愛知県豊橋市にある豊橋総合動植物公園(のんほいパーク)。子どもから大人まで楽しめる複合施設として、周辺地域をはじめとする多くのお客さんに愛されています。
なかでも動物園エリアは、多種多様な動物たちが自然に近い環境で飼育されている人気スポットです。そんな動物園の魅力や取り組みについて、豊橋総合動植物公園の白崎さんにお話を伺いました。
記事は前編・後編に分かれています。前編では、のんほいパークの注目したいポイントについて紹介します。
のんほいパークって、どんな場所?
のんほいパークは、以下4つのエリアで構成される総合動植物公園です。
- 動物園
- 植物園 :多様な自然にふれて学べる植物園!愛知県『豊橋総合動植物公園』
- 自然史博物館 :大人も子どもも楽しく学べる!愛知県豊橋市『自然史博物館』
- 遊園地
子どもから大人まで楽しめる施設が充実しており、朝から夕方まで一日かけて回っても時間が足りないほどです。
「初めて来園されたお客さんには”思っていたより広い!”って、びっくりされることもありますよ」(白崎さん)
約40ヘクタールの広大な敷地には、約140種を超える動物たちが飼育されています。広い展示場が設けられており、動物たちの生き生きとした姿を観察できる動物園です。
たとえば、アフリカ園エリアでは、大自然さながらの敷地でキリンとエランドが暮らす様子が見られます。さらに、エサの時間になると、食事の様子をキリンと同じ目線かつ間近で観察できます。
動物たちが暮らしやすい「広さ」と、お客さんが楽しめる「近さ」を両立しているのも、のんほいパークの魅力です。
のんほいパークの注目したいポイント
愛知県豊橋市出身の私も、幼少期からのんほいパークに何度も足を運んでいます。生き物好きということもあり、大人になったいまでも定期的に訪れる場所です。
そこで、白崎さんにお伺いした内容や私自身の観点から、のんほいパークの注目ポイントをまとめてみました。動物たちを「より楽しく観察するコツ」として、ぜひ参考にしてみてください。
野生さながらの姿に注目(アジアゾウ)
のんほいパークで動物を観察するときは、野生さながらの行動に注目するのがおすすめです。とくにアジアゾウのエリアは、プール付きの広い放飼場が整備されています。
ゾウたちが群れで歩き、コミュニケーションをとる様子は、まるでじゃれ合って遊んでいるかのようです。動物たちの姿だけでなく、行動や仕草を観察すると動物園をより楽しめます。
「夏の時期には、じゃばじゃばとプールに入って水浴びをする様子も観察できます。のんほいパークならではの姿が見られるのも魅力的ですよ」(白崎さん)
息づかいまで伝わる距離に注目(レッサーパンダ・ライオン)
のんほいパークの魅力は、敷地の広さだけではありません。手が届くほどの至近距離で、動物たちの息づかいや迫力を体感できます。
たとえば、2020年5月にリニューアルオープンしたライオン展示場は、のんほいパークの人気エリアです。「こんなに近くて大丈夫なの?」と不安になるほどの距離で、迫力のあるライオンを観察できます。
ライオンが頭上を歩く「ライオンウォーク」の展示にも注目です。白崎さんによると、ライオンが頭上を歩くような設備は、日本の動物園ではめずらしい展示手法だそうですよ。
また、同じく2020年にオープンしたレッサーパンダ舎も、ライオンに負けず劣らずの人気エリアです。息づかいが聞こえるほどの至近距離で、可愛らしいレッサーパンダを観察できます。
私自身が訪問したときには、頭上の通路でレッサーパンダがくつろいでいる姿を見られました。あまりの可愛らしさに、心の底から「来てよかった」と思いましたよ。
エサの時間「もぐもぐタイム」に注目(ホッキョクグマ)
動物園をより楽しむためには、飼育員によるエサやり「もぐもぐタイム」が見逃せません。普段はのんびりと過ごしている動物たちの野性味あふれる姿を観察できます。
「のんほいパークでは、もぐもぐタイムを毎日開催しています。動物たちの生き生きしている姿が伝わるのは、やっぱりごはんを食べている様子を見るのが一番だと思います」(白崎さん)
とくに注目したいのは、ホッキョクグマのもぐもぐタイムです。体長約2mのホッキョクグマが、エサをめがけてプールに飛び込みます(天候やコンディションにより、飛び込まない場合もあります)。
ホッキョクグマがダイブしたときの音や水しぶきには、大型動物ならではの迫力があります。とはいえ、じたばたと犬かきで泳ぐ姿には、思わず可愛らしさも感じてしまいました。
のんほいパークの保全活動にも注目(ヤマトサンショウウオ)
地域の保全活動は、のんほいパークにとって重要な取り組みです。なにげなく展示されている生き物には、実は保全活動のおかげで観察できる種も少なくありません。
取材でお伺いしたところ、地元の渥美半島に生息するヤマトサンショウウオは、30年ほど前に「絶滅した」と言われていたそうです。しかし、のんほいパークの職員が再発見したことをきっかけに、現在では調査・保全活動が行われています。
「野生下のヤマトサンショウウオは、人の手で守ってやらないと外来種にやられてしまう可能性もあります。そこで、採取した卵塊をおたまじゃくしに育て、現地に放流してあげるような保全活動に取り組んでいます」(白崎さん)
爬虫類館(オランウータン舎1階)では、ヤマトサンショウウオが公開されています。あまり目立たない小さな生き物ですが、展示されるまでの背景には、動物園の地道な取り組みがあることを知りました。
子どもと一緒に楽しめる動物園
のんほいパークには、子どもと一緒に遊びに行きたくなる魅力があります。動物園には、子どもと一緒に大人が楽しめるイベントも豊富です。
そこで後編では、のんほいパークの体験イベントや満喫するためのコツを紹介します。ぜひ、後編も引き続きご覧ください。
施設情報
豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」
住所:愛知県豊橋市大岩町字大穴1-238
電話番号:0532-41-2185
営業時間:9:00~16:30
休園日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月1日