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教育  |    2025.06.19

「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」現地取材【前編】|愛媛県松山市

愛媛県松山市を拠点に活動する「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」

代表の山本良子さん(以下、山本さん)が立ち上げ、活動開始から20年を迎えようとしています。

警察庁や厚生労働省の統計によると、令和6年の児童生徒の自殺者数は過去最多で、子どもの自殺者数は増え続ける傾向にあります。

代表の山本さんはチャーミングな方です

いじめや不登校など、教育現場での問題が多岐に渡る現代において、自然の中で遊んだり多くの人と関わったりすることが、解決の糸口になるかも知れません。

幼少期に小さくチャレンジし、失敗も成功も体験しておくのが、幸せに生きるうえでのポイントになると山本さんは言います。

今回は、子どもが幸せに生きるためのきっかけを作り続けている「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」の特徴や、現地取材の様子などを紹介します。

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場とは

ご飯を自分でよそう子どもの様子が微笑ましいです

「この世に生まれてきたすべての子どもたちが幸せな人生を歩んでほしい」という思いで、平成28年3月に設立されたのが、NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場です。

「なぜもっと楽しく子育てできないのか?」と、4人の子育てをする中で山本さんが疑問を抱いていたのがきっかけです。

時代の変化に合わせ新しい子育てモデルが必要と考え、山本さんは活動を開始。

子どもの感性を刺激する遊具

森のようちえん、フリースクール、キャンプなど、現在では活動内容が多岐に渡っています。

団体全体では6,000人弱の参加者が2024年度は関わっています。

自由に遊べるスペースの問題や犯罪・交通事故などが増加する社会状況において、子どもたちが仲間と一緒に自由に遊ぶ機会は減少する傾向にあります。

孤立した状況にある「孤育て」が増加しているため、親の心身の不調、子どもの成長への悪影響などが懸念されます。

スタッフさんと子どもたちの間には信頼関係が

自然の中での遊びや地域の大人との関わりなどを通し、子どもは自ら行動する力や、創造性などを身に着けていくでしょう。

「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」の活動は以下にまとめました。

プレーパーク・誰でも無料参加可能
・特定のプログラムはなく、禁止事項が少ない
・ビー玉遊び、ボール遊び、昔遊びなど、子ども自身で外遊びする
・出張プレーパークあり
フリースクール たんぽぽの綿毛・2019年に開始
・毎週火、水、木に開催
・年に15回自然体験を実施:ワカメ取りや海遊び、遠足など
・子どもによって異なるオリジナルのプログラムを毎月導入:カードゲーム、プログラミング、音楽など
・本人の希望や保護者の意向を重視
・2024年度は14名が学校に復帰
森のようちえん たんぽぽの根っこ・毎週水、金に開催
・五感を育てるための活動
・カリキュラムがなく、年間を通して自然の中で遊ぶ
・竹や土、花などの自然が遊び道具
森のようちえん えんの森・不定期で開催
・親子参加型で開催
・体験教室の実施:梅ジュースや料理体験、流しそうめんなど
森のようちえん 風の子・親子参加型・海遊びや餅つきなどを実施
由良野の森 親子自然体験活動・親子参加型
・自然体験:森の探検、沢登り、焚き火、ハンモック、苗植えなど
サマーキャンプ・年2回開催
・2泊3日or3泊4日
・松山市の沖合にある「中島」で、自然に触れることを目的
哲学カフェ・2022年1月より開始
・暮らしや社会に関するテーマについて、講義の受講、参加者同士の話し合い
・松山大学非常勤講師の山本希さんが毎回登壇
・小学生から70代の大人まで、幅広い年代層が参加

「森のようちえん たんぽぽの根っこ」の現地取材

山道を登っていきます

「森のようちえん たんぽぽの根っこ」の活動拠点は、松山市祝谷のみかん山

山本さんに従い山道を歩いていくと、子どもたちの元気な声が聞こえてきました。

活動拠点には小屋やテント、ブランコなどがあり、子どもたちは嬉しそうに飛び回っています。

当日は女性のスタッフさんが5人おり、子どもの様子をしっかりと見守り続けながらも、何をするのかは子どもたちの意思に任せているのが印象的でした。

野イチゴを収穫し嬉しそうに山を下りる子どもたち

大人にとってはネガティブに感じられやすい雨でも、子どもたちにとっては遊びを楽しむうえでの道具の1つ。

カッパを着用し、山の上の方から野イチゴを取ってきた子どもたちを見ていると、たくましく感じられました。

取材当日は月に一度の「羽釜ご飯の日」でした

山本さんのことを「ヨッシー」と子どもたちが呼ぶなど、「大人と子ども」ではなく「人と人」として付き合っていることを感じます。

子ども時代に自然や学校以外でのお友達、スタッフさんたちとの関わりを通し、貴重な体験ができるのは魅力的です。

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場の基本情報

スタッフさんと子どもたちの絶妙な距離感

NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場は、各種メディアでも紹介されています。

「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」に限らず、NPO法人の活動は事業収入や助成金などのほか、寄付金によっても支えられています。

社会的に意義のある活動のため、支援したい方は寄付するのが1つの方法です。

団体名NPO法人
みんなダイスキ 松山冒険遊び場
住所愛媛県松山市祝谷3−6−1
公式サイトNPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場
SNSインスタグラム
フェイスブック
YouTube
関連動画森のようちえん全国ネットワーク連盟「Mori-Yo チャンネル」
えひめ情熱人まつやまNPOサポートセンター
・南海放送チャンネル
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たてヨコ愛媛
愛媛新聞ONLINE
メールinfo@asobiba-matuyama.org
電話080-8902-9627

子どもが幸せに生きるきっかけを作る「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」

取材当日は新緑が美しかったです

異年齢の友達や大人との出会い、また、自然の中での遊びを通し、「生き方は無限にある」と子どもたち自身で気づいてもらいやすいのが「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」です。

学校でも家でも習い事でもない環境での体験を通し、子どもたちは自立するためのきっかけを得られます。

時代や経済のせいにするのではなく、置かれている環境で最大限生きていく「自立している人」は魅力的に感じられます。

子ども同士でご飯を食べさせ合うシーンも

子どもの自立や幸せを願う方は「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」へ問い合わせてみるとよいでしょう。

後編では山本先生へインタビューさせてもらった内容を紹介します。

NPO法人の代表として活躍するモチベーションや習慣などを知ると、仕事や日常生活などで役立てられるでしょう。お楽しみに。

後編はこちら

「NPO法人みんなダイスキ松山冒険遊び場」代表・山本良子さんの熱い想いとは【後編】|愛媛県松山市

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この記事を書いた人

渡邉 謙

愛媛県松山市でWebライターとしてお仕事させてもらっています。 県外の出身だからこそわかる、愛媛の人の暖かさや街の魅力。 自信を持ってオススメしたい商品やサービスなどを、わかりやすく発信します。 気になるお店にはぜひ足を運んでください♪

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