「大きな街でありながら、さいたま市には大きなコーヒーイベントがありませんでした。だからこそ、ここでスペシャルティコーヒーのイベントをやってみたかったという思いがありました」
そう話すのは「Fucuramu Coffee Roastery」のオーナーで焙煎士の五島和樹さん。
五島さんが発起人となり立ち上げた「さいたまコーヒーフェスティバル」は、浦和駅東口駅前市民広場で2月21日(土)に開催されました。
春のような陽気に恵まれた当日、浦和駅にはコーヒーを心から楽しむ人たちで溢れました。
今回初開催された、さいたまコーヒーフェスティバル(以下SCFと記載)イベントレポートをお伝えします。
コーヒー熱を感じる会場でわくわくとSCF開始を待つ
10時前、会場には設営を終えた各店舗のテントが立ち並び、早くもスペシャルティコーヒーを楽しもうと、続々と来場する人たちが。
コーヒーチケット購入の列に並ぶ人、各店舗ブースをみて回る人…。そこに居る人たちが待ち遠しさを隠せずにそこにいる様子が伝わってきます。
私もそのひとり。手には、コーヒーチケットを握りしめ、SCF開始を心待ちにします。
バンドの演奏と共に心地よくフェスティバルスタート!
SCF開始前、「ゼロクラ」による生演奏がスタート!いよいよ始まる…!一気に会場のボルテージが高まります。

「どのお店から行こうか」と、嬉しい悩みを抱えつつ各店舗を見て回ります。
共通のテイスティングカップで楽しめるコーヒーに加え、フルカップで味わえる一杯も用意。さらに焼き菓子や和菓子、日本茶、コーヒーグッズの物販まで、多彩な店舗が会場を彩ります。
その中で、テイスティングを楽しめるコーヒー店は7店舗ありました。
コーヒーチケット対象店舗
Bokka(久喜市)@bokka___coffee
常盤珈琲焙煎所(さいたま市)@tokiwa_coffee_roaster
EPICE CAFE(さいたま市) @epicecafe2019
SPECIALTY COFFEE No,13(神奈川県横須賀市) @specialty_coffee_beans_no.13
EL ORIGEN(さいたま市) @elorigen.coffee
50 COFFEE & ROASTERY(深谷市)@50coffeeandroastery
FUCURAMU COFFEE ROASTERY(さいたま市)@fucuramu.coffee.roastery
来場者はそれぞれ目当ての店舗へと、流れ始めます。その人の波は、いつしか長い列へと姿を変えていきます。

コーヒーへの情熱が「移し火」のように伝わっていく
五島さん:「出店者は、日ごろからコーヒーに真剣に向き合っているプロばかり。それぞれが大切にしている一杯の魅力を来場者に届けたい…。その想いを軸に、仲間とともに昨年から準備を重ねてきました」
出店者が「コーヒーの魅力を伝えたい」「自分たちのお店を知ってもらいたい」という思いをそれぞれ持って臨んでいるSCF。初開催だからこそ、熱量の高いお店が集結しています。それぞれが時間をかけて準備し、このイベントを大切に思っていることも、SCF最大の魅力だと五島さんは熱を込めて話します。
「さいたまでコーヒーへの情熱に火を灯す」というSCFのテーマには、コーヒー店の強い情熱を、移し火のように来場者へとつないでいきたいという願いが込められているのだそう。
「情熱」はまさに「移し火」となり、次第に熱気に包まれていきます。
コーヒーの楽しみ方は人の数だけある|SCF来場者の声
コーヒーのテイスティングを楽しもうと、列をなしています。お店にたどり着いた人は、嬉しそうにお店の方達と話し始めます。

「うちでも、エスプレッソマシンを使っているんだけどうまくいかなくて…」
「この豆を味わいたくて、浦和に来ちゃいました!」
「コーヒーを淹れているところ、撮影してもいいですか?」

