地方創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

スポット  |    2025.11.30

人吉球磨最大級の資料館!山江村歴史民俗資料館とは?|熊本県山江村

熊本県人吉球磨地方には様々な文化財や歴史史料が現存しています。

その一方で、それらの文化財や史料を博物館や資料館といった形で展示している施設はそれほど多くありません。

そんななか、人吉球磨地方でもひときわ大きな存在感をはなっている資料館があります。その名も山江村歴史民俗資料館。

今回は、資料館の学芸員である小田さんにお話を伺ってきました。

山江村歴史民俗資料館の展示品など

山江村歴史民俗資料館では、主に山江村の歴史に関する史料を旧石器時代から幕末の時代にいたるまで展示しています。また、一部コーナーでは昭和の暮らしに関する展示物や民具も展示しており、かつての小学校の備品類や農具などもあります。

特にユニークなのは、かくれ念仏に関する史料と麻栽培に関する農機具類です。

かつて、この地方をおさめていた相良藩によって真宗(浄土真宗)の信仰は厳しく禁じられており、信者たちはひそかに念仏を唱えたり、法座を開いたりして信仰を続けました。これを、かくれ念仏と言います。

山江村には、山田伝助という有名な殉教者がいたことから、こうしたかくれ念仏や山田伝助に関する史料・展示が多く残されているのです。

また、小田さんによると、山江村は熊本県内でも最後まで麻栽培が行われていた地域らしく、麻栽培に関する農機具なども展示していらっしゃいます。

ほかにも各地域で管理者がおらず寄贈されたものや、令和2年7月豪雨水害で被災した行く当てのない仏像なども管理されており、山江村にとって貴重な品々ばかりが展示されています。

こうした山江村に関する資料のみならず、日本遺産関連の展示や相良三十三観音巡りといった巡礼地の案内など、人吉球磨地方全体の文化・歴史の展示もあります。

特に、これらの展示物については書籍以外でなかなか学ぶ機会がありませんが、こちらでは音声や模型等で聞いて、見て学ぶこともできるのです。

その意味では、山江村のみならず、人吉球磨地方全体の歴史や風土に興味のある方におすすめのスポットと言えるでしょう。

来館者はどんな人が多い?

そんな山江村歴史民俗資料館ですが、どんな人が来館しているのでしょうか?

小田さんによると、来館者は山江村村内だけでなく、人吉市など村外の方も多くお見えになるそう。

特に、企画展を開催し、それがメディアに取り上げられると熊本市内から来館される方も増えるそうです。

取材時に開催中だった企画展「和歌にこめた願い~三十六歌仙 相良頼德~」

また、毎月訪ねられる歴史サークルの方々や、郷土史家の方々など、歴史に強く関心のある方の来館もあります。一般の方から専門家の方まで幅広く訪ねられる施設だと言えるでしょう。

お電話でのお問合せも多く、山田伝助やかくれ念仏など展示品にかかわること、アクセス方法、企画展に関する内容など、様々なお問合せがあります。「変わったところでは河童に関するお問合せもありました」とのことで、歴史にかかわらず妖怪など民俗にかかわるお問合せもあるのがユニークなところ。

企画展にご興味があっても来館できない方にパンフレットなどを送ることもあるそうで、資料館の方々の丁寧なご対応がうかがえます。

どんな経緯でできた施設なの?

そんな山江村歴史民俗資料館ですが、どのような経緯で山江村にできたのでしょうか?

小田さんに伺うと、きっかけは九州自動車道開通の際の発掘だそう。そこで出てきた石器や土器などを展示するための施設として山江村歴史民俗資料館は誕生しました。

実際に出土した発掘品の一部

ちなみに、平成11年11月11日11時11分に11人の小学生によってテープカットをしてオープンしたとのことで、一度聞いたらなかなか忘れられないオープン日です。

その後、どなたが提案したかは不明ですが、「農機具を今のうちに残しておかないと、将来なくなってしまうのではないか?」といった提案があり、村内から農機具を中心に様々な品が寄贈され、今の資料館の形になっていったといいます。

意欲的な館長と教育熱心な山江村村長

また、資料館の館長は大変に意欲的な方であり、「受け入れられるものはすべて受け入れる」という姿勢で寄贈を受け取り、保管されているそう。

水害で被災した仏像なども預かっているそうですが、お預かり期限はなんと無期限!その管理の大変さと館長の熱心さがうかがえます。

加えて、全国的にも早い段階で仏像を3D化し「データ化して先々に残す」ことを考えて動かれるなどの活動もされています。

仏像の3Dデータ

山江村のすごいところは、そうした館長の“やりたい”を村長が承認し、データ化の予算なども毎年出されていること。豪雨災害で被災した仏像の保管も館長が提案し、村長が承認してできたことだと言います。

小田さんは「山江村の教育に熱心なところはすごい」と何度も仰っていました。

資料館の今後の展望

そんな資料館の今後はどうなっていくのでしょうか?

小田さんは認知拡大と、資料の保存に関してこのように言われています。

「(認知拡大について)長崎県には隠れキリシタンがあり、全国に知られています。そうした状況に対して『隠れ念仏はまだ知られていないので宣伝が足りていないのではないか』と言われることもあります。真宗がなぜ禁制されていたのかといった理由をより深く調べ、人吉球磨や山江村について知ってもらえるよう発信していきたい」

「(資料の保存に関して)本当は地域の方で管理されるのがベストですが、将来的に山奥にあるような仏像は管理者が不在になってしまうことが予想されるため、それらの仏像をどのように受け入れていくのかといった受け入れ態勢も整えていきたい」

こうしたお言葉を伺うと、山江村歴史民俗資料館は人吉球磨地方の文化や風土を残し、公開する場所としてますます重要な場所になっていくことが予想されます。

山江村歴史民俗資料館

〒868-0092 熊本県球磨郡山江村山田甲1360
電話番号 0966-23-3665
定休 月曜日
10:00~17:00
公式サイト:https://yamaeshiryoukan.jimdofree.com/

記事をシェアする

この記事を書いた人

さるかんね?人吉球磨

熊本県公認モンバサダー|熊本県人吉球磨のグルメ・観光・イベント情報などを発信していきます! 球磨焼酎案内人 |JR肥薩線サポーター | kindleにて『初心者のための人吉観光ガイド』出版中

関連記事