
地方の企業や地域の魅力をどのように発信し、活性化させるかは非常に重要な課題となっています。その解決策のひとつとして、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が注目されています。ユーザーが自らコンテンツを創造すること(=クリエイター化)で、地域や企業が活性化され、地方創生に貢献するという新たな流れが生まれつつあります。今回の記事では、株式会社しくみデザインが開発したSpringin’を通じて、他分野の企業や地域をプロモートする新戦略を紹介します。
ユーザー参加型ゲーム×広告のメリット

Springin’とは?
「Springin’(スプリンギン)」は、株式会社しくみデザインが開発した革新的なビジュアルプログラミングアプリです。このアプリは、プログラミングの知識がなくても、直感的な操作でゲームやデジタル絵本といった多彩な作品を制作できるプラットフォームを提供しています。
スマートフォンやタブレットがあれば、指先ひとつで絵や写真に音や動きを組み合わせ、オリジナル作品を誰でも簡単に作ることができます。さらに、完成した作品を他のユーザーと共有できるため、創作活動を楽しみながら、日本中・世界中のクリエイターたちとつながることができます。これにより、創造性を育む環境が自然に広がります。
スプリンギンの大きな特徴の一つは、企業や自治体がテーマを提供し、ユーザーがそのテーマに沿った作品を制作する「コンテスト」の仕組みです。これにより、ユーザーは自らのクリエイティブな力を発揮するだけでなく、企業や地域のプロモーションに貢献することができます。このUGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用は、企業や地域のブランド力を高める新たな手法として注目を集めています。
スプリンギンは、創作の楽しさを提供しながら、プログラミング的思考や問題解決能力の育成にも寄与します。また、企業や地域とのコラボレーションを通じて、新しい価値を共に創り出すプラットフォームとして、次世代の創造活動を支える存在となっています。
ユーザー参加型ゲーム×広告のメリット
ユーザー参加型のゲーム広告のメリットとして、次の3つがあります。
・企業や地域の魅力を効果的に発信
ゲームを活用したプロモーションにより、企業や地域の魅力を効果的に発信することで、認知度を大幅に向上させることができます。さらに、ユーザーの創造性を引き出すクリエイティブな取り組みが、企業や地域のブランド価値を高め、信頼感や親しみを生む結果にもつながります。
・ユーザーの創造力を活かしたプロモーション
コンテストを通じてユーザーがクリエイティブにゲームを作成することで、企業や地域は新たな視点やアイデアを獲得できます。このプロセスは、ユーザーとの双方向のコミュニケーションを生み出し、単なる広告を超えた、共創型のプロモーションを実現します。
・全世代を巻き込む包括的なアプローチ
ゲームには幅広い世代が楽しめる魅力があります。特に、デジタルネイティブ世代(デジタルに親しんで育った若い世代)は、ゲームに強い興味を持ち、積極的に関わろうとします。また、親世代やシニア世代でも親しみやすいテーマを設定すれば、世代を超えて多くの人が共感し、参加するきっかけを作ることができます。
企業とのコラボレーション
スズキの「軽トラコンテスト」

しくみデザインは、スズキ株式会社と共に「SUZUKI×Springin’『軽トラ』コンテスト」を2024年6月6日から8月18日に開催しました。このコンテストは、軽トラックをテーマにしたゲームやデジタル絵本を募集し、ユーザーがスプリンギンを通じて自身のアイデアをゲームとして形にするプロモーションの好例です。
消費者がゲーム制作に参加することで、軽トラックの新たな魅力が発見され、クリエイティブなプロモーションを実現します。さらに、UGCを活用することで、一方的な広告ではなく双方的な、消費者の視点を反映した効果的なマーケティングが可能になりました。参加者にとっては、評価される機会やゲームクリエイターとしての達成感を得る場となっています。また、特典として、今回のためだけに作成された『あそべるスペシャル軽トラキーホルダー』が授与されるなど、子どもはもちろん、大人もわくわくする仕掛けがあります。

クリエイティブ賞:「夜空を走る」あーる(画像タップで作品が遊べます)
あーるさんの作品「夜空を走る」は、田舎の夜道を軽トラが走る様子を幻想的に描き、2Dでありながら奥行きのあるデザインが評価されました。星や鳥の演出が加わり、癒しのある作品として審査員からも高く評価されています。授賞式の際にあーるさんが小学生であることがわかり審査員一同どよめきました。
中部電力の「お茶コンテスト」

中部電力とスプリンギンが開催した「お茶コンテスト」では、静岡の名産品であるお茶をテーマに、ユーザーがゲームを制作しました。この取り組みは、地域の文化や特産品をクリエイティブに発信する試みで、掛川市との協力のもと開催されました。
このコンテストは、地域の誇りでもある「お茶」をテーマにすることで地方創生にも貢献しており、地元産業の活性化を目指しています。掛川市内で行われたワークショップでは、しくみデザインの講師がゲーム作りを指導し、次世代の子どもたちにプログラミングの基礎を教える場にもなりました。この取り組みは、地域や企業が協力して創造性を推進するUGCの好例として評価されています。

金賞
「緑茶を一から作ろう!:」たまひよこ ひよたま(画像タップで作品が遊べます)
金賞を取った、たまひよこ ひよたまさんの作品「緑茶を一から作ろう!:」は、お茶の葉からお茶ができるまでのプロセスを丁寧に描き、自分の手でお茶を作っているような感覚を味わえる作品です。さらに、茶のみやきんじろうくんのかわいらしいキャラクターがゲームの魅力を引き立て、思わず引き込まれる内容として審査員からも高く評価されています。
福岡から未来を創る:クリエイティブチャレンジで地方創生を目指す

福岡市としくみデザインが連携して開催する「フクオカクリエイターズアワード 2024」では、「アツい!」をテーマに全国からデジタル作品を募集しました。この取り組みは、子どもたちの創造力を育むことを目的とし、福岡市内外の参加者が自由にデジタル作品を制作するプログラミングコンテストです。
2017年から続くこのコンテストは、将来のクリエイターを応援するために開催されており、次世代の人材育成と地域の魅力発信を両立させる活動として評価されています。また、福岡市としくみデザインが協力するこの取り組みは、創造性を軸にした地域活性化の新たな形として期待されています。

クリエイティブ・ラボ・フクオカ会長賞(最優秀賞)
「みそ汁、おまちッ‼︎」Nobulin (画像タップで作品が遊べます)
Nobulinさんの作品「みそ汁、おまちッ‼︎」は、アツい味噌汁を滑らせてお客さんに届けるというユニークなアイディアが特徴です。お客さんに味噌汁がかかるときのユーモラスな演出や、店長のダジャレを交えた謝罪が作品に楽しさを加えています。さらに、各ステージで味噌汁の具を選ぶ仕組みが統一感を生み、審査員から高く評価されました。
おわりに〜企業と地域が共に成長するUGCの未来
UGCを活用したこれらの取り組みは、しくみデザインのSpringin’を通じて、企業と消費者がクリエイティブな価値を共に創り出す新しい形を示しています。ユーザーが制作したゲームやデジタルコンテンツを通じて、企業は消費者の視点を取り入れたプロモーションを展開し、効果的なマーケティングを実現しています。地域の文化や次世代の育成にも寄与し、これからの地域活性化とクリエイティブな未来を切り拓く取り組みとして、さらなる発展が期待されます。
※記事に使用している写真は、全て株式会社しくみデザイン様より許可を得ています。
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