そして、後からふわりと感じるはちみつの香り。

ジャンキーさは全くなく、軽食の延長線上でペロリと頂けました。他店ではなかなか見ない独自のフルーツピザは、度々ラジオやテレビで取り上げられるように。

「思い切って、大成功でしたね」と鶴澤さんは笑みを見せます。

代替わりは突然に、けれど「これも運命」。地元で連綿と継がれるブランディング

TSURUZAWAの歴史は、祖父の代に始まった果物屋に遡ります。

「当時、このあたりにショッピングモールはなかったんです。商店街で店を構えていたときから『果物は、ツルザワさん』と来てくださる方が多くて。地域のなかでのブランディングは確立していたと思います」と鶴澤さんは話します。

長野商店街のアーケード。かつて画像右側のエリアにあったお店は、ノバティながののオープンに合わせて館内へ移転

商店街に構えていた当時の名残で、地元のご年配の方をはじめ、果物を買いに来てくださる人も度々いらっしゃいます。

鶴澤さんは、現在、3代目のオーナー。しかし、かつて継ぐ気はあまりなく、父と衝突することも何度かあったそう。「学生を経て、外で働いたり、学生ビザを使ってニューヨークに住んだり。反抗するように店から離れていましたね」と振り返ります。

けれども、その父が倒れ、半年後に急逝。「やすもん(安物)売りになったらあかん。仕入れるんやったら1番ええもん買うんやで」という父の言葉を胸に店頭へ立ち続けます。

「父が倒れていなかったら、河内長野に戻っていなかったけれど、これも運命ですね。今は楽しくやっていますよ」と語る表情には、和やかさがにじみ出ていました。

「万博に出た」という事実が誇りに。名物のフルーツサンドは大阪・関西万博でも提供

これまで、市内のスタンプラリーをはじめ、地域のイベントにも度々参加してきたTSURUZAWA。

「自分から手を挙げるよりかは、声をかけてもらって参加することが多いですね」と話す鶴澤さんが、直近、自ら挙手して出店を決めたイベントがあります。

それは、2025年に開催された「大阪・関西万博」。ニューヨークに在住歴があり、海外が好きだという鶴澤さんの心を虜にします。

サスティナブルフードコートにて行われた「大阪のれんめぐり~食と祭EXPO〜」にて、同じく河内長野市内の飲食店とともに出店。TSURUZAWA名物のフルーツサンドが、夢洲の万博会場でも提供されました。

万博会場のある夢洲も、TSURUZAWAのある河内長野も、同じ大阪府下にあるとはいえ、車で1時間かかります。

決して近いとはいえない移動距離に加えて、現地では調理ができないという制約も。フルーツサンドをお店で作って、そのまま会場まで持ち込んでいました。

朝5時、フルーツサンドを万博会場へ搬入し、お店に戻ってTSURUZAWAをオープン。営業時間終了後に再び夢洲へ向かい、TSURUZAWAと会場を行き来する日々。

「めっちゃ大変やったけれど、経験値は圧倒的に上がりました。この先もうできない経験ができましたね」と、声をワントーン上げて懐古します。

70年以上続く老舗店が「大阪・関西万博に出た」という揺るがない事実。上質な果物、そして、思い入れのあるカフェとともに、これからも、河内長野のまちを歩み続けます。

店舗情報

店名:fruits gift & dessert cafe TSURUZAWA

住所:〒586-0015 大阪府河内長野市本町24-1 ノバティながの北館1F

定休日:水曜不定休

営業時間:11:00~18:00

電話番号:0721-52-3140

ホームページ:こちら

Instagram:@fruits_cafe_tsuruzawa

アクセス

南海高野線、近鉄長野線「河内長野駅」より徒歩2分

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この記事を書いた人

AZU

大阪府河内長野市出身・在住のアラサー。「大阪(の田舎)生まれ」をアイデンティティとし、あえて地元をめぐる【ジモ旅】が好き。大阪(南河内)和歌山(橋本)を中心に活動しています。本業は学校職員。

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