愛媛県松山市を訪れたら、誰もが一度は目にするのが、街の真ん中にどっしりと構える「お城山(勝山)」です。
その頂にそびえる松山城は、単なる歴史的建造物ではありません。山頂の「本丸」、山腹の「二之丸」、そして麓の「三之丸」という3つのエリアが一体となった巨大なエンターテインメント空間です。
今回は、この3つのエリアがどのようにつながり、地域に愛されているのかを中心に、魅力をたっぷり紹介します。最後まで読めば、松山城観光がより楽しくなるでしょう。
1.はじめに:松山城が「すごい」3つの理由

まず、松山城が日本全国の数あるお城の中でも特別と言われる理由を簡単におさらいしましょう。
- 現存12天守の一つ:江戸時代以前に建てられた天守が現存する、全国で12か所しかない貴重なお城です。
- 四国最大の城郭:戦国武将・加藤嘉明が1602年から四半世紀(約25年)をかけて築いた、守りも攻めも完璧な「難攻不落の城郭ワールド」です。
- 重要文化財の宝庫:天守を含め、21棟もの建造物が国の重要文化財に指定されています。
それでは、麓の「三之丸」から順に、その魅力に迫っていきましょう!
2.【三之丸】市民に最も近い憩いの場「堀之内地区」

松山市の中心部に広がる広大な緑地が、三之丸(堀之内地区)です。かつては藩主の御殿や家臣たちの屋敷が立ち並ぶ、松山藩の中枢でした。
現代の三之丸は「遊びのパラダイス」

現在は、江戸時代の区画(地割)を道路や側溝で再現しつつ、誰もが自由に利用できる「城山公園」として整備されています。園内には、用途に合わせた4つの大きな広場があります。

- やすらぎ広場:松山城を最も美しく見上げられる芝生広場。お弁当を広げたり、のんびり読書をしたりするのに最適なスポット
- ふれあい広場:キャッチボール(柔らかいボール限定)などの軽スポーツを楽しめるエリア。かつては「松山市営球場」があった場所で、プロ野球のキャンプ地としても賑わった歴史がある
- さくら広場:春になると桜が咲き誇り、松山市民が毎年心待ちにしているお花見の名所
- 管理広場:大規模なイベント(「産業まつり」など)の準備や小規模な催しに使われる
お堀の白鳥と守られた景観

公園をぐるりと囲む「城濠(お堀)」では、優雅に泳ぐ白鳥や鯉、鮒の姿が見られます。実はこのお堀には、戦後すぐに埋め立ての命令が出されたことがあります。
しかし、市民たちの懸命な反対運動によって、今の美しい姿が守られたという感動的なエピソードが残っています。
3.【二之丸】歴史の深みを感じる「二之丸史跡庭園」

三之丸から少し登った、標高約40メートルの場所にあるのが二之丸(二之丸史跡庭園)です。1992年に開園したこの庭園の最大の特徴は、江戸時代の御殿の間取りを草花や水路で表現している点です。
- 柑橘・草花園:公的な場であった「表向」の間取りを、各地のミカンなどの柑橘類や草花で再現
- 流水園:藩主のプライベート空間だった「奥向」の間取りを、水が流れる水路で表現
ここはかつて、藩主が実際に生活し、政治を行っていた場所です。
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4.【本丸】圧巻の現存天守!360度の絶景が広がる「城郭ワールド」

いよいよ、標高132メートルの勝山山頂にある本丸です。ロープウェイやリフト、あるいは趣のある登城道を歩いて目指します。
松山城の本丸にある天守は、大天守・小天守と、複数の櫓(やぐら)が渡塀で結ばれた「連立式」と呼ばれる、非常に複雑な構造です。これは、一度門を突破されても、別の場所から攻撃を続けられるように工夫された、究極の防御スタイルです。

内部では、重要文化財に指定された当時の建築美を間近で見学でき、刀剣や鎧の展示も充実しています。最上階に登れば、松山平野や瀬戸内海を一望できる360度の大パノラマが待っています!
5.アクセス・料金・営業時間のまとめ

松山城をスムーズに楽しむための基本情報をまとめました。
■本丸(天守)
- 所在地:松山市丸之内1
- 営業時間:9時から17時(季節変動あり)
- 観覧料:大人520円・小人160円
- アクセス:ロープウェイorリフト利用後、徒歩約10分

■二之丸史跡庭園
- 所在地:松山市丸之内5
- 営業時間:9時から17時
- 観覧料:大人200円・小人100円
- アクセス方法:市内電車「県庁前」から徒歩約5分
■三之丸(堀之内)

- 所在地:松山市堀之内
- 営業時間:24時間解放
- 観覧料:無料
- アクセス方法:市内電車「南堀端」などからすぐ
車でアクセスする場合、松山市中心部を目指すのがポイントです。ただし、城山公園(堀之内地区)内には一般乗用車用の駐車場がありません。周辺の民間・公共の有料駐車場を利用する必要があります。

【おトク情報】ロープウェイ・リフトは、往復520円(共通券)で利用できます。東雲口駅舎ではクレジットカードやQRコード決済(PayPay、d払いなど)も使えるので便利ですよ。
6.おわりに:松山城が拓く地域の未来

松山城は、かつて加藤嘉明や松平家が守ってきた「守りの要」でした。明治時代を経て、市民の手でお堀が守られ、戦後の復興期には野球場などのスポーツ施設として活用されました。現在は、歴史を大切に再現した都市公園へと進化を遂げています。

本丸、二之丸、三之丸の3つを巡ることは、まさにこの地域の歩んできた歴史と、未来へ向けた熱意を肌で感じることだといえます。
松山市を訪れる際は、ぜひこの3つのエリアをゆっくりと歩いて、あなただけのお気に入りのスポットを見つけてみてください。きっと、松山のことがもっと好きになるはずです!




