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フード  |    2025.12.07

歴史と文化をお菓子で継承|ロリアン洋菓子店の「海老名いろはがるた」神奈川県海老名市

海老名市内にある老舗洋菓子店、ロリアン洋菓子店が手掛ける「海老名いろはがるた」は、海老名の歴史や文化をテーマにしたお菓子の詰め合わせです。

今回は、この「海老名いろはがるた」に収められたお菓子と、それぞれのモチーフとなった海老名の歴史やエピソードをご紹介します。

海老名の歴史を紐解くお菓子「海老名いろはがるた」

神奈川県海老名市にあるロリアン洋菓子店は、創業60年を迎える老舗洋菓子店です。ロールケーキをはじめとした看板商品で、長年にわたり地元の人々に親しまれています。

そんな地域の人々から絶大な信頼を誇るお店で、「海老名のお土産として贈れるお菓子が欲しい」というお客さんの声をきっかけに生まれたのが、お菓子の詰め合わせ「海老名いろはがるた」という商品。

天平13年(741年)に聖武天皇の勅令で相模国分寺が建立されるなど、海老名は長い歴史を持つ街です。古くからの伝承や物語も数多く受け継がれ、地域には豊かな文化資源が息づいています。そんな海老名の各地域に伝わる物語や風景をモチーフにして生まれたお菓子の詰め合わせが、「海老名いろはがるた」です。

女性スタッフが中心となって商品開発に関わったことから、女性が開発に貢献した優れた商品を認定する「神奈川なでしこブランド」に選ばれました。さらに、海老名市の名産品としても認められ、おいしさだけでなく海老名らしさを兼ね備えたお菓子として、地域の魅力を伝える役割も果たしています。

「海老名いろはがるた」の中身を紹介!地域の物語を味わうスイーツ

「海老名いろはがるた」は、ロリアン洋菓子店の美味しいお菓子を味わいながら、地域の物語にも触れられるユニークな詰め合わせのお菓子。(8個入り1,620円、10個入り2,214円、13個入り2,786円、17個入り3,996円の4種類)

ひとつひとつのお菓子に込められた歴史や文化を知ることで、味わう楽しみも広がります。ここからは、それぞれのお菓子とモチーフになったエピソードを紹介します。

千手のぬくもり(マドレーヌ)/モチーフ:龍峰寺の千手観音

室町時代初期に建立され、相模国分寺と深い関わりを持つ「龍峰寺」には、国指定の重要文化財となっている木造の千手観音がまつられています。この千手観音像は、京都の清水寺の像と同じ様式で造られているため、龍峰寺より古く平安時代のころに造像されたと見られています。

千手のぬくもりは、観音様の優しい手のぬくもりを感じられるような、表面はサクッとしていて中はフワフワのマドレーヌです。

龍峰寺

住所:海老名市国分北2-13-40

温故館(フルーツケーキ)/モチーフ:海老名市温故館

海老名村役場庁舎を改修し1982年に郷土資料館として開館した「海老名市温故館」は、2023年に国登録有形文化財に登録されました。市内各地の遺跡から発掘された石器や土器、農耕具・養蚕具などの民俗資料などが展示されています。

温故館をモチーフにしたフルーツケーキには、しっとりとした生地にドライフルーツがたっぷり練り込まれ、柔らかな口当たりと上品な香りが楽しめます。袋を開けた瞬間にブランデーの香りがふわりと広がり、ひと口ごとに大人の贅沢を感じられる仕上がり。

海老名市温故館

住所:海老名市国分南1-6-36
公式HP:https://www.city.ebina.kanagawa.jp/shisei/profile/tankyusha/onko/1000654.html

田ん中ぼっち(抹茶ケーキ)/モチーフ:海源寺

海老名市指定の重要文化財である「海源寺」は、鎌倉時代に幕府の重鎮として活躍した海老名氏の後を継ぎ、室町時代に大島正時が大島家の菩提寺として建立したと伝えられています。

田園の中にぽつんと寺の森だけがあったことから、かつては「田ん中ぼっち海源寺」と呼ばれていたそうです。大納言の甘みと金柑のさわやかな酸味がマッチした、森の緑のイメージを再現した抹茶ケーキ。

