
石神井公園駅から徒歩5分、旬の野菜を使った料理と自然派ワインを提供する「自然派ワイン食堂クラクラ」。2014年にオープンし、石神井町で愛され続け12年を迎えるお店です。
前編ではランチタイムで人気の「クラクラ定食」の実食レポと、また訪れたくなるお店の魅力についてお伝えしました。
後編となる今回は、店主・森山さんへのインタビューを通じて見えてきた、料理へのこだわりとこのお店が愛される理由をお届けします。
コンセプトは「都会の人と生産者をつなぐ場所」

創業当初、森山さんの周囲には同世代の自然農家が多くいました。
良い食材を作っている自然農家の方々を間近で見る中で、「都会の人と生産者をつなぐ場を作りたい」という思いへとつながります。
しかし、理想を掲げるだけでは立ち行かない現実も。近年、地方からの食材は送料がかさみ、物価高騰も続く中で、提供価格とのバランスを保つことは容易ではありませんでした。
それでも、森山さんが一貫して守りたかったのは「敷居の低さ」でした。特別な日ではなく、日常生活の中でふと立ち寄れるお店でありたい。誰でも気軽に食事に来られる場所にしたい、と森山さんは言います。
そのため現在は、仕入れる食材を一部見直しながら、現実的な運営を続けています。
理想と現実の間で折り合いをつけながら、長く続けること。
その積み重ねこそが、生産者と消費者をつなぐ、森山さんの誠実な選択だと感じました。
食事だけじゃない、人が集まる「クラクラ」という場所

クラクラは、食事だけを提供する場所ではありません。
過去には、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんや前野健太さんによる音楽ライブやDJパーティー、又吉直樹さんらによるトークイベントなどを開催してきました。また、九州・大分の伝統的な陶器「小鹿田焼」の展示会も実施。現在は品数こそ多くありませんが、常設で販売しています。
こうした空間が生まれた背景には、森山さん自身のキャリアにあります。民放ラジオ局で12〜13年にわたって働き、編集や取材を担当する広報部署に在籍していました。その時代に築いた人脈と感性が、クラクラの空間づくりに色濃く反映されています。

貸切パーティやワークショップなどのスペースとしてご利用いただくことも可能。お客様の持ち込み企画を通じて新たな交流が生まれています。ヨガやアートなどの「大人の部活動」も、そのひとつ。
クラクラ主催で続けているのは、金継ぎのワークショップ。割れや欠けた器を金や漆で修復する、日本の伝統技法です。


にぎやかで、それでいてそっといられる場所

客層の7〜8割は常連客で、近所の人を中心に地域に深く根付いたお店。そう聞くと、初めての人には少し入りづらく感じるかもしれません。
しかし、森山さんが大切にしているのは、一人でふらっと来ても居心地よく過ごせる場所であること。老若男女、どんな人でも気兼ねなく訪れられるような雰囲気を、意図して大切にしています。
新しい出会いはもちろん、お母さんのお腹の中にいる頃から知っているお客さんの子どもが、成長して顔を見せてくれる、そんな長年の付き合いの中での変化や再会も、大きな喜びだといいます。


このように森山さんをはじめとしたクラクラの温かさが、この街に愛され続けている理由のように感じました。
一人でも、友人とでも、家族とでも。特別な日でなくていい、日常のふとした瞬間に、ぜひ食事に訪れてみてください。きっと、誰かに話したくなるお店です。
自然派ワイン食堂クラクラ
営業時間:11:00~15:00(L.O.14:00)
17:30~21:30(L.O.20:30)
※日曜日はランチのみ
定休日:月曜日・火曜日
Instagram:@shakujiicracra
アクセス
西武池袋線「石神井公園駅」から徒歩5分




