2024年8月3、4日の二日間にわたり、横浜・馬車道の横浜市役所アトリウムと日本大通りからほど近い大さん橋ふ頭周辺で 『海洋都市横浜 うみ博2024』が開催されました。
環境やSDGS、海に関するお仕事などが体験でき、海のプロが集結するイベントは今年で9回目を迎え、毎年多くのお客様が来られる横浜の夏の風物詩のひとつとも言えます。
今回は前回に引き続き、楽しく遊んで学べる 『海洋都市横浜 うみ博2024』の大さん橋会場の模様をレポートします!
「うみ博」・大さん橋会場では船や消防車が見学できる
『海洋都市横浜 うみ博2024』(以下、うみ博)、横浜市役所アトリウム会場から大さん橋会場への移動は、無料のシャトルバスを利用。約10分後、大さん橋ターミナルの入口まで連れて行ってもらえました。
横浜の海をテーマに楽しく遊んで学ぶ体験型イベント『海洋都市横浜 うみ博2024』に行ってきました!-横浜市役所アトリウム編
うみ博・大さん橋会場は、大さん橋ふ頭基部ロータリーの広場で、横浜市消防局の消防車の展示、冷凍コンテナのなかに入ってひんやりを体験できるプログラム、キッチンカーなどが出店。
大さん橋ふ頭ビルでは、横浜市港湾局による海で回収された大型のゴミなどを展示。さらに大さん橋ターミナル内CIQプラザ前では、現役の船乗りさんによるトークショーや参加型アートコーナーなど、こちらも盛りだくさん。
横浜市役所アトリウム会場にも大勢のお客様が来場されていましたが、35度を超える炎天下のなか、半分野外とも言える会場でありながら大盛況。大さん橋会場のメインは船の見学や展示、消防車両の展示がメイン。横浜市役所アトリウム会場とは違った、リアルな船や消防車の見学や体験ができました。
見学できる船の種類は、2日間で違っています。
8月3日に見学できた船は、清掃兼油回収船「べいくりん」と消防艇「まもり」。4日はタグボート、清掃船「蒼海丸」、港務艇「おおとり」。両日共に見学できたのが、自動車専用船。
4日に行った自動車専用船の船内見学にはホームページからの事前申込が必要で、こちらも大人気。見学枠がすぐに埋まってしまうほどだったそうです。普段は滅多に見られない働く船のなかを見学できるとなれば、殺到するのも納得です。
現役の船乗りさんによるトークショーがおもしろい!
この日は自動車専用船の見学に申し込んでいたので、大さん橋会場へ。
自動車専用船の船内見学はスタート時間が決まっているので、時間まで大さん橋ターミナル内・CIQプラザ前で開催されていた、現役の船乗りさんによるトークショーに参加してみました。
船の見学前に自動車専用船について、日本郵船株式会社の現役の船乗りさんが解説しつつ、子どもたちの質問に答えていくトークショーは、ふたりの船乗りさんのトークが軽妙。時に笑いを交えながら、的確に子どもたちの質問に答えていきます。
船に乗っていて楽しいことはなんですか?どんなことにやりがいを感じますか?船の数はどのくらいあるんですか?など、船や船員さんの生活に関する質問が飛び交います。
質問した子にはプレゼントがあり、それも子どもたちが積極的に質問したくなる要因のひとつ。元気に手をあげる子どもたちの姿を親御さんたちが温かく見守る姿が印象的でした。
将来、海に関する仕事に就く子どもたちが増えるかもしれません。何と言ってもふたりの船乗りさんのトークが面白く、引き込まれてつい聞き入ってしまいました。
普段は入れない自動車専用船に潜入!
