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フード  |    2026.09.05

抽選倍率200倍超「霧の森大福」27年愛され続ける理由【愛媛県松山市】

愛媛県四国中央市新宮町の特産品「新宮茶」を使った人気和菓子「霧の森大福」。現在では抽選販売の倍率が200倍を超えることもある全国的な人気商品ですが、誕生当初から注目を集めていたわけではありませんでした。

その裏には、「新宮茶の魅力をもっと多くの人に知ってほしい」という地域への想いと、長年積み重ねてきた地道な取り組みがあります。

今回は、広報担当の高野さんに、霧の森大福が誕生した背景や、多くの人に愛され続ける理由について伺いました。


地域おこしから生まれた「霧の森大福」

現在の四国中央市新宮町に観光施設「霧の森」がオープンしたタイミングで、霧の森大福が誕生しました。

当時、この地域最大の特産品は新宮茶。しかし、お茶を飲む人が減少する中、「お茶だけでは地域の魅力を伝えることが難しいのではないか」という課題がありました。

そこで生まれたのが、お茶を使ったお菓子です。

高野さんは当時の経緯について、次のように話します。

「お茶がおいしいからといってPRしても、お茶を飲む方が減ってきている時代でした。お菓子なら、もっと親しみを持って食べてもらえるんじゃないかと」

実は、霧の森大福は最初から看板商品として誕生したわけではありません。観光施設のお土産として開発された数ある商品の一つだったそうです。地域活性化という大きな目的の中で、霧の森大福は生まれました。


全国的人気のきっかけは「地道な積み重ね」

現在では全国的な知名度を誇る霧の森大福ですが、発売当初は決して順調だったわけではありません。転機となったのはネットショップでした。

当時としては珍しかった、お客様一人ひとりへの丁寧なメール対応や、新宮町の情報発信など、温かみのあるコミュニケーションを積み重ねたことで、多くのファンが少しずつ増えていったといいます。

その取り組みが評価され、『関西ウォーカー』で紹介されたことをきっかけに人気が拡大。さらにテレビ番組『ぷっすま』で取り上げられると、一気に注文が殺到しました。

その後もメディアで紹介される機会が増え、現在では年に数回行われる抽選販売では、倍率200倍を超えることもあります。

高野さんによると、2026年にテレビ番組で全国のお土産ランキング1位に選ばれた影響もあり、さらに応募が増えたそうです。


品質第一の姿勢

ここまで人気商品になれば、生産量を増やしたくなるものです。

しかし、霧の森ではその考え方を選びません。理由について、高野さんはこう話します。

「私たちは、お菓子だけ売れればいいというわけでは決してありません。新宮茶があってこその霧の森大福なんです」

霧の森大福に使われる抹茶は、新宮茶のみ。他県のお茶を仕入れて大量生産することは、一切考えていないそうです。

「なぜもっとたくさん作らないのですか?」そんな問い合わせを受けることも少なくありません。

しかし、その背景を丁寧に説明すると、多くのお客様が納得してくださるといいます。大量生産ではなく、品質を守り、新宮茶をお客様に届けること。

それが27年間変わらない霧の森の姿勢です。


「新宮茶の魅力」を届けたい

霧の森では、百貨店などの催事に出店する際も、商品だけを送ることはありません。必ずスタッフが現地へ足を運び、自ら販売します。

それは、霧の森大福だけではなく、新宮茶や新宮町そのものの魅力を伝えたいからです。

「お茶がおいしい地域なんですよ」

「温泉や宿泊施設もありますので、ぜひ新宮にも遊びに来てください」

そんな会話を通じて、お客様との距離を縮めてきました。実際に、催事で出会ったお客様が後日、新宮町まで足を運んでくださることもあるそうです。

商品を販売することだけではなく、人と地域をつなぐこと。その積み重ねこそが、多くのファンを生み続ける理由なのかもしれません。


「おいしい」の先にある、地域の未来

霧の森大福は、今や全国から注文が集まる愛媛を代表する銘菓になりました。

しかし、高野さんは「まだスタートラインに立ったばかり」と話します。目指しているのは、霧の森大福の知名度ではなく、新宮茶そのものの価値をもっと多くの人に知ってもらうこと。

その想いがあるからこそ、原料も販売方法も妥協せず、地域に根差したものづくりを続けています。

霧の森大福を味わうことは、おいしい和菓子を楽しむだけではありません。その一つひとつには、新宮町の自然、茶農家の努力、そして地域を未来へつないでいきたいという人々の想いが詰まっています。

基本情報

霧の森菓子工房 松山店

住所:愛媛県松山市大街道3丁目3−1

休日:毎月第4月曜(祝日の場合は営業)、12月31日から1月1日

営業時間:9時30分~17時30分

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この記事を書いた人

世界のわたなべけん

地域に眠る人・場所・会社を取材し、 世界に向けて発信しています。 現場に足を運び、丁寧に伝えることを大切にしています。 地域の価値を最大化し、世界に届けるのがテーマです。

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