今でこそ、デジタル・アート/メディア・アートは、デジタル技術の急速な発達に伴い普及してきましたが、しくみデザインは、今のように普及する20年以上前からデジタル・アート/メディア・アートの技術を開発してきました。
デジタル・アート/メディア・アートの中でも、しくみデザインは「インタラクティブ・アート」を得意としています。すなわち、一方的なものではなく、インタラクティブ=「双方向性」のあるコンテンツを開発しています。
今回の記事では、デジタル・アート/メディア・アートの視点から見る、しくみデザインの魅力に迫ります。
「描くことは奏でること」inコネクテッド・インク東京2023
2023年11月17日〜18日に、CONNECTED INK 2023が開催されました。
しくみデザイン代表の中村俊介さんは18日に登場。「描くことは奏でること」と題し、絵師ktymさんによるパフォーマンスが行われました。
このパフォーマンスに、しくみデザインがワコムと共同開発したアプリ「色奏音画(しきそうおんが)」が使用されました。
このアプリでは、筆圧、スピード等の「筆使い」が唯一無二の音楽に変換されていきます。そして、描き手自身もこの自らの筆跡が生み出す音楽に触発され、筆が走り始めるのです。
まさに、「描く」という行為が「音楽を奏でる」という行為になる作品。
しくみデザインの「インタラクティブ・アート」のひとつです。
パフォーマンスは、ワコムの井出社長からすぐに商品化したいという言葉が出るくらいの完成度で、会場は大いに盛り上がりました。
実はこの「色奏音画」は、中村さんが22年前の九州芸術工科大学の大学院生だった時に制作したメディアアート作品が元になっています。まだ「メディア・アート」という言葉も知られていなかった時代に作られたこの作品は、デジタルコンテンツグランプリ東北2001で部門賞も受賞しました。
しくみデザインが手がける、音×アート×テクノロジーの世界
そんな、メディア・アート/デジタル・アート界の先駆者的存在のしくみデザインの作品は、日本各地に存在しています。
インタラクティブ・アートの特徴である、「参加できる」という特徴を活かした、誰もが楽しめる作品が多数あります。
●エンタテイメントウォール
たとえば、三井アウトレットパーク 入間の親子でくつろげる「フォレストラウンジ」に設置されたエンタテイメントウォールも、しくみデザインの作品です。
ラウンジの壁には「雨降りの森」そして「宇宙」の2つの世界が映し出されています。参加者はその壁に投影されるものに触れたり、壁に貼り付けられるブロックを動かしたりすることで、壁に投影された世界に入り込むことができます。一度に何人でも参加できるので、親子や兄弟、お友達と一緒に遊ぶことができます。
壁の前に設置されたiPadに絵を描けば、その絵は壁に映し出される森の世界で生き生きと動き出し、森に住む動物たちが描いた絵と一緒に遊び始めます。また、体やブロックを使って雨水を貯めたり、その貯めた雨水を流したりすることで、遊びながら水の流れや重力について理解するようになります。
宇宙の世界には、さまざまな宇宙人が登場します。壁に投影される宇宙人に触れたり、iPadで書いた絵を宇宙に登場させたりして、宇宙人と交流できる作品となっています。
●箱根 彫刻の森美術館
しくみデザインのインタラクティブ・アートは、美術館にもあります。神奈川県の箱根にある野外美術館「彫刻の森美術館」の常設展示企画「彫刻の森研究所」に展示されているのが、「『自分彫刻』を展示してみよう!」です。
参加者がカメラの前に立つと、自分の顔を使ったオリジナルの彫刻「自分彫刻」が作り出されます。できあがった自分彫刻は、上の写真のようにスクリーン上の野外展示場に移動します。自分の彫刻はどこに展示されているのか、探してみましょう。
展示場には春・夏・秋・冬と、順番に四季が訪れます。同じ自分彫刻でも季節によって違って見えてくるはずです。どんなふうに見え方が変わるか、ぜひ観察してみてください。この体験を通して、実際に野外に展示されている世界的な巨匠たちの彫刻も、多様な角度から見ることができるようになります。
●リアルタイムライブ演出
今でこそ当たり前になった、大画面を使ったアーティストのライブ演出。
しくみデザインは、SMAPのライブツアーに同行して、大画面に表示する映像をリアルタイムに生成する、その瞬間にしかできない体験を創り出す映像演出を、日本で最初に実現しました。
ライブにおけるリアルタイム映像演出は、他にもTRFやNissy、KREVA、DREAMS COME TRUEなどの有名アーティストから、ご当地アイドルグループまで、多くのアーティストのパフォーマンスを支えてきました。
TRF20周年ライブの様子
アーティストの動きから生まれる映像エフェクトや、観客とのインタラクションなど、インタラクティブ・アートを活かした演出で、これまでの表現をアップデートしてきました。
しくみデザインを語るなら外せない!AR楽器「KAGURA」
しくみデザインを語るなら外せない、世界一に3度輝いた、何にも触れずに体を動かすだけで演奏できるAR楽器アプリ「KAGURA」。
KAGURAは、何にも触れずに体の動きで音楽を奏でることができる、新世代楽器アプリケーションです。
人の動きやジェスチャーなどを見分けて自在に演奏することができ、ただ動くだけでもちゃんとした音楽になり、狙って動けば思い通りの演奏も可能な、誰もが楽しめる「楽器」です。簡単操作でオリジナルの楽曲を作ることができ、初心者からプロのミュージシャンまで創作やパフォーマンスができる新しい音楽ツールです。
2013年には、アメリカのインテル社が主催する技術コンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge」にて、世界24カ国2,800作品の中からグランプリに選ばれました。
その後、スペインやシンガポールでも世界一に輝くなど、国内外の様々なアワードを受賞しており、メディアにも多数出演しています。
DE DE MOUSE、藍井エイル、相対性理論など、様々なアーティストのライブでも活用されてきました。
現在、KAGURAの無料体験版を配布中です。WEBサイト( http://www.kagura.cc/ )にてメールアドレスを入力された方にだけ、ダウンロード可能なURLを送付しています。
楽器演奏の敷居を下げ、誰でも気持ちよく演奏できる新しい楽器は、パフォーマンスのみならず教育の現場でも活用されています。コロナ禍においては非接触型の楽器として重宝されました。身体を動かすだけで演奏が可能なので、未就学児や障がいのある方の新しい表現方法としても採用されています。
KAGURA公式サイト:https://www.kagura.cc/jp/
おわりに
しくみデザインのデジタルアート/メディアアートの世界は、単なる視覚的な美しさを超えたものです。
インタラクティブ・アートという形で、参加者一人ひとりの感性に訴えかけ、双方向性のあるアートを創出しています。
KAGURAのような革新的なアプリケーションから、大規模な展示やライブ演出まで、しくみデザインはデジタルとアナログの境界をなくし、新しいアート体験を創造し続けています。
アートとテクノロジーの融合によって生み出される無限の可能性に、これからも彼らの活動から目が離せません。
株式会社しくみデザイン
株式会社しくみデザイン
Webサイト:https://www.shikumi.co.jp/
中村俊介ポッドキャスト:それ、なんで楽しいの!?
お問い合わせ先
お電話・メールでのお問い合わせは下記までお願いいたします。
電話番号 092-474-0153
メールアドレス info@shikumi.co.jp
お問合せフォームはこちら
※記事に使用している写真・動画は、全て株式会社しくみデザイン様より提供されたものです。