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バックストーリー  |    2026.02.28

現役ママが子連れで開業した「子育てカフェen」に込められた想いとは|大阪府豊中市

2025年10月31日、住宅街の路地裏にママが子どもを連れて集えるお店「子育てカフェen」がオープンしました。

店舗は住宅として使われていた一軒家。靴を脱いで室内に上がると、1階には畳の部屋が2つとフローリングの部屋が1つ。子ども向けの歌が流れ、おもちゃもたくさん用意されています。なんとこちらには子どものお世話を手伝ってくれるボランティアさんも常駐。ママが子連れで行ってもくつろぎながらドリンクやランチがいただけるという、ほっと一息つける場所です。

経営しているのは、元保育士で2歳の女の子のママでもある酒井奈美さん。なぜこのカフェをオープンしようと思ったのでしょうか。その背景にある思いをお聞きしてきました。

店舗は細い小道の一番奥
円形の看板が目印

つまらないと感じた子育てが楽しくなったのは“居場所”ができたから

東京都出身の酒井さんは6年前に大阪・豊中市に移住。友だちも親戚も近くにいない中での出産や子育ては想像以上にしんどいものだったと言います。「娘が生後2カ月の頃からワンオペ育児になり、家では抱っこから降ろすと泣くので常に抱っこ。話し相手もいなくてずっと母と電話していましたね。ベビーカーで歩き回って、やっと寝たと思ってカフェに入っても、すぐに起きちゃうからゆっくりすることもできない。そんな日々が続いていたので、“子育てってつまらないな”と思っていました」と振り返ります。

そんな酒井さんに変化が訪れたのは、地域の子育て支援センターや子育てサロンに通うようになってから。「大人と話せるだけで日々のストレスが全然違いました。生後半年で初めてママ友ができると、だんだんと子育てが楽しくなってきて。“居場所”があって友だちができれば、育児ってこんなにも楽しくなるんだと実感しました」

笑顔が素敵な酒井さん

ママが子どもと一緒にくつろげて自分も子連れで働ける新しい”居場所”をつくろう

元々保育士だった酒井さん。次第に“かつての自分と同じように子育てがしんどいと感じているママのために何かしたい”と思うようになり、地域の子育てサロンを手伝ったり、外国人ママをサポートするボランティアなどに参加したりするように。お子さんが1歳の時にベビーマッサージ指導者の資格を取得。再び社会に出て働きたいという気持ちも芽生える一方で、大好きな我が子は保育園などに預けずにそばで成長を見守りたいという思いもあったそうです。「私が娘を連れて働くことができ、他のママたちが子連れで来ても心からくつろげるような“居場所”をつくりたい」その2つの願いをかなえるべく、子育てカフェ開業に向けての動きがスタートしました。

奥の部屋には授乳スペースを用意
子ども服リユースのコーナーも設置
おしゃれな壁面は酒井さんのママ友がデコレーションしたもの

子どものお世話を助けてくれるボランティアさんの存在が心強い

子連れで働くと決意した酒井さんでしたが、お子さんを連れての開業準備は想像以上に大変だったそう。「娘は今まで一時保育にも預けたことがなくて。立ち上げの打ち合わせから物件探しなども全部娘と一緒。ベビーマッサージの講座やカフェの営業中も、準備から片づけまで娘の相手をしながらなので、もう無理かもって思う時もありました。最近はイヤイヤ期に入って、思い通りに進まないことも増えています。でもenには子どもの世話を助けてくれるボランティアさんがいるので、娘のことも見てくれて本当に助かっています。ボランティアさんの存在はありがたくて、enに来てくれたママからも『普段外で寝ないのに寝かしつけてくれてすごい!』と感動されたり、『子どもを見てもらえてゆっくりできました』とわざわざ後でメッセージをくれたりすることもあるほど喜ばれています」と笑顔に。

子連れで働く大変さに直面しつつも、それ以上に良いことがあると話す酒井さん。「最近、2歳の娘がお店屋さんごっこや、ぬいぐるみでベビーマッサージの真似をするようになりました。私がママたちの前で講座をするなど、お店で働く姿を見せるのは、創造力を広げるという意味で娘の成長にも良いことだと感じています。保育園に預けなくても社会に出ることができる、それを体現できたことも喜びの一つですね」

働く酒井さんと同じ空間に娘さんの姿も
「ママがちゅくるおにぎり、おいしいよ」と娘さんにおすすめされた「おにぎりランチ」

子連れで働きたいと思うママが活躍できる場所へ

これからは、ママたちが子連れでも働けるような環境づくりにも取り組んでみたいと酒井さんは話します。「2階はレンタルスペースにしており、今もママのカメラマンさんに撮影で使ってもらっているのですが、例えば1階で託児をして2階で仕事をしてもらうような、個人事業主として働くママが子どもを連れてきても仕事ができる場所にしたいと考えています。また、カフェがお休みの日に子育て支援をする団体さんにenを使ってもらって料理の提供などをしてもらえたらうれしいですね。豊中には子育てを応援したいと思っている人がたくさんいるので、協力しながらenを“みんなでママの子育てを助ける場所”にしていけたらいいなと思います」

店名のenには、ご縁の『縁』、支援の『援』、保育園の『園』、サークルの『円』という意味が込められているそう。enという場所が、いろいろな人が手を取り合って子育て中のママを助けてくれる、ママにとっても地域にとっても更に心温まる場所になることを願っています。

店舗情報

子育てカフェen(えん)

営業日・営業時間:公式InstagramなどSNSでお知らせ ※ワンオーダー制

住所:大阪府豊中市蛍池中町2-12-5

駐輪場・駐車場:無(近隣にコインパーキングなどあり)

アクセス:阪急蛍池駅から徒歩約5分

最新情報は公式Instagram

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この記事を書いた人

shoko

兵庫県出身、大阪・北摂エリア在住のライター・エディター。2人の男の子を育てながらフリーランスとして活動しています。知り合いがいない中でスタートした私の子育て。たくさんの人に助けてもらいました。地域でママを助けたいと思って活動している人やお店は意外にも多いと感じている今日この頃。Mediallでは、まだまだ知られていないまちや人の魅力をママ目線で紹介していく予定です。また、生まれ育った兵庫県但馬地域の魅力も伝えたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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