お店の方と話ができる時間は、提供までのわずかな時間。1秒たりとも無駄にしたくない!そんな人たちの思いが感じられます。
みなさん、お店の方も話している時の様子が実に楽しげ。店員と来場者という垣根を超え、「コーヒー」という“共通言語”で会話を楽しんでいるようです。
おふたりで来場し、それぞれ違う豆のコーヒーをテイスティングする方も。それをお互い交換して、また違う味わいを楽しむ。そんな楽しみ方もあるのですね。
会場入り口そばにある「COFFEE ITS」では、コーヒー豆を描く人が。

友達同士で来場したというふたりの女性。SCFを何で知ったのかを伺うと、
「母からSCFのことを聞きました。『こんなイベントやってみるみたいよ』と。日頃からコーヒーが好きなので、友達と一緒に楽しもうと思って」
これから、テイスティングを楽しむのだと笑顔のおふたり。コーヒーを思う存分楽しむ休日のひとときです。
おひとりで来場した方は、
「いつも通っているコーヒー店の味も楽しみたいけれど、せっかくなので味わったことがないコーヒー屋さんでテイスティングをしてみようと」
と、手にはテイスティング用カップを持ち、次なる店舗へ向かうところでした。

事前にチケットも手に入れて、新たなる味との出合いを楽しもうとするおひとりさまが会場のあちらこちらに。新たなる「コーヒーとの出合い」もSCFの魅力のひとつです。
コーヒーのお供に焼き菓子や和菓子を
コーヒーだけでなく、焼き菓子や和菓子などの店舗も出店していたSCF。
五島さんが営む「Fucuramu Coffee Roastery」が出店するシェアキッチン「CLOCK KITCHEN 氷川参道店」にて、週に一度のランチ&スイーツを提供する「食べること研究所」や焼き菓子販売「atrlier 紡」も出店。

日頃からお店に訪れるファンもSCFに足を運び、お目当てのスイーツを手に入れていたようです。いずれも、午前中で完売してしまうほどの人気ぶり。
和菓子店「かどや」も多くの人々で賑わいを見せていました。
みたらし団子とコーヒーのマリアージュはなかなか味わえるものではありません。赤飯やいなりの販売もあり、コーヒーを楽しむ人の胃袋も満たしていました。

会場の一角にある「石山製茶工場」は、コーヒーのイベントには珍しい日本茶専門店。

「Fucuramu Coffee Roastery」の五島さんとの繋がりにより出店している同店では、SCFで使用されたコーヒーカスを堆肥として再利用する取り組みをしています。
SCFで参加者が味わったコーヒーカスは廃棄されることなく、お茶畑の堆肥へと。そして、それによりお茶畑が豊かになり、新たなお茶の命が育まれる…。
廃棄することなく絶えず循環されているSCFの取組みに、感心します。
気がつけば、お昼近くまで時が経っていました。
折々で、ゼロクラの演奏が始まり自然と人が集まってきます。

「アンパンマンのマーチ」から「ロッキーのテーマ」まで、どの年代も楽しめる曲が演奏されています。小さなお子さんが演奏する人のそばへいき、リズムをとる様子も実に楽しげ。

その様子を、コーヒーを手に笑顔で見守る人たち。コーヒーを味わう時間は、人と人をゆるやかにつなぐ時間でもあります。
出店者の情熱が来場者へ、来場者の楽しさがまた誰かへ。
“移し火”のように受け継がれた熱は、浦和のまちにやさしく広がり、灯り続けていました。
初めての開催で生まれたこの火が、これからどんな景色を照らしていくのか。さいたまのコーヒーシーンの未来に、静かな期待がふくらみます。

イベント情報
さいたまコーヒーフェスティバル
開催日時 : 2026年2月21日(土)10:00 – 17:00 ※イベントは終了しています
開催場所 :浦和駅東口駅前市民広場
主催 :さいたまコーヒーフェスティバル実行委員会
共催 :さいたま市
後援 :大宮経済新聞・浦和経済新聞・さいたま観光国際協会 JR東日本浦和駅
協賛 :ゼロクラ・石山製茶工場
協力 |横須賀コーヒーフェスティバル
公式サイト:
https://saitamacoffeefestival.square.site
公式Instagram:
https://www.instagram.com/saitama_coffee_festival/
写真提供:さいたまコーヒーフェスティバル実行委員会




