12月12日(金)、愛知県半田市の寿司店「吉祥」にて、三河湾の新たな名物グルメ「三河湾 湾椀すし」のお披露目会が行われました。今回、そのお披露目会に招待していただき、一足先に湾椀すしを体験してきました!この記事では、ひとつの皿の中に三河湾らしさをたっぷりと詰め込んだ新感覚の郷土すし「三河湾 湾椀すし」の魅力を、写真とともにご紹介します。
ミツカンが手掛ける「湾椀すし™」プロジェクト第3弾!

(会場となった半田市の寿司店「吉祥」)
「湾椀すし™」は、株式会社Mizkan(以下「ミツカン」)が自治体と共同で全国の湾と連携し、その土地の自然や歴史、食文化をひとつのお椀の中に表現した新たな「郷土すし」です。「湾椀すしプロジェクト」はこれまで富山湾(富山県)、駿河湾(静岡市)と展開されており、富山ではなんと1日300食が完売。開発に携わった地元の漁師や飲食店が一致団結するなど、新しい名物の開発を通した地域活性化にも貢献しています。
湾椀すしプロジェクトについては、こちらのHPをご覧ください。
この湾椀すしプロジェクト第3弾の舞台として選ばれたのが、ミツカンの創業の地でもある愛知県が誇る内湾「三河湾」です。三河湾は、全体を半島に囲まれているため海流が穏やか。プランクトンが豊富に含まれた海は、季節を問わず多種多様な魚が集う魚介類の宝庫です。
三河湾の食文化に欠かせない「赤酢」

「三河湾 湾椀すし」の定義は、以下の通りです。
①酢飯に赤酢を使用していること
②三河湾の海の恵みを使っていること
③三河湾流域の里の恵み(肉・野菜・卵など)を使っていること
④ひとつの椀の中に“三河湾らしさ”が表現されていること
特筆すべきは①の「酢飯に赤酢を使用していること」です。江戸の握り寿司ブームをけん引した赤酢(粕酢ともいう)を生み出したのは、何を隠そうミツカンの創業者・初代中野又左衛門。半田の寿司文化を語る上で、赤酢はなくてはならないものなのです。
②③④については、あえて特定の食材を指定することはしていません。ミツカンの赤野裕文さんは、「吉祥での展開を皮切りに、店ごとに様々なアレンジを加えた湾椀すしが広まることを期待している」と語りました。
魚、野菜、米。すべてに三河が詰め込まれた渾身の椀!
半田市の名店「吉祥」がミツカンとともに作り上げた「三河湾 湾椀すし」、いざ実食です。地元の魚介はもちろん、卵や野菜にも地物をふんだんに取り込んだ独創的な寿司は、フタを開けた瞬間から人々に笑顔をもたらしました。

知多半島の阿久比町で獲れたお米にミツカンの赤酢「山吹」が混ぜ込まれたオリジナルのシャリの上には、シマアジのカルパッチョや地ダコのジェノベーゼといった三河の海の恵みがたっぷり盛りつけられています。

知多牛のローストビーフや紫ブロッコリーも使われ、通常の海鮮丼ではお目にかかれないようなカラフルな色合いが目にも楽しい逸品です。
筆者のいたテーブルでとくに話題になったのは、米と具材の間に敷かれた椎茸とキクラゲの煮物ミンチ。甘辛く炊かれた味付けに酢飯の酸味がマッチしており、「おにぎりとして単品でも食べたいぐらい」と絶賛の嵐でした。

驚くのは、これだけの具材を和洋折衷で盛り付けているにも関わらず、具材同士が全くケンカしていないことです。カルパッチョやローストビーフとともに酢飯をいただくのは初の機会で、その相性の良さには驚くばかり。寿司がインバウンドからも爆発的な人気を得ている理由には、どんな具材も受け止める酢の包容力の広さがあるのかもしれません。
地元で愛され、海外からも愛される郷土めしへ
試食が終わった後、会場に訪れた関係者の方々からは様々な意見が飛び交いました。
「名古屋人の味覚に合った、甘すぎないまろやかな酢飯が美味しかった」
「海外の方には生魚が苦手な方もいるが、湾椀すしはそういった方が寿司文化を体験する入口になれる商品だと思う」
「三河の食材の魅力をたくさん感じられるメニューだった。これを機に他地域の湾椀すしも食べてみたい」
といった前向きな声のほか、
「生産者の顔が見えるようになれば、よりストーリーのある商品になるのでは」
「三河湾といえば、メヒカリといった深海魚なども有名。地域や店舗ごとに、個性あふれる湾椀すしを展開して欲しい」
など、今後の正式なメニュー化に向けたブラッシュアップ方針についても多くの意見が挙がりました。関係者の方々の、「三河湾 湾椀すし」の成功に向けた熱意を強く感じます。
2026年3月、「三河湾 湾椀すし」本格始動に向けて
「三河湾 湾椀すし」は、今後吉祥での正式なメニュー化を予定しています。また、2026年3月20日(祝)・21日(土)に半田赤レンガ建物にて開催予定の「発酵マルシェ」にて三河湾 湾椀すしを提供する企画を実施予定とのこと。

「湾椀すしプロジェクト」は、地元の食文化として、家庭でも一般的に湾椀すしを楽しんでもらえることを目標としています。吉祥の「三河湾 湾椀すし」はお出かけ先で食べるごちそうとしての側面が強い印象でしたが、今後は家庭でも再現できるような、三河の海・里の恵みを取り入れたスタンダードな「三河湾 湾椀すし」も生まれる予定です。
愛知と言えば、味噌カツや手羽先など何かと濃い味付けの「なごやめし」が有名ですが、それらとは方向性の全く異なる新たな名物として、「三河湾 湾椀すし」が三河エリアに定着することに期待しています。



