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フード  |    2024.12.13

アレルゲン不使用の米粉ドーナツ専門店「nicomeco」で、子どもも大人もみんな笑顔に|名古屋市昭和区

名古屋市昭和区に、子どもも大人も笑顔になれるドーナツ店があります。その名は『米粉ドーナツ専門店nicomeco(ニコメコ)』。7大アレルゲン不使用の焼きドーナツは、アレルギーのあるお子さんがいる親御さんからも熱い支持を集めています。今回は、子育て中のママであり、店長である坂田真梨子さんに、ドーナツへのこだわりとお店に込めた想いを伺いました。

ママと子どもがニコっとなれるドーナツを

名古屋市営地下鉄「御器所駅」3番出口から徒歩3分。米粉ドーナツ専門店nicomecoは、レストラン・バーnodate.さんを間借りして、毎週月曜日に営業しています。オープンでおしゃれな店内。道行く人々が立ち止まります。イートインスペースがあり、お散歩ついでに店内でくつろぐこともできます。

写真提供/米粉ドーナツ専門店nicomeco様(@nicomeco.nagoya)

米粉ドーナツ専門店nicomecoに並べられているドーナツは、すべて7大アレルゲン不使用。小麦・卵・乳をはじめとしてエビ・カニ・落花生・そばを使わずにつくられているため、アレルギーをお持ちの方でも安心して食べられます。原材料はこだわりの国産米粉100%。オーブンで焼き上げるヘルシーなドーナツです。

閉店時間は16:00ですが、取材に行った13:00にはすでに残りが少なくなっていました。

先日来店した、ある親子の話です。お子さんは小麦・卵・乳にアレルギーをお持ちのため、ドーナツ店に足を運んだのはこの日が初めてだったといいます。
「お母さんから『好きなもの選んでいいよ!』っていわれたその子は、満面の笑みでドーナツを選んでいたんです。このお店をつくってよかったと心から思いました」と店長の坂田さんは話します。

坂田さんは、ママの笑顔も大事にしています。忙しい朝に少しでも楽をして笑顔で過ごしてほしい。そんな想いから、パッと食卓に出せる米粉ドーナツを朝食の選択肢として提案しています。

アレルゲン不使用でも大満足な米粉ドーナツのラインナップ紹介

開店当初からある定番のドーナツは5種類。『チョコモンスター』『抹茶あんこ』『プレーン』『ココアチョコチップ』『ウインナー』

一番手前から時計回りに、チョコモンスター、抹茶あんこ、プレーン、ココアチョコチップ、ウインナー

加えて、『チョコバナナ』『きなこ』『シナモン』『チョコレート』が仲間入り。季節のドーナツもあります。「いろんな種類のドーナツを少しずつ食べたい」という要望を叶えるため、3種のミニドーナツのセットも用意。

ミニドーナツは一口サイズ。シェアできるのも嬉しい。

ダントツ一番人気は『チョコモンスター』。見た目のかわいさに釘付けです。モンスターの目はラムネ。コーティングのチョコは乳不使用。乳不使用のチョコと聞いても、普通のチョコと違いがわからないほど、しっかりとチョコを楽しめるドーナツです。

クリスマスバージョンです。写真提供/米粉ドーナツ専門店nicomeco様(@nicomeco.nagoya)

隠れた人気は『ウインナー』。ドーナツの中に輪切りのウインナーが入っています。ドーナツの甘さとウインナーの塩気がベストマッチで、まさに朝食にぴったりです。甘いものが苦手な人もおいしくいただけます。

写真提供/米粉ドーナツ専門店nicomeco様(@nicomeco.nagoya)

一方で、甘いものが好きな人におすすめなのは『ココアチョコチップ』。ココアパウダーを混ぜ込んだ生地には乳不使用のチョコがたっぷり。甘いもの好きが大満足できるチョコ感です。

写真提供/米粉ドーナツ専門店nicomeco様(@nicomeco.nagoya)

大人から子どもまで、そしてアレルギーがあってもなくても、みんながニコっとなれるドーナツ。どのように誕生したのでしょうか。

専業主婦から店長へ。挑戦と試行錯誤でつくりあげた、こだわりのレシピ

もともとは専業主婦だった坂田さん。興味本位で始めたグルテンフリー生活で米粉のおいしさに衝撃を受け、米粉を使って何かつくりたいと考えました。

ちょうどそのとき、米粉パン教室を開催している管理栄養士さんとの運命的な出会いがあり、レシピ開発を依頼。『ママと子どもが笑顔になれるもの』をコンセプトにドーナツをつくろうと、二人三脚で米粉ドーナツのレシピ開発に取り組みました。

