和歌山県橋本市。大阪府、奈良県との府県境に接し、たくさんの人が行き交う町です。古くから高野山の宿場町として栄え、柿や織物など、多くの産業が育まれてきました。

そんな橋本市には、もうひとつ、特筆すべき唯一無二のプロジェクトがあります。
市内産の鶏卵を活かしたご当地グルメ「はしもとオムレツ」。
橋本市における鶏卵生産量が和歌山県内で最多を占めることから、2016年に始まった取り組み。橋本市産のたまごに、地元の産物を1品以上組み合わせたオムレツは、レパートリーも多種多様です。
王道のオムレツはもちろん、ハルマキ、麻婆オムレツ、オムレツクレープも。和洋中の分類を超えて、お店ごとの個性が光ります。

開始当時は28店舗あった認定店。コロナ禍の影響を大きく受け、一時は3分の1ほどにまで減少しました。
それでも、続々と仲間が増え、2026年5月現在15店舗が認定。再びぐっと勢いに乗っています。
取り組みを支えるのは、認定店から構成される「はしもとオムレツ推進協議会」と、橋本市役所 経済推進部 産業振興課。
2026年6月現在10周年を迎えたはしもとオムレツ。はじまりから現在まで、一番近い立場で歩んできた産業振興課の方々は、10年の節目をどのように感じているのでしょうか。
橋本市 経済推進部 産業振興課長 秋山康弘さん(以下:秋山さん)と、同課 課長補佐兼係長 海堀太郎さん(以下:海堀さん)にお話を伺いました。

はじまりは1枚の手紙。ある市民の声から生まれた、橋本ならではの町おこし
はしもとオムレツが産声を上げたきっかけは、とある1枚の手紙。市民の方から「橋本のたまごを活用した取り組みをしてみてはいかがでしょうか」という便りが市長宛に届きました。
その想いにまっすぐ向き合った市長は、職員を集め「何かできることはないか」と声をかけます。これが、今も続くはしもとオムレツの原点になりました。
数ある卵料理のなかから「オムレツ」に着地したのは、集められた食材を最大限に活用できるから。
はたごんぼ(ごぼう)、柿、マッシュルームなど、食の特産品が多くある橋本市。オムレツにまるっと包み込めば、地域の独自性、さらにはお店ごとのカラーも映し出せます。
たまごを名産としている自治体はほかにあっても、「オムレツの街」を掲げているところはない。だったら、橋本の新しいおもてなしとして、市のオリジナリティを充分に詰め込むことができます。
こうして、橋本市の新たなご当地グルメ、はしもとオムレツが誕生しました。

飲食店から。市役所から。認定の輪は産業振興課の働きかけも
はしもとオムレツの認定店は、取材時(2026年5月)現在で15店舗(※橋本市学校給食センター、ならびにキッチンカーを含む)。
自ら手を挙げて参加するお店もある傍ら、「僕らから声をかけることもあるんですよ」と秋山さん。
産業振興課では創業支援も担っており、役所へ手続きに来られた際に認定店への参加を打診します。秋山さんをはじめ、課員の方がお店に足を運ぶことも少なくありません。
実際、認定店の半数以上は、橋本市役所からのお誘いを受けて一歩を踏み出しました。
待ちの姿勢ではなく、主催側からもアプローチ。着実にはしもとオムレツの輪を広げ、10年目の盛り上がりを迎えています。

目指すは20店舗認定。はしもとオムレツで引き出す地域のポテンシャル
現在では、オムレツの提供に加え、イベント出展にも挑戦しています。
屋台でオムレツを提供しようとしても、メニューの特性上、なかなか難しいのが現状。だからこそ、行事でのPRにも力を注ぎます。
地域のイベントでは、はしもとオムレツ推進協議会によるブースを出展。ほかにも、レシピ考案コンテスト、クイズ、オムレツアートなども数々行われてきました。
2025年8月には、橋本市学校給食センターも認定店へ。市内外の認知度にまだ伸びしろはあるものの、「給食で出るから、子どもたちは、はしもとオムレツを知っているんじゃないかな」とおふたりは目を見合わせて微笑みます。

はしもとオムレツの直近の目標は、認定店に20店に増やすこと。
秋山さんは「橋本といえばオムレツ。『あそこのお店美味しかった!』って、みんなでオムレツトークをするのが理想やなぁ」と熱く語ります。
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この春から産業振興課に異動した海堀さんは「眠っている魅力を掘り出すのが、僕たちの仕事であり、はしもとオムレツもそのひとつです。市のポテンシャルに、光を灯していきたい」と続けます。
10周年を記念して、はしもとオムレツ推進協議会ではキャンペーンを実施中。店舗を巡って景品が当たるスタンプラリーに加え、オムレツの日にちなんだ6月2日から、たまごのつかみ取りが始まっています。また、夏には橋本市内の小学1年生を対象に塗り絵コンテストも開催されます。

巡れば巡るほど、橋本市の新たな魅力を感じるはしもとオムレツ。橋本に訪れたときは、ぜひ認定店に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※掲載されている商品、価格、情報は取材時点のものです。
Information
はしもとオムレツ詳細:こちら
認定店一覧:こちら
はしもとオムレツ10周年キャンペーン&スタンプラリー実施中
詳細は こちら
①たまごのつかみ取り(各認定店にて):2026年6月2日〜30日
②スタンプラリー(各認定店にて):2026年5月23日〜8月31日
③オムレツアート展:橋本市在住の小学1年生を対象に募集
※①②ともに、橋本市学校給食センターを除く



