「朝から、だし巻きと明太子で幸せになれる場所がある」
そんな噂を聞いて訪れたのは、博多・冷泉町にある「食堂おわん」。朝7時半の開店と同時に席が埋まり、平日でもすぐ満席になる人気店です。
今回は、「博多明太子食べ比べと小さめ出汁巻き玉子御膳(税込2,500円)」を味わってきました。
明太子|博多の味を6通りに味わう贅沢な朝ごはん

博多明太子食べ比べと小さめ出汁巻き玉子御膳で最初に目を引くのは、ずらりと並ぶ6種類の明太子。定番の辛子明太子をはじめ、炙り明太子、数の子入り、くらげ入り、いか明太子、白菜明太子と、それぞれ風味も食感も異なります。

まず口にした辛子明太子は、ほどよい塩気とやさしい辛さが特徴。粒が立った明太子の食感が心地よく、最初の一口からご飯が進みます。
次にいただいた炙り明太子は、表面が香ばしく、噛むと中から明太子の旨みがじゅわっと広がりました。数の子入りはプチプチとした歯ごたえが楽しく、くらげ入りはコリッとした軽い食感がアクセント。いか明太子は濃厚でコク深く、白菜明太子はさっぱりとした味わいで口をリセットしてくれます。
どの明太子も辛さが控えめで、素材の旨みをしっかり感じられる仕上がり。ご飯との相性も抜群で、6種類を少しずつ味わううちに自然と箸が進みました。
出汁巻き玉子|「貴黄卵」を使用したふわふわの一皿

御膳に添えられた出汁巻き玉子には、濃い黄身とコク深い味わいが特徴の「貴黄卵(きおうらん)」が使われています。貴黄卵は、福岡県鞍手町で大切に育てられた親鶏の卵。
デリケートな鶏をストレスから守るため、鶏舎は一年を通して快適な温度・湿度・明るさに保たれています。こうした環境で育った親鶏が産む貴黄卵は、栄養価が高く、濃厚なコクと自然な甘みが特徴です。
焼き立ての出汁巻き玉子の表面はほんのりと色づき、箸を入れると出汁がじんわりと広がります。味付けは控えめで、卵の旨みと出汁の香りが調和した上品な味わい。
ふわっと軽く、しっとりとした食感が印象的で、素材の良さと職人の技がしっかり感じられる一皿でした。
土鍋ご飯|季節ごとにブレンドする炊き立ての一杯

食堂おわんのご飯は、一人分ずつ土鍋で炊き上げる特別なスタイルです。使用するお米は、全国三十種の中から季節に合わせて独自にブレンド。炊き上がりの粒立ち、香り、食感などを細かく考慮し、その時期に最もおいしく仕上がる組み合わせで炊き上げているのだとか。
一人ひとりに土鍋を用意し、炊きたてをそのまま提供。ふたを開けた瞬間、立ちのぼる湯気と甘い香りが広がり、つややかに輝く白米が顔をのぞかせます。まずはお米だけで味わい、その後に塩やおかずと合わせるのがおすすめ。シンプルながらもお米本来の旨みを堪能できるよう、細部まで計算された一杯です。

小ぶりのお茶碗に3杯分ほどの量で、もちもちとした食感と自然な甘みが特徴。どの明太子ともよく合い、最後はお出汁をかけてだし茶漬けとして締めると、また違ったおいしさを楽しめます。
おわりに

「食堂おわん」では、素材の良さを生かした料理を朝食から堪能できます。
6種類の明太子は一つひとつの味が際立ち、出汁巻き玉子は貴黄卵ならではの深いコク、土鍋ご飯は炊き立てならではの香りと甘みが印象的でした。
昼食では朝食と同様の御膳を味わえ、夕食には創作和食が並びます。夜のコースでは、お肉や海鮮など、その日の仕入れに合わせた料理が提供されるそうです。
時間帯ごとに異なる魅力があり、どのタイミングで訪れても満足度の高い食事が楽しめます。博多で素材にこだわった和食を味わいたい方は、訪問してみてはいかがでしょうか。
食堂おわん
住所:福岡県福岡市博多区冷泉町9-20 1階
定休日:なし
営業時間(朝食):7:30〜11:30
営業時間(昼食):12:00〜14:30
営業時間(夕食):17:00〜23:00
電話番号:092-292-0409