いよいよ、自動車専用船に乗り込む時間になりました。大さん橋ターミナルには、大きな客船がときどき停泊しているのを見掛けますが、客船以外の大きな船を見るのは初めてです。荷物を運ぶ船は工業地帯などのふ頭に停泊することが多いので、街に近いふ頭にやって来るのは滅多にない機会。
大さん橋ターミナルの長い通路の視界を全部ふさいでしまうのではないかと思える大きさにびっくり。
入口もさすがに大きいです。船の底に近い位置からなかに入ると薄暗い船内の高い天井が見えます。
自動車専用船内では、この船がどんな役割をしているのか。船の種類や船員さんたちの生活などのパネルが展示されています。また、船に搭載されている大きな救命いかだや、車を運ぶ際に使っている工具などに触れたり、実際に体験してみたりします。
テントのような大きな救命いかだはちょっとしたフォトスポットになっていて、多くのお客様が記念に写真を撮られていました。
自動車専用船の主な役割は自動車を輸送すること。ですが、運ぶのは一般的な自動車だけでなく、大型のダンプカーなども運ぶことがあるそう。13階建ての船内には、ファミリーカーであれば、約6,700台を一気に運ぶことができるとのことです。
効率よく運ぶために、ピッタリ並ぶように駐車していきます。その車庫入れの技術があまりにすごい。横に並んだ車の間隔は10センチ程度。ドライバーは、どうやって車から出るんだ?と思うほど美しい車庫入れに、船内の暑さも一瞬忘れました。
駐車が完了した車は、ベルトで床にきっちり固定します。こんな風に大切に運ばれているとは知りませんでした。
その後、船内を車で移動し、操縦室や甲板を見学。操縦室では多くのお客様が船の操縦について、現役の船乗りさんから話を聞いていました。
甲板に出ると、目玉焼きがすぐできるんじゃないか?と思うほどの暑さ。船乗りさんの夏は大変だなぁと実感。13階建てとあって、眺めは最高。みなとみらいをバックに楽しそうに写真を撮る人の姿も見かけます。
こうして、1時間あまりの自動車専門船の見学が終わりました。
海上コンテナで「ひんやり」を超える体験も!
大さん橋会場の展示ブースでは、横浜市消防局の消防車両、ポンプ車、はしご車、水難救助車両のなかが見学できます。運転席に座ることもでき、こちらは小さなお子さんを連れたファミリーに大人気。
近くでみると消防車も大きく、迫力があります。
さらに海上コンテナで、「ひんやり体験」ができるコーナーがありました。こちらのコーナーは1回につき定員が約30名となっており、整理券を取らなくてはいけません。大人気ですべての会が満員となっていました。
なかに入ると、コンテナのなかは真っ暗。今回は、マイナス5℃に設定されているとのことで、運ぶものによって温度を変えることができるそうです。例えば、バナナの場合はコンテナ内の温度を12℃くらいに設定。12℃のコンテナで運ぶことで、バナナの熟成の進み具合を一時的に止められるとのこと。
食料品を運ぶコンテナの場合は、それぞれの食料品に適した温度で運ぶことで鮮度を保てるとは知りませんでした。
日本の食料自給率は40%に満たないところを推移しています。私たちが食べているものの多くは輸入品。こういった企業の努力があって、新鮮でおいしいものが日々いただけているのですね。
さすがにマイナス5℃の世界はすぐに寒くなりましたが、外に出るとギラギラの太陽で一瞬で汗が噴き出し、すぐにドロドロに。真夏の大さん橋会場は、野外の展示を見学するのにキツいところもありますが、有意義な時間をすごせました。
まとめ
2024年8月3、4日の二日間にわたり、海を介して人と人がつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の取り組みのひとつとして開催された『海洋都市横浜 うみ博2024』。横浜市役所アトリウムと大さん橋ふ頭周辺、どちらの会場も大盛況のうちに幕を閉じました。
海の生き物に触れる。珍しい魚を見る。日本を取り囲む海洋環境や海に関するお仕事を学べるなど、盛りだくさんのコンテンツは、お子さんがいらっしゃるファミリーだけでなく、大人も楽しめるイベントでした。
私が子どものころに行っていたら、今とは違う人生だったかもしれないと思えるような、出会いと希望に満ちあふれた体験ができる内容です。
来年の日程については未定ですが、次回もさらに楽しめるコンテンツが期待できるでしょう。次回のうみ博の開催日程をチェックして、ぜひ訪れてみてくださいね。
取材場所 大さん橋ふ頭周辺
住所:神奈川県横浜市中区海岸通1丁目1
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」から徒歩約7分
横浜市営地下鉄・JR「関内駅」から徒歩約15分
開催期間:2024年8月3日(土)10時~17時、8月4日(日)10時~16時
ホームページ:https://umihaku.jp/
X(Twitter):@umikyogikai
Google マップ: