東大阪の魅力を日々発信し続ける4つのローカルメディア。『東大阪バーチャルシティ』、『週刊ひがしおおさか』、『I LOVE 東大阪』、『まいぷれ東大阪市』の運営者が一堂に会し、メディア立ち上げのきっかけから東大阪の未来まで、本音で語り尽くしてくれました。トークセッションから見えてきた「東大阪らしさ」とは。
笑いあふれる座談会の模様を、前後編でお届けします。

メディア紹介(写真左から)
まいぷれ東大阪 2014年5月開設
岡田 浩二(株式会社オールギブ)
東大阪で一番経営課題を解決できる人になる!という目標の下、事業者の課題解決支援型プラットフォームとして機能しているメディア。2025年より、4代目運営としてオールギブが就任。
週刊ひがしおおさか 2007年9月開設
前田 寛文(株式会社週ひが)
Webでの情報発信だけでなく、数々の商店街・自治体・企業のPRイベント事業を行う。スポーツ関連の情報に強く、関西ラグビーの普及と広報にも力を入れている。
東大阪バーチャルシティ 2000年8月開設
マスクド東大阪
東大阪で最初に開設した地域情報サイト。商店街、大学など地域と連携し、公式マスクマン「マスクド東大阪」が動画配信やイベント開催で走り回っています!
I LOVE 東大阪 2024年5月開設
太田 信寿(株式会社GO FOR IT)
女性目線になって「東大阪をより住みやすい街にしたい」をコンセプトに、市内のグルメやイベント、市役所の情報、スーパーやドラッグストアのチラシ情報をホームページ、SNSで毎日発信しています。
メディア立ち上げのきっかけ

東大阪バーチャルシティ(以下、マスクド) うちは立ち上げから25年になりますけど、インターネット人口が増え始めた頃に、僕自身が「地域の情報欲しいなぁ」って思ったんです。生活圏の情報が要るやろ、と。当時は市役所のホームページがなくて、行政へのクレームが僕のところに来てたぐらいです。あの頃は市役所の対応も素っ気なくてね。僕が頑張ってバーチャルシティを大きくすれば、あっちから歩み寄ってくるやろうとは思ってましたけど。
週刊ひがしおおさか(以下、週ひが) 僕は昔、学習塾をやってまして。生徒の保護者の方で、自分が住んでる町の悪口をめちゃくちゃ言う人がいてたんです。ずーっと悪口聞かされて、もう嫌になってきて(笑) なんかもっとポジティブな地域活動をしたいなぁっていうのがきっかけ。
まいぷれさんとアイラブさんはずっと東大阪?

まいぷれ東大阪(以下、まいぷれ) 僕は大阪市福島区の出身です。これまでいろんな業種の営業をやってきました。去年、会社を辞めて求人広告の仕事を始めたんですけど、それがきっかけで『まいぷれ』に出会いまして。まいぷれをやるための会社を新しく立ち上げて、今に至ると。
I LOVE 東大阪(以下、アイラブ) 僕はもともと徳庵駅の北側なので、鶴見区ですね。線路の南に引っ越して東大阪市民になった。だから、東大阪なのは偶然です。愛だのラブだの言うてますけど、「住んでるところだから」っていうのが理由かな。そもそも行政のサイトって、わざわざ誰も見に行かんじゃないですか。だから、うちがフック的な役割を担えれば、ほんまに必要な時に市のサイトを見に行く動線になるんじゃないかなと思って始めましたね。
それぞれの東大阪愛(?)とは
実はそんなに愛はない…??
「東大阪らしさ」って何だ
まいぷれ この仕事を始めて思ったんが、東大阪って他の地域よりも義理人情に熱いなと。
一同 ホンマに!?
マスクド それたまたまエエ人に会っただけちゃうの?
まいぷれ いや、極論ですけど、相手の懐に土足で入り込んでもOKな人が多いなと。それが許される唯一の町が東大阪かなって。北摂エリアも開拓しようとしたんですけど、無理やったんですよ。
マスクド たしかに北へ行くほど、そういうのできないイメージあるね。
まいぷれ 東大阪の良さって、人と人の関係性かな。
マスクド 東大阪らしさって考えたことないなぁ。生まれたときから住んでるんで。
週ひが 「東大阪」という括りに何か特徴があるとは思ってないです。だって「東大阪」っていう名前、ダサくないですか?(笑) 大阪の東という意味でしかないから、アイデンティティがないのよ。
マスクド 実際まだ3つに分かれてるでしょ。こういう仕事をしてなかったら、「東大阪は1つや」と思ってたかもしれへん。地域のことに関われば関わるほど、分離していることが目に見えて分かるっていう。
※東大阪市は1963年2月1日に布施(ふせ)市、河内市、枚岡(ひらおか)市の3つの市が合併して誕生した。

