めがねのまち鯖江市。市内の道路を通過すると、畳2畳分くらいの大きな立て看板をいくつも見かけます。めがねのまちを謳っているだけのことはあり、眼鏡フレームの国内シェアは96%。高速道路やJRを利用すると、めがねミュージアムも目に止まります。
しかし、鯖江市内で生産している商品は眼鏡フレームだけではありません。眼鏡に必要なレンズ工場も多くあります。
その中の1つ、株式会社乾レンズは2023年4月にLens Parkとしてギャラリー、ショップ、カフェ、ワークショップの複合施設を建設。しかも、施設の隣にある工場内で生産現場の見学もできます。
今回、鯖江市を中心に実施された、ものづくりのイベント「RENEW」をきっかけにLens Parkを見学しました。Lens Parkでは身近な眼鏡やサングラスについての知識を得られるため、眼鏡好きやものづくりに興味のある方にはおすすめの施設です。
Lens Parkは目を守り、暮らしを楽しむ複合施設
Lens Parkの入り口に入ると、綺麗なグラデーションのレンズがずらり。その上には運営元である株式会社乾レンズの紹介が書かれていました。
大阪に本社がある株式会社乾レンズは1953年に創業し、70年間に渡ってサングラス用のレンズを作り続けている会社です。Lens Parkは創業70周年を記念して「目を守り、暮らしを楽しむ」をテーマに建設されたとのこと。
Lens Parkのおすすめは、なんといっても工場見学。工場見学では、サングラス用のレンズについて詳しい解説がありました。
ブルーライトカットレンズの考案者が解説「じつは体に良い」
レンズについて詳しく解説してくださった担当者は、ブルーライトカットレンズの考案者だといいます。特許も保持しているというだけあり、面白おかしく解説された内容も説得力は倍増。
「ブルーライトというと、体に悪いものというイメージがあるかもしれませんが、じつは間違いです。ブルーライトは太陽の光にも含まれており、朝起きたときに浴びると気持ちの良い光。だから、むしろ体には良い光なのです。ただ、夜にブルーライトを浴びると、体が朝と勘違いしてしまいます」
その他、UVは目だけでなく目尻のシワの原因にもなっていることや、安価なサングラスと高価なサングラスの違いなどについても詳しい解説がありました。
安価なサングラスと高価なサングラスの差は何?
一口にサングラスといっても、100円均一で売られているものから5万円以上の高価なものまで幅広く存在します。どうしてこのような価格の違いがあるのでしょうか?
実際に価格の異なるサングラスを手渡され、外の景色を見てみました。筆者には違いがわからなかったのですが、他の参加者はほぼ全員が「見え方が全然違う」と鳩が豆鉄砲をくらったように驚きを隠せない様子。
どうやら、視認性が大きく異なるようです。筆者はそれほど視力が良くないためにわからなかったのかもしれません。
「安価なサングラスの説明書きには『ファッショングラス』と書かれています。じつは、サングラスではありません。そして、説明書きの裏にはさらに『長時間の使用は不可』と書かれてあります。どういうことでしょうか?つまり、見るためのレンズではないということです」と担当者の言葉。
今まで気にしたこともありませんでしたが、安価なサングラスは長時間の使用に耐えられないとのこと。車の運転にも適さないようです。
具体的な実験器具を使用して、光の通る様子を見せていただきました。百聞は一見にしかず。安価なレンズはいかにも体に悪そうな印象を受けます。
じつは、Lens Park内では長時間の使用に耐えられるサングラスの購入が可能です。
Lens Parkは検眼室・加工室・ショップがある複合施設
Lens Park内には検眼室があり、最適なレンズを選定できます。さらに、検眼室の隣には加工室も。
お気に入りのレンズ・フレームを選び、その場で加工してもらうことも可能ですが、加工には1時間ほど必要とのこと。その間は、Lens Park内のカフェでまったり過ごしたり、工場見学して過ごしたりするのがおすすめ。
乾レンズの加工現場を見学
Lens Parkの裏手には乾レンズの加工工場があり、誰でも見学できるようになっています。工場では、レンズのカットや研磨の様子を見たり体験したりできます。
実際に加工現場を見学すると、レンズをカットする工程が意外とアナログなことに驚くかもしれません。最後に頼れるのは、やはり人間の目のようです。
Lens Parkの基本情報
Lens Parkの基本情報は下記のとおりです。
- レンズとカフェ Lens Park
- 〒916-0019
福井県鯖江市丸山町1丁目3-31 - 営業時間:10:00~19:00
- 休日:火曜日
- 公式サイト
レンズとカフェ Lens Park
株式会社乾レンズ