
横浜の「山手地区」は、
開港の歴史とともに歩んできた異国情緒あふれる街。
外国人居留地として発展し、西洋館が点在するこのエリアは、
徒歩で巡れるコンパクトさと歴史的建築の美しさが魅力です。
今回は、港の見える丘公園からスタートし、
横浜市イギリス館、山手234番館、ベーリック・ホール、
そして横浜マリンタワーまでを巡る半日さんぽコースをご紹介します。
モデルコース(2 km)
アクセス・回り方のコツ
山手エリアは、みなとみらい線「元町・中華街駅」からのアクセスが便利。
駅からすぐの「アメリカ山公園」を抜けてスタートすれば、
坂道も比較的緩やかで歩きやすいルートになります。
洋館は無料で入れる施設が多く、
写真撮影も可能な場所が多いのでカメラ好きにもおすすめです。
公園や館内にはベンチもあるので、途中で休憩しながらゆっくり巡れます。
春や秋のバラの季節は特に人気なので、
混雑を避けたい方は平日午前中の訪問がおすすめです。
持ち物・服装
洋館巡りは屋外と屋内を行き来するため、
歩きやすい靴と温度調整しやすい服装がベスト。
また館内は静かな雰囲気なので、音の出る靴や大きな荷物は避けるとスマートです。
飲み物や軽食を持参して公園でピクニック気分を味わうのも良いですね。
港の見える丘公園:横浜の海を一望
まず訪れたいのが「港の見える丘公園」。

その名の通り、展望台からは横浜ベイブリッジや港の景色が広がり、
ベンチに座って海を眺めるだけでも心が休まります。
公園は24時間あいているので、夜景を望むことも可能です。

園内には英国風のローズガーデンがあり、春と秋には約330種のバラが咲き誇ります。
冬でも宿根草が彩りを添え、季節を問わず楽しめるのが嬉しいポイントです。

横浜市イギリス館:英国総領事の旧邸宅
港の見える丘公園内にある「横浜市イギリス館」は、
かつて英国総領事の公邸として使われていた建物です。

重厚感のあるモダンな造りが特徴で、
館内には「横浜家具」と呼ばれる和洋折衷の家具が展示されています。

横浜家具とは、「日本の伝統的な木工技術・道具を使って作りつつ、西洋のデザインや機能性を組み合わせた家具」といわれています。
そのルーツは、外国人居留地に住み始めた外国人が持ち込んだ多くの西洋家具を、
地元の職人が修理をするうちに技術を習得したことに始まります。
釘を使わない工法など、細部に職人技が光っています。
山手234番館:外国人向けアパートメントの面影
次に訪れたのは「山手234番館」。
昭和初期に外国人向けの共同住宅として建てられたこの建物は、
合理的な間取りと洋風の意匠が特徴です。

上げ下げ窓や煙突、中庭など、
当時のライフスタイルを感じさせる造りが随所に残っており、
派手さはないものの、居心地の良さが漂う空間です。
生活感のある展示が多く、当時のありのままの暮らしに触れられる場所でした。
※修繕工事のため、2025年9月1日(月)~2026年3月末(予定)の間は休館
ベーリック・ホール:スパニッシュスタイルの邸宅美
「ベーリック・ホール」は、
イギリス人貿易商B.R.ベリック氏の邸宅として建てられた洋館です。
設計は、丸ビルや日本郵船ビルの建築も手掛けたJ.H.モーガン氏によるもので、
スパニッシュスタイルを基調とした美しい建築です。

赤茶の屋根と白壁が青空に映え、写真映えも抜群。
館内は窓が多く、スペインらしい陽光を取り込む設計が印象的でした。
異国の空気を感じながら、ゆったりとした時間を過ごせる場所です。
横浜マリンタワー:旅の締めくくりに絶景を
最後は「横浜マリンタワー」へ。
地上29階の展望デッキからは、みなとみらい、山下公園、ベイブリッジ、そして天気が良ければ富士山まで望むことができます。

展望だけでなく、ショップやレストランも併設されており、
旅の締めくくりにもぴったりです。
おわりに
山手の洋館巡りは、歴史と文化を感じながら、異国の空気に浸れる贅沢な時間。
徒歩で回れる距離感も魅力で、気軽に非日常を味わえるスポットです。
横浜らしさを感じる半日トリップ、ぜひ次のお出かけ候補に加えてみてくださいね。