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アート  |    2024.12.30

『北斎たんけん隊2024』基地『湘南国際村センター』で、北斎の知られざる一面を知り、いのちと向き合う

2024年11月30日と12月1日に、三浦郡葉山町の横須賀市に隣接する小高い山の上に建つ『湘南国際村センター』が葛飾北斎といのちを知る探検隊『北斎たんけん隊2024』の“基地”になったことを知り、11月30日に隊員となり取材してきました!

『北斎たんけん隊』とは

会場に飾られた『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』の屏風

葛飾北斎といえば代表的作品『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』ではないでしょうか。

この絵がどこで描かれたのかは諸説ありますが、三浦半島から見る景色がとても似ているように感じます。

絵師として有名な北斎ですが、新しい技法を生み出し、革新的思考を持ちながら晩年まで活動をし、多くの人に影響を与えています。

そんな北斎が見てきた、考えてきたものを紐解きながら、『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』が描かれたとされる三浦半島のいのちと向き合う学びのイベントです。

『北斎の生き方を学ぶ』講演

急遽行われた久保田 巖氏による、北斎の浮世絵にまつわる解説ツアー

この日は、北斎の生き方を考える講演が2つありました。

午前は『「真正の画工(えだくみ)」北斎、革新の道』と題して、株式会社アルステクネ CEO久保田 巖氏による、超高精細三次元質感デジタル化作業から見えてきた、北斎が生涯に渡り取り組んできたことを学ぶ時間。

例えば、海外の画家に影響を及ぼした北斎の生み出した絵画技法や、全国にいたとされる弟子の指導のために編み出した“通信教育”について。さらに寺の天井画を依頼された際に、寺を心の拠り所としている地元の人に作業をしてもらうことを考え、下絵を簡素化し作業しやすくしたという話には、現代の“地方創生”への取り組みに繋がっていると感じました。

晩年も精力的に活動し、なんと90歳まで生きたという北斎について、さらなる興味を持つ内容です。

参加者全員で英文の朗読

午後の講演は『いのちに触れる~英詩「北斎は言う」を深掘りする~』と題して、曹洞宗僧侶 曹洞宗国際センター前所長 藤田 一照氏が、詩人Roger S. Keyes の”Hokusai says(北斎は言う)”を参加者と英文朗読をしながら、読解していく講義。

そこには「気づくこと、チャレンジすることを恐れるな」というメッセージが込められています。

講義後半では、小グループに分かれてディスカッションを行い、参加者同士で詩の意味をさらに深掘りするなど、単なる受け身ではない講義に、終了後も参加者同士の会話が続いていたのが印象的でした。

“北斎”と“いのち”を体感する

参加者による、いけばな仕上げ中

このイベントでは、様々な体験ができるプログラムが多くあり、その一部をご紹介します。

『いけばなパフォーマンス』では、仕上げに参加者が“いのちある花”の息吹を感じながら活けていき、基地本部に大きないけばなが完成しました。

『北斎なりきり お絵描きクラブ』では“ものを観察し理解する”をキーワードとして、気づく・創造する力を育むワークを。

『北斎の視点 癒し空間を設計する』は、“自分らしく暮らせる空間”を模型にするワーク。ここでは「北斎の視点」での創作を学びます。スタッフさん曰く「意外と大人がハマっている」とのこと。理想のマイホーム作りの第一歩でしょうか。

理想の癒し空間作品が会場内の大きな地図に並べられ、思い思いに写真を撮っていました

中でも気になったのは、『生命が光に変わる体験シアター”あなたのいのちが光なら。”』。

心臓の動くタイミングで点滅する球を使い、自分の鼓動を感じたり、近くにいる人の鼓動を感じたりするなど、ダイレクトに“いのち”を感じる事のできるもの。

光が表す鼓動を感じていると、とても心が穏やかになっていきます。

手元にある毛糸玉のようなものが、自分の鼓動と連動し光ります

このシアターは、プロジェクト支援のクラウドファンディングを行っていて、シアターについても詳しく紹介されています。

https://for-good.net/project/1001176

海外からの参加者も!英語を交えてのワークを行う藤田 一照氏

そしてもう一つ気になったワークが、午後の講演を行った藤田 一照氏の『藤田一照の「いのちに触れる稽古」』。

こちらは、自分が触れているものは、相手も自分に触れている!「触れる・触れられる」を意識することで“いのち”を感じるもの。

如意棒を使い、相手を意識しながら思い思いに動き、触れ合いながらいのちを感じる

最初はぎこちなかった参加者も、時間が進むにつれて笑顔になって互いに“触れ合う”姿が印象的なワークでした。

「北斎 ⽴版古ワークショップ」の作品が、大海原へ!

そのほか、基地からマイクロバスで移動し、葉山町内の海や山で北斎の視点から“いのち”を感じるフィールドワークも行われていました。

『森羅万象』星の光にいのちを感じる

肉眼でもたくさんの星が見られました

様々な体験をし、あっという間の1日。その締めくくりが『星空観察会in湘南国際村グリーンパーク』。

小高い山の上に位置する湘南国際村は、邪魔する光が少ないため頭上に星空が煌めく環境でもあります。

この日は天気もよく、360°星が瞬いていました。

用意された望遠鏡と、双眼鏡を覗きながらガイドさんの案内に一喜一憂する参加者。「あれは、人工衛星ですね」という言葉に、子どもたちの歓声も。

一人のご婦人が「横浜から来ているのですが、星空観察会に参加したくて、ここに宿泊するんです。横浜では星空が見えなくて…今夜は家族と離れて、星を見ながらひとりの時間を楽しみます」と教えてくださいました。

可愛いイルミネーションが

北斎に対して抱いてきたイメージへの変化や、“いのち”と“自分”を今までにない視点で感じる事のできる貴重な1日となり、隊員としての任務が終了しました!

【『北斎たんけん隊2024』イベントサイト】

https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0602/tankentai

北斎たんけん隊の基地となった『湘南国際村センター』について

湘南国際村センター正面

今回”基地”となった湘南国際村センターは、三浦半島のほぼ中心にある施設で、国際会議場や研修室のほか宿泊施設も完備。自然に囲まれた「緑陰滞在型の研修宿泊施設」となっています。

フロントにあるラウンジには、中庭に面したコンセント付きカウンターテーブルが設置され、Wi-Fi完備。テレワークもできる環境となっていました。

年間を通して様々なイベントが行われるほか、研修などでの利用やリトリートでの利用もオススメです!

JR逗子駅から京急逗子・葉山駅経由と、京急汐入駅からのバスが出ており、逗子、葉山や横須賀へのアクセスが良いので、眺めの良いここを起点として、三浦半島を旅するのもいいかもしれませんね。

湘南国際村グリーンパークから見える風景。相模湾の先には富士山が!この日はとても美しい姿が見られました

【湘南国際村センター】

https://www.shonan-village.co.jp

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この記事を書いた人

youyou

【神奈川県公認Mediallライター】 『人生の旅人パフォーマーyouyou(ゆうゆう)』として、イベント司会の他、物語を作ってのひとり芝居や、朗読などで表現をするパフォーマー、声優活動をしています。 埼玉県春日部市在住。海辺の生活に憧れて、2017年から始めた神奈川県での二拠点生活は、シェアハウスに始まり、現在はオーシャンフロントの部屋でひとりの城を築いているところです。 国内専門のひとり旅(特に乗り専)が趣味。 さらにライターとして、二拠点生活のヒントや、旅で出会った面白いネタ、地域の情報などを記事にしています。

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