人生の約3分の1を占める「睡眠」。しかし、寝具を本気で選んでいる人はどれほどいるでしょうか。松山市本町に店を構える「寝具のつじうち」は、創業から約91年、地域の眠りと向き合い続けてきた老舗寝具専門店です。
手造りもめん綿ふとんをはじめ、布団の仕立て直しや貸し布団サービスなど、多角的に“快眠”を支えてきました。本記事では、そのこだわりと魅力を前後編でお届けします。
松山市で90年以上続く老舗寝具専門店「寝具のつじうち」

松山市本町にある「寝具のつじうち」は、創業約91年の歴史を持つ寝具専門店です。長年にわたり、地域の人々の眠りを支え続けてきました。
単なる布団販売店ではなく、製造・販売・リフォーム・貸し布団までを一貫して行う“眠りの専門店”として存在感を放っています。創業当時から大切にしてきたのは、「安眠・快眠」の提供です。
大量生産・大量消費の時代にあっても、職人の手による丁寧な仕立てを守り続けてきました。その姿勢が、地元松山で長く信頼される理由の一つです。
手造りもめん綿ふとんという原点
同店の象徴ともいえるのが、手造りのもめん綿ふとんです。もめん綿は吸湿性に優れ、寝ている間にかく汗をしっかり吸収します。天然素材ならではのやわらかさと通気性が、快適な眠りを支えます。
さらに、使用する綿にもこだわりが。米綿、印度綿、そして両者の特性を活かした上米綿など、素材の違いによって寝心地は変わります。一人ひとりの体格や好みに合わせて仕立てることで、既製品では得られないフィット感を実現。
寝具は毎日使うものだからこそ、「合う・合わない」の差がはっきりと表れます。つじうちでは、そうした違いを丁寧に説明しながら提案を行っています。
布団の仕立て直しで“眠り”を再生

「布団は使い捨てではない」という考えも、同店の大切な価値観です。長年使用した布団は、中綿がへたってボリュームが失われます。しかし、打ち直し(リフォーム)を行うことで、ふっくらとした状態を取り戻すことが可能です。
サイズ変更や軽量化の相談にも応じており、家族構成や生活スタイルの変化に合わせて再生可能。
羽毛布団のリフォームにも対応しており、専門工程を経て再び快適な寝心地へと生まれ変わらせます。こうしたサービスは、単なる販売店ではなく「眠りのメンテナンス専門店」としての役割を果たしています。
貸し布団サービスという地域密着の強み
寝具のつじうちは、貸し布団サービスも展開しています。松山市内であれば配達・回収に対応し、急な来客や帰省、イベント利用など幅広いニーズに対応。
短期から長期まで柔軟に対応しており、地域に根ざしたサービスとして利用されています。“眠りのインフラ”ともいえる存在として、地域生活を支えています。
睡眠環境の提案という使命

つじうちは、布団を売るだけの店ではありません。公式サイトでは、良い睡眠のための生活習慣や環境づくりについても発信しています。適度な運動、日光を浴びる習慣、食生活など、睡眠は生活全体と密接に関わっています。
寝具はその一部でありながら、重要な要素です。そうした総合的な視点からアドバイスを行う姿勢が、専門店としての信頼につながっています。また、不要になった羽毛布団の買取・再利用にも取り組み、環境への配慮も。
持続可能な社会を意識した姿勢も、現代の専門店として重要な役割を果たしています。
松山で「眠り」を任せられる存在

91年という歴史は、単なる数字ではありません。それは、地域から選ばれ続けてきた証です。寝具のつじうちは、製造・販売・リフォーム・レンタル・睡眠提案までを一貫して行う、松山市でも数少ない総合寝具専門店です。
大量生産品では満足できない方、睡眠に悩みを抱えている方にとって、頼れる存在となるでしょう。そして、この店の本当の魅力は“人”にあります。
代表・辻内さんのご紹介
寝具のつじうちの代表を務める辻内さんは、創業から続く老舗寝具専門店の想いを受け継ぎながら、「安眠・快眠」の提供を軸に店舗運営を行っています。
手造りもめん綿ふとんの製造や仕立て直し、羽毛布団リフォーム、貸し布団サービスまで幅広く手がけ、地域の睡眠環境を支えてきました。単に寝具を販売するのではなく、一人ひとりの暮らしに寄り添う提案を大切にしているのが特徴です。
長年の経験と専門知識をもとに、松山市で信頼される“眠りの専門家”として活動を続けています。
布団を作り直すとどう変わるのか

長年使った布団は、綿が硬くなり、ふくらみが失われます。それを仕立て直すと、新品同様にふわっとよみがえります。
「寝心地が良くなった」「見た目が豪華になった」といった声を多くいただくそうです。専門店ならではの作り方で仕立てると、ふくらみや見た目の印象も大きく変わります。仕立て直した布団は、見た目にも違いが出ます。
辻内さんは「ふわっと山なりになっている敷き布団の方が、寝心地はいいのかな」といいます。
松山で商いを続けること

地域で商いを続けるということは、単に商品を売ることではありません。顔の見える関係の中で、一人ひとりの声に耳を傾け、その思いにできる限り応えていくことだといえます。
松山市内だけでなく、近隣地域からも相談が寄せられるのは、長年積み重ねてきた信頼があるからこそです。「地元の方の気持ちに応えられるように、NOはあまりいわないですね。それが心がけていることです」と辻内さん。それが、91年続いてきた理由なのかもしれません。
まとめ|いい道具が、いい眠りをつくる
寝具は“道具”です。良い寝具は眠りの質を高め、結果的に人生を変えます。掛け布団は軽さ重視なら羽毛、重みが欲しければ綿など、好みに合わせて選ぶことが大切だと辻内さんから学びました。睡眠に少し意識を向けるだけで、毎日の質は変わります。
「まずは、ちゃんと寝てほしいですね」松山で布団店を営む辻内さんが伝えたいのは、そんな“当たり前で大切なこと”なのかもしれません。91年続く布団店の店主の言葉は、静かでまっすぐでした。




