今も昔も、子どもが大好きなもののひとつ、駄菓子。
大人でも駄菓子コーナーを見かけると、おこづかいを握りしめてお菓子を買いに走った子ども時代を思い出して「懐かしい!」とついつい足を止めてしまう方もいるのではないでしょうか。
駄菓子を食べるとき「美味しい」だけではなく「懐かしい」も一緒に楽しんでいる気がしますよね。
今回は、江別市野幌駅からほど近い「だがしや あ~るじゃん」をご紹介します。
懐かしい駄菓子屋でのひとときで、子ども時代に戻ったように、ほっと温まりませんか。
「だがしや あ~るじゃん」とは?
「だがしや あ~るじゃん」は、札幌から岩見沢方面に進む国道12号線から、野幌駅北口に向かう道沿いにあるお店です。
サーモンピンク色の建物の1階にあるお店の入り口には、印象的な大きな赤い暖簾がかかっています。
早速入ってみましょう!
子ども時代にタイムスリップしたみたい
入店すると「いらっしゃい。ゆっくり見ていってね」と優しい声かけをしてくださったのは、店主の西岡礼子さん。お一人でこのお店を切り盛りされています。
店内を見回すと、駄菓子がたくさん!壁一面にお菓子の箱があり、わっと驚くような品揃えです!
このお菓子の箱一つひとつに、大きい手書きの値札がつけられています。ここにも、小さい子どもが見やすく、取りやすい心遣いが。
昔よく食べたお菓子がたくさんあり、大人でもテンションが上がります!
「これ、懐かしい~!」
「あ!このお菓子、新しい味が出てる!」
見ているだけで、思わず笑みがこぼれます。まるで、子ども時代にタイムスリップしたかのように楽しめる空間です!
「あ~るじゃん」の名前の由来
まず気になったのは、お店の名前。
「あ~るじゃん」には、店主の西岡礼子さんのお名前のイニシャル「R」と「ここにお店があるじゃん!」という2つの意味が込められているそうです。
「駄菓子屋」ではなく「だがしや」という表記の仕方からも、子どもたちに読みやすく配慮されているのがわかりますね。
「このお店を始めてからもう30年以上。最初は駄菓子屋ではなくて、今でいう100均のようなお店。そのあと、クリーニング店兼駄菓子屋になり、最終的に今のような形になりました」
営業時間は12:00~17:00。
下校時間から17:00までは、子どもたちがいちばん多く訪れるため、西岡さんにとって勝負の時間なのだとか。
大人も子どももワクワクする仕掛け
「あ~るじゃん」には、下校した後の子どもたちを癒す仕掛けが用意されています。
たとえばこちらの冷蔵庫。
ワクワクしながら開けてみると、飲み物やスティックゼリーを凍らせたものが入っていました。
暑い時期にはアイスや飲み物がこちらにたくさん入るのだそう。これは子どもたちもテンションが上がりますね!
どんな素敵なものが入っているのか、ぜひ開けて確認してみてくださいね。
店主の優しさと個性が光る!手作りの作品
駄菓子の横には「手作りコーナー」があり、洋服や毛糸のバッグ、アクセサリーが置かれています。
こちらのコーナーのほとんどは西岡さんが手作りしたものだそうです。店先に出ている印象的な赤い暖簾も、西岡さんの手作りなんだとか!
「今の暖簾は2000年頃に作ったものかな。ずっと手作りしている。何回作り直したかわからないくらい」
その他にも、商品を入れて子どもたちに渡す紙袋や、買いたいお菓子を入れるカゴの取手部分も手作りされています。
店内には手作り作品のほかに、西岡さんの趣味の絵なども飾られています。多趣味でアクティブな活動をされて、日々楽しまれているのがわかりますね。
そんな西岡さんは明るくて、とにかく笑顔が多い方。お話をしていて、気がつくとこちらまで笑顔になっています。
そんな人柄も、「あ~るじゃん」に人が集まる理由なのではないでしょうか。
昔と今、お客さんの変化
30年以上もこの地域を見つめ続けてきた「あ~るじゃん」。
西岡さんに「昔と今で、お客さんは変わりましたか?」と聞いてみました。
「すごく変わった。前は子どもひとりでも買い物に行かせる親が多かったけど、今は親が一緒のことが多い。ひとりで歩かせると危ない時代っていうのもあるのかな。駄菓子の金額の計算も、隣にいる親がしていることもある。自分で計算ができない子どもが増えたよね」と西岡さん。
時代の経過とともに「あ~るじゃん」や子どもたちを取り巻く環境も変わっているんですね。
駄菓子の買い物で計算を覚えた子も
一方、こちらの常連さんで、買い物で計算ができるようになった子も多いのだとか。
「お店が混んでなければ、小さい子にも(両替して)10円渡して、いくつ買える?って一緒に計算して教えることもある。でも今はお菓子の値段も変わって、2円とか半端な金額が出ちゃうでしょ。細かくなっちゃって、替えるのが大変!」
そう言って笑っていた西岡さん。
レジにはお客さんに向けた計算機が。西岡さんが、子どもにわかりやすいように計算機に駄菓子の金額を入力して計算していきます。
子どもが数字に触れる機会が多くなるように。このようなところでも、子どもへの心遣いは忘れません。
「子どもはあっという間に大きくなる。大人になったらイヤでも社会の荒波に揉まれるんだから、小さいうちはとにかく可愛がって育ててね」
ご自身の育児の経験から、子育て中の筆者に向けて、たくさんのことを教えてくださった西岡さん。
子どもたちにも、子育て世代にも、温かい応援のまなざしを向けているのです。
「だがしや あ~るじゃん」まとめ
「今日はどのお菓子を買おうかな?」と楽しみにしながら駄菓子屋を訪れていたあの頃。子ども時代には気づかなかったけれど、いつもお店の方の優しいまなざしがあったんだな、と今ならわかります。
「人生って楽しいものなのよ!」と話す西岡さんのキラキラした目には、これからもたくさんの子どもたちの笑顔が映っていくのでしょう。
店主の西岡さんの、子どもたちへの想いが詰まったアットホームな「だがしや あ~るじゃん」。
わっと驚くようなたくさんの駄菓子と、ほっとする店主さんとのやりとりがあなたを待っています。
ぜひ、訪れてみてはいかがでしょうか?
施設の情報
施設名:だがしや あ~るじゃん
住所:〒069-0813 北海道江別市野幌町27‐1 旭通り シャトウヨシダ1F
電話番号:011‐382-7721
アクセス:
【JR】函館本線 野幌駅北口から徒歩2分
【車】札幌から国道12号線(岩見沢方面)を経由して野幌駅北口方向に右折、車で30分