
神奈川県横浜市旭区・青葉区を中心に、横浜市内と栃木県内に10か所以上の訪問看護ステーションなどを展開する「はまリハグループ」。
誰もが共生できる社会を目指す–「はまリハ」の原点は、代表・臼居優さん自身の経験にあります。29歳のときに急性骨髄性白血病を患い、入院。そのときの治療体験や入院生活が、今につながっていると語ります。
今回は、「はまリハグループ」代表である臼居優さんの事業や地域への思いをうかがいました。
異業種から理学療法士へ

「はまリハグループ」の代表・臼居優さん(以下、臼居さん)のキャリアは、介護や医療福祉職、一筋ではありません。もともと介護職に興味があり、大学時代にはホームヘルパー2級の資格を取得。介護施設でアルバイトをしていたこともあったそう。

大学卒業後は、介護職に就くことも考えていたそうですが、縁があって不動産会社に就職し、約3年間勤務。不動産会社で仕事をするなかで、「やっぱり介護の現場で、人に直接関わる仕事がしたい」という思いが強くなり、理学療法士を目指して専門学校へ進みました。
老人ホームでアルバイトをしながら学校に通う、忙しい日々を送っていました。
「遠回りに見えるかもしれませんが、あの時間があったからこそ、“生活の場”を支える仕事に目が向いた」と臼居さんは振り返ります。
闘病生活が教えてくれた“日常”の価値

忙しくも夢に向かって充実した日々を送っていた臼居さんに転機が訪れます。
専門学校の実習中に体調が悪くなり、検査を受けたところ医師に「すぐに帰って入院してください」と言われます。告げられた病名は、急性骨髄性白血病。

もう少しで理学療法士の実習が終わり、夢が実現できそうなところで起こった突然のできごとに、目の前が真っ暗になったと語る臼居さん。
入院し治療が始まると、抗がん剤治療で髪が抜け落ち、体重が激減するなど、想像を絶する副作用を経験。うつやパニック障害などにも悩まされます。どん底のなかで支えになったのは、臼居さんのご家族や学生時代の仲間たち。そして、理学療法士になるという夢。
「いろんな人が来てくれましたが、特に母は毎日見舞いに来てくれました。本当にありがたかったですね」
と臼居さん。
ご家族や仲間たちの励まし、治療の効果もあって、回復に向かいます。
闘病生活を経て、回復したら「この命を自分のためだけに使うのではなく、社会に恩返しをしたい」と強く思うようになったそう。
この経験が、訪問看護ステーション「はまリハ」を立ち上げる原点となりました。
「笑顔」は最強、働く環境作りで心掛けていること

その後、臼居さんは理学療法士として病院で急性期から回復期・慢性期までのリハビリや訪問看護など、さまざまな現場での経験を積み独立。2014年12月に「はまリハ訪問看護リハビリステーション」を開業します。
事業は軌道に乗り、順調に店舗数は増えていきました。その一方で、拡大期には「人の課題」にぶつかったと語ります。経営者として従業員との距離感に悩み、立ち上げ時のメンバーほか、「はまリハ」を支えてきた仲間たちの退職が相次ぐなど、苦しい時期もありました。

そんな時に見直したのは、従業員の働き方だけでなく、自分自身の意識。「目の前にいるひとりひとりと、真剣に向き合うこと」を意識するようにしたそうです。
「コーチングなどさまざまなセミナーにも参加しましたが、座学で学んでも実践するのはなかなか難しくて。人に恵まれてここまで来たのに、事業が大きくなっていくにしたがって、いつのまにか勘違いしてしまったところがあったかもしれません。看護や介護の現場では、目の前の人に全力で接する。それを改めていっしょに働く仲間にもやってみようと思いました」

臼居さんの財布のなかには「はまリハ」の企業理念や大切にしている想いが書かれたカードが入っています。今回それを特別に見せてくれました。

臼居さんが大切にしているのは、「愛・誠実・感謝・笑顔」。特に大切にしているのは、
「笑顔」。気分が上がってから笑うのではなく、まず笑うことで空気が変わり、前向きさが生まれる——「笑顔は最強ですよね」と言い切ります。
笑顔でいることに加え、感謝を忘れないようにしているそう。

「感謝も見えるようにした方がわかりやすいと思っていて、働く仲間の誕生日にはちょっとしたプレゼントとメッセージを添えるなどしています。今後もこういった取り組みをしていって、働く本人やご家族が安心できるような職場環境をつくっていきたいですね」
若葉台への恩返し。地域に密着し、この街を盛り上げたい

「生まれ育ったこの若葉台が好き」と語る臼居さん。
子どものころは活気があって賑わっていた若葉台の「ショッピングタウンわかば」も、今ではシャッターが下りている店舗が増えたと感じています。「はまリハ訪問看護リハビリステーション」のスタートこそ、別の場所でしたが、今では「ショッピングタウンわかば」に店舗を構えるまでになりました。
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この街に育ててもらった実感があるからこそ、今度は自分が恩返しをしたい。そんな思いで立ち上げたのが、「街の保健室」。病院に行くほどではないけれど、ちょっとした健康上の不安や初歩的な介護のことなど、さまざまな相談を無料で受けてくれるそう。営業目的ではなく、中立した立場で情報提供することを大切にしているといいます。

さらに重症心身障がい児専門の放課後等デイサービスなども展開し、若葉台地域のコミュニティを活性化するなど、精力的に活動しています。
そんな臼居さんに今後の展望をうかがいました。

「看護小規模多機能居宅介護といって、デイサービスや泊まり、訪問看護が一体となった施設をつくりたいです。理念でもある、子どもでもお年寄りでもどんな人も自分らしく生きられる場所を作っていけたらいいなと思っています。あとは若葉台の仲間たちといっしょに、この街を盛り上げる活動もしています。恩返しのひとつとして続けていきたいですね」
そう穏やかに語る臼居さんの目には、力強い輝きが感じられました。
まとめ

急性骨髄性白血病の闘病生活を経て、理学療法士となり「はまリハ訪問看護リハビリステーション」を立ち上げた代表の臼居優さん。
「誰もが住み慣れた場所で自分らしくいきいきと暮らすことを支援する会社」として、横浜市旭区、青葉区を中心に事業を展開しています。

生まれ育った若葉台を愛し、恩返しとして事業以外のプロジェクトにも積極的に参加しています。今後ますます少子高齢化が進む日本で、若葉台地域での取り組みはひとつの例として参考になるのではないでしょうか。

臼居さんの若葉台への恩返しは、まだ途中。今後も臼居さんの活動から目が離せません。「はまリハ訪問看護リハビリステーション」と若葉台団地に注目していきましょう!
取材場所:はまリハ訪問看護リハビリステーション若葉台
住所:神奈川県横浜市旭区若葉台3-3-1
電話番号:045-461-9009
FAX番号:045-532-8660
アクセス:JR横浜線 「十日市場駅」よりバスで約15分
相鉄線「三ツ境駅」バスで約20分
東急田園都市線「青葉台駅」よりバスで約30分
若葉台中央下車徒歩で約1分
ホームページ:https://hama-reha.co.jp/
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