海源寺

住所:海老名市中新田1-1-22

海老名の置きみやげ(えびクッキー)/モチーフ:海老名の地名由来

海老名の昔話によると、もともと大きな海老が住む海の入り江だったため、海老名という地名がつけられたそうです。地名の由来にちなんで作られたのが、こちらの香ばしい小エビ入りのクッキー。

バターをたっぷり使った甘いクッキーに、ほんのり広がるエビの香ばしさが重なり合い、甘じょっぱいバランスがクセになる美味しさです。海老名ならではのお土産として広めたい一品。

大谷観音様のカヤの木は…(バウムクーヘン)
/モチーフ:大谷観音堂のカヤの木

「大谷観音堂」には、木造如意輪観音坐像や優しい表情から「笑う閻魔様」と呼ばれる木造閻魔王坐像などが安置されています。

観音堂の境内にある、「かながわ名木100選」に選ばれた樹齢400年のカヤの木の幹をイメージしたバウムクーヘンです。フワフワ食感が魅力の生地に、アプリコットジャムの爽やかな甘酸っぱさがアクセントになっています。

大谷観音堂

住所:海老名市大谷2丁目14−30

国分寺跡の石畳(フロランタン)/モチーフ:相模国分寺跡

国の史跡に指定されている「相模国分寺」は、天平13年に聖武天皇の詔により建立されました。東西約240メートル、南北300メートル以上の広さだったとされており、全国の国分寺跡の中でも有数の規模です。現在は、跡地が公園として整備されています。

国分寺跡の礎石をイメージしたフロランタンで、香ばしい黒ごまの風味とアーモンドスライスのリッチな味わいが広がります。下のサクサクとしたパイ生地との相性も抜群で、食感まで楽しめる一品です。

相模国分寺跡

住所:海老名市国分南1−19

海老名音頭(マロンケーキ)/モチーフ:海老名音頭

昭和6年に海老名村の青年団によって生まれた名曲「海老名音頭」は、「かながわの歌50選」第1位に選ばれました。昭和53年に歌詞を公募して作られた「新海老名音頭」は、市内の夏の盆踊りで定番の一曲です。

そんな「海老名音頭」をモチーフにしたマロンケーキは、しっとりと焼き上げたフワフワのマロン生地に刻んだ栗がアクセントになっています。ひと口食べると、濃厚な栗の甘さがふわっと広がるちょっと贅沢な味わいです。

尼の泣き水(メレンゲ菓子)/モチーフ:相模国分尼寺

「相模国分寺」と共に、天平13年に建立された「相模国分尼寺」。この地には、尼さんと若い漁師の悲しい恋の伝説が残っています。互いに惹かれ合いながらも叶わぬ想いに苦しんだ末、尼さんは罪を犯し処刑されてしまいました。その後、不思議なことにその場所から湧き水が流れ出し、人々はそれを「尼の泣き水」と呼ぶようになったそうです。

伝説に登場する“尼さんの涙のひとしずく”をイメージして作られた、メレンゲのお菓子です。口の中でとろけるような軽やかさ、そしてふわっと広がるリッチなココナッツの香りが魅力。

相模国分尼寺

住所:海老名市国分北2-6

お土産にも最適!地方の魅力をぎゅっと詰めたスイーツ

「海老名いろはがるた」は、海老名の歴史や文化、地域の物語をお菓子で楽しめる特別な商品です。美味しいスイーツが詰まったこの一箱は、手土産としても喜ばれること間違いなし。さらに、海老名の魅力に触れてもらうきっかけにもなります。ぜひロリアン洋菓子店に足を運び、ここでしか味わえないお菓子を手に取ってみてください。

ロリアン洋菓子店

住所:神奈川県海老名市東柏ヶ谷2-2-40
電話番号:046-231-1610
営業時間:9:00-19:00
定休日:月曜日(祝日は営業)、第2第4火曜日
HP:https://www.rorian.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/roriangram/

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この記事を書いた人

神楽 直子

神奈川県海老名市在住のフリーライターです。海外3カ国で暮らしてきましたが、地元・神奈川が大好きです!海老名市を中心とした県央地区の「オンリーワン」な物語を丁寧に取材し、読者の「行ってみたい」「応援したい」という気持ちを引き出す記事をお届けします。

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