米粉ドーナツ開発にあたり、日持ちがしない、パサつきやすい、乾燥しやすいといった課題を克服する必要がありました。水分量、焼き加減を微調整しながらの試行錯誤。味にもこだわり、甘みを何度も加減しました。

よりおいしいものを追求して、今も開発を続けています。

開業準備で不安と焦りの中にいる坂田さんを、ご家族が全面的に支えてくれたといいます。特に「このお店になくてはならない存在です」というほど坂田さんをサポートしてくれているのが、娘さんです。

葛藤の中、娘の一言で気づいた「自分らしく生きること」の大切さ

米粉ドーナツ専門店nicomeco誕生の背景には、坂田さん自身の葛藤がありました。娘さんが生まれてから10年以上専業主婦として熱心に子どもと向き合ってきました。しかし娘さんが大きくなって自己主張をするようになると頻繁にぶつかるように。

「もっと子育てを楽しみたいと思って、コーチングを学び始めました。そこから少しずつ自分を変えようという意識が芽生えました」と話す坂田さん。本気でスイッチが入ったのは、2024年の春。自身が起こした家出でした。

当時不登校だった娘さんに「私が帰宅するまでにはリビングを片付けておくこと」と約束した坂田さん。しかし、帰宅すると荒れ放題なリビング。思わず娘さんに「なんで片付けてくれないの!」と問い詰めました。娘さんから、なぜ片付いていないのが嫌なのかと問われて「嫌なものは嫌なの!」と感情的に答えたところ、冷静な娘さんから返ってきた一言が『価値観の違いだね』。

「返す言葉がなく、逃げるように家を出ました。無意識に娘をコントロールしようとしていた自分にがっかりして。同時に、守らなくてはいけないと思い込んでいた娘は十分に成長し、とうに自分を追い越していることを理解しました」

娘さんの成長を目の当たりにして「これからは母親としてではなく、一人の女性としてやりたいことをやろう」と決意。ずっと憧れていた『小さなパン屋さんの店主になる』という夢をカタチにしようと奮闘し、今につながっているのです。

やさしさがあふれるロゴです。

開業を決めてからは、怒涛の毎日。だからこそ娘さんといい距離感ができ、お互いを尊重しあえるようになったそうです。娘さんは母親である坂田さんの活動を応援し、活動を支えています。

『私がやらなくてはいけない』という思い込みを捨てて『私がやりたいことをやる』と意識を変えてから変化した家族関係。子育てで悩んでいた頃を振り返り「今となっては、当時の悩みはちっぽけなものでした」と笑います。

この経験を通して、坂田さんは子育てで悩むママを応援する場をつくりたいと考えています。

ママのための居場所づくりをしていきたい

自分のことは後回しになりがちな子育て中のママに、ちょこっと休憩できる場としてイートインスペースを活用してほしいといいます。最後に、今後の展望を伺いました。
「イートインスペースで子育ての悩みを聞いたり、ハンドメイドのワークショップを開催したり、いろいろ企画を考えています。伝えていきたいのは、自分の人生を歩むことの大切さ。ママたちがやりたいことにチャレンジするのを、応援していきたいです」

店長の坂田真梨子さん。スタッフ皆さんの笑顔が素敵なお店です。

坂田さんは自分らしい生き方を見つけ、「今は毎日ドーナツのことで頭がいっぱいです!」と語ります。今後はより多くの人に米粉ドーナツのおいしさを届けるために全国配送も考えているとか。
日々新しいことに挑戦している米粉ドーナツ専門店nicomecoに、今後も注目です。

店舗情報

店名:米粉ドーナツ専門店nicomeco
住所:愛知県名古屋市昭和区台町3-3-1宝扇ビル1F 詳しくはこちら
営業日:毎週曜日
営業時間:11:00〜16:00(売り切れ次第終了)
公式Instagram:https://www.instagram.com/nicomeco.nagoya/
※イベントなどにより営業日が変更することがあります。詳細はInstagramの最新情報をご確認ください。

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この記事を書いた人

山田かよ

名古屋の取材ライターとして活動中|出身は愛知県岡崎市で三河も大好き|社会福祉士|福祉の現場で身につけた傾聴力を生かしてインタビューし、人・モノ・お店の魅力を引き出します|趣味は茶道・華道|1児+1ネコの母|

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