アイラブ で、基本的にみんな「“東大阪”愛」というものは無い、と。
マスクド 愛着を持つためには敵がいるんですよね。
週ひが 邪魔してくるヤツが要る。
マスクド 僕はずっと布施プロレスの興行をしてて、大東とか交野(かたの)の団体と対抗戦をやるんです。ほんだら、「布施を舐めんなよ!」とか思うわけ。そこで初めて地元への愛が生まれてくる。大東市の野崎プロレスと「東大阪のゴミが川から流れて来よる!」「おまえんとこのゴミ燃やしたってんの全部水走(みずはい)やぞ!(※)」とか、リングの上で言い合ってる(笑)
※東大阪市水走にあるゴミ処理場のこと
まいぷれ うちで言うと、まいぷれって全国各地にあるメディアなんですけど、隣の八尾市に去年『まいぷれ八尾』ができましたね。だから、まいぷれの中で一番になろうというのはあるかも。
マスクド ずっと東大阪におるんで、今さら「好き」っていうのもないけど、たぶん好きには違いないから。
週ひが 「おそらくこの感情は“好き”というのだろう」みたいなんはあるな。
アイラブ 小学生の恋愛みたいになってますやん。
メディア数が多い街の取材あるある
アイラブ ラグビー場行ったら、大体前田さんいてますよね。勝ってる時の前田さんと負けてる時の前田さんのテンション、豚まんぐらい違う。
(一同笑)

アイラブ あとね、うちはまだまだ新しいメディアなので、あまり知られてないんですよ。しょっちゅう、前田さんと間違えられてる。
週ひが あぁ~!
アイラブ 「昔も来てくれましたよね~」「いや、うちは去年できたばっかりで」っていう会話。「それはね、週ひがさんっていう別のやつですー」って。
週ひが それはねぇ、今日は来てないけど、東大阪経済新聞の和田さんもいつも言うてるわ。「こないだ週ひがさんと間違えられてんなぁ」って愚痴ってた(笑)
まいぷれ みんな間違えられるんですね。
アイラブ シルエットで覚えられてるから。
まいぷれ それはここ(週ひがとアイラブ)だけでしょ!
週ひが 今さらお互い気にせえへんけど、和田さんのことは好きなので、「そのうち彼女にならへんかな~」っていう絡みはこの先もしていこうと思ってます。
アイラブ これ絶対書いてくださいね。
週ひが これはいろんなところで言ってる。
マスクド 和田さんは、マスクド東大阪を最初に取材してくれた人なんですよ。
週ひが あの人はガチよ。出版社主催で『地域メディアの可能性』っていう勉強会をやったときに、壇上で喋ってた人やから。僕らは「すげ~」って思いながら見てたの。だからあの人が東大阪に来たとき、「やべ、かぶる!」ってビビったんですよ。初めて会うときにガツンと言ったろ!って考えたけど、いざ会ってみたら「あ、和田さんのこと好きかも~」ってなって、ライバル視しても意味ないわと思った。

マスクド 他にももっとメディアありますやん。僕もとくに「ライバルや」とか感じたことはなくて、それよりも、市民にとっては多メディアで贅沢やなぁって思いますね。他の行政区域に行くと、こういう地域メディアって1都市に1つあるかないかでしょ。東大阪で4つも5つもあるのって、住んでる人は得やなって。
まいぷれ 1社で賄いきれないから、数が多いんでしょうね。広いから。
マスクド あと、東大阪ってイベンターさんがめっちゃ多い。2日に1件くらい掲載依頼が来ますからね。他のエリアはそもそもイベントそんなにやってへんし。
週ひが 八尾市もいろいろやってるでしょ、定期的に。でも八尾ってあんまり続かんのですよ。定着せえへんイメージがある。ぶっちゃけ東大阪も八尾もほとんど違いなんてなくて、本来なら兄弟みたいな感じじゃないですか。
マスクド 第5学区やしね。
週ひが 第5学区やしね(笑) だから、この差は一体何なんやろな~っていうのは……死ぬまでに論文書いてみるか。
(一同笑)
マスクド 東大阪市は、受け手よりも出し手になる側の気質の人が多いんちゃうかな。それがまぁ、最初の話に戻ると「東大阪らしさ」かもしれないですね。
後編へ続きます。
▼座談会の会場に使わせていただいたお店はこちら!
Cafe&Bar irodori.
住所: 大阪府東大阪市下小阪3丁目13−12
TEL : 06-6224-3904
営業時間 : 水・木・金 11:00~17:00(ランチタイムは14:00まで)
Instagram: @cafe.bar.irodori.1014
近鉄奈良線「八戸ノ里(やえのさと)」駅より 徒歩約7分