届いた器で、試食会へ。「mimiyと八咫(やた)」のテーブルに、地元の味が並びます
往復8時間かけ、棚を何十往復もしながら選び抜かれた器たちが、ついに「mimiyと八咫」のテーブルに届きました。
オーナーが重みも色合いも素材感も念入りに確かめ、料理をイメージしながら手に取っていた器たち。静かな高揚感と、器に料理を並べる情熱が溢れていました。器選びの旅に同行取材した私もワクワクがとまりませんでした。
器が揃ったこのタイミングでオープン前の試食会が開かれるとのことで、再び取材させていただきました。

テーブルに広がる、小さな景色
試食会の会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、テーブルの上に丁寧に並べられた器たちでした。
食器店で見たときとは、まるで印象が違います。あのとき棚に整然と並んでいた器は、料理が盛られることで生まれる強い存在感がありました。淡いピンクや黄色いお皿にはこれから何が盛り付けられるのかとても楽しみです。
「器は料理の品格を語る大切な存在」――仕入れ取材のときにオーナーが話してくれた言葉が、ここではっきりと形になっていました。

料理と器の、はじめての出会い
この日いただいたのは、オープンに向けて準備が進むメニューの数々。グルテンフリーにこだわったお料理は丁寧な見た目で、一皿ごとに物語があります。
副菜は、オーナーが「種類を充実させたい」と語っていた小皿に、それぞれ丁寧に盛り付けられていました。出汁やソースがしたたる副菜のための小皿は、料理の水分や色を引き立て、食卓に小さなアクセントをつくっています。ベースとなる大きなお皿とのバランスも絶妙で、「何十往復もして選んだ」というオーナーの苦労が、テーブルの上でこんなにも実を結んでいました。

そして、この日も登場したのが、新商品の焼き菓子たち。波打ち際のような縁が美しいミントグリーンの丸皿に乗せられ、鮮やかな赤がいっそう映えていました。前のお店「mimiy」の頃から使われてきたこのお皿は、リニューアルを経ても変わらずテーブルに並び続けていきます。器にも、お店の歴史が宿っているのだと感じました。
ドライいちじくを梅酒に漬け込んだフィナンシェを試食。和歌山の逸品らしい仕込みです。ラム酒やブランデーに漬け込むのではなく、梅酒に付け込まれたいちじくは自然な甘みと柔らかい舌触りが特徴。米粉の生地はほのかにモチっと滑らかで、とても優しいおいしさでした。

食べることで、はじめてわかること
試食をしながら気づいたことがあります。器は、料理を「受け取る」だけでなく、食べる人の気持ちも整えてくれるということです。
重すぎず、軽すぎない。手に持ったときの馴染み方、口元に運ぶときの感触、盛り付けられた料理と器の色の対話――そういった細かな要素が積み重なって、「美味しい」という体験はつくられているのかもしれません。
オーナーが8時間かけて直接足を運んだ理由が、口にしてみてはじめて腑に落ちました。写真や画面越しでは決して伝わらない、器の「佇まい」がある。それを確かめるために、あの長い旅があったのだと思います。
「和歌山県」と言えば…
お店には他にも、「和歌山県らしさ」を感じる食器も整えられていました。
梅の木から作られた優しい色味のお箸です。蜜蝋仕上げの天然素材は素朴で繊細。食事中、一番長く手にするものだからこそ、心地よいものであってほしいというオーナーの気持ちが伝わってくるような素敵なお箸でした。

地元の逸品
和歌山県の那智勝浦という土地は、豊かな自然と食文化に育まれた場所です。この土地ならではのお店が、「グルテンフリー」や「麹漬け」などの丁寧な調理法と、吟味された器によって、さらに魅力的になっていることが伝わってきました。
「地元のものを、いちばん美味しく見せたい」前回の取材でも感じたオーナーのこだわりは、試食会のテーブルの上でより鮮明に見えました。

いよいよ、その日が近づいています
試食会を終えて感じたのは、「このカフェが、この場所に生まれてよかった」という、シンプルな気持ちでした。
小麦を控えている方でも、そうでない方でも。器が好きな方も、ただゆっくりしたい方も。「mimiyと八咫」のテーブルには、誰かの「美味しい時間」を大切にしようとする想いが、器のひとつひとつに込められています。
オープンまで、もうすぐ。あの選び抜かれた器が、お客さまの手に渡る日が、今からとても楽しみです。
➤同行取材した器選びの旅についてはこちらをご覧ください。
店舗情報
mimiyと八咫
住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町八尺鏡野451-3
営業日:金土日月
駐車場:あり
mimiyと八咫 は、6月21日にグランドオープンしました。気になる方は公式HPまたはInstagramをチェックしてみてください。
※お店の公式情報は、SNSにて随時更新予定とのことです。





