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もの・こと  |    2026.06.28

【和歌山・上富田】みんなの場所はここから始まる!彦五郎公園「からっぽマルシェ」開催レポート

2026年5月6日(水)、和歌山県・上富田町にある彦五郎公園で、16店舗が集まった「からっぽマルシェ」が開催されました。会場となったのは、これからカフェがオープン予定の、まだからっぽの建物。オープンしてから人を呼ぶのではなく、何もない場所から一歩目を踏み出したのです。

からっぽの今だからこそ、見てほしい。」そんなイベントには、どんな人が集まり、どんな言葉が生まれたのでしょうか。この場所の「プロローグ」をお届けします。

からっぽの空間で生まれたマルシェ

彦五郎公園は上富田町にある、生活に身近な場所です。桜やヤマモモ、ツツジなどの樹木が植えられ、公衆トイレや遊具などもあります。「彦五郎」とは、大雨のたびに氾濫をくり返した富田川の堤防に、人柱になったと伝えられる人物です。園内には、その名を刻んだ石碑も建っています。マルシェが開かれたのは、通勤途中に立ち寄る人や散歩や運動に来る近隣住民など、日常の中に溶け込む公園に隣接する建物です。

ここには、簡易的な棚や照明、調理スペースのほかには、何もありませんでした。「からっぽ」に生まれたものがこのイベントの魅力です。マルシェの出店者は、和歌山県内から集まった16店舗。同時開催のフリーマーケットも加わり、公園には普段とは違う賑わいが生まれました。

みんなでつくる「ひとつ」の価値

主催したのは、麹ライフ研究会代表・水本まい(麹のまい)さん。看護師としての経験を持ち、健康と腸活をテーマに麹調味料の販売やワークショップ、マルシェへの出店など、地域での活動を続けてきました。2026年9月、ここに麹を使った料理を提供する拠点がオープンする予定です。「まだ何もない今の姿を、まず知ってほしい」というまいさんの思いが、このマルシェになりました。

最初、まいさんが企画していたのはフリーマーケットの自主開催でした。しかし、「それだけにとどまらない人のつながりを、もっと深めたい」と考えるようになりました。その気持ちから生まれたのが、今回のマルシェです。

みんなでひとつのものを、集まってつくる。やってよかったなと思ってもらえたらうれしい。」そう語るまいさんには、ひとつの確信があります。「同じものを売っていても、最終的に人は、人柄で商品やサービスを選ぶと思う。」と。だからこそ、つながりのある人たちと場をつくることに意味がありました。

からっぽの空間に集まった16店舗とボランティアに参加した方々は、まいさんの考えに共鳴して集まった人たちです。

出店者が語ったこと

当日の出店者たちにもお話をお聞きしました。

お弁当を販売した「310」さんは、なんと開始30分で商品が完売しました。店主は、11時過ぎに一度、仕込みに戻り、午後には追加分を補充して再登場。出店者たちのお昼ごはんにもなり、またもや一瞬で売れました。「もっと作ればよかった。」と笑顔で語られた言葉が、この日の手応えを物語っていました。

コーヒーとマラサダを販売した「松原商店」さん。近くの区画で焼きマシュマロを販売している娘さんがいました。「彦五郎公園にはよく来ていて、なじみの土地。ギターを弾きに来ます。」と話してくれました。家族と並んで日常の場所に店を出す景色も、このマルシェらしいひとコマです。

ドライフラワーを使い、母の日ワークショップを開いた「うさぎと花」さんは、まいさんの思いと重なるお話をしてくださいました。「主催者のまいさんが機会を与えてくれたから参加できたし、ここに来る人と出会えた。そのことが嬉しい。なんでもコストがかかる中、物を人に販売するのはすごいこと。ここに出店しているみなさんはみんな、すごいことをしている。」と語り、出店者仲間が自身の活動の励みになっている様子でした。

このような皆さんの姿勢もまた、まいさんの言う「人柄で選ばれる」という考えと通じていると感じます。

「からっぽ」はこれから育つ「みんなの場所」へ

運営ボランティアとして参加した人からも、印象的な言葉がありました。「出入りの激しい駐車場で、誰にでもすぐコミュニケーションを取りに行ける、まいさんの度量を見習いたい。」

またある方は、「知らない人にも話しかけたもの勝ち。おそるおそるだと来る人に不安を与えてしまう。先に扉を開けておくくらいが互いにラク」とも語ります。

来場されたお客さんも、何かを買いに来たというよりは、「ここにいる人に会いに来た」と表す方が近い印象。ゴールデンウイーク最終日ということもあり、小さな子どもも近くのシニアも、みんなが集まって大賑わいでした。

からっぽの空間で何かをつくることは、それがそのまま人と人をつなぐことです。

2026年9月、この建物に麹を使った食べ物などを提供する拠点がオープン予定。シェアキッチンでの食事提供、麹調味料の販売、ワークショップ開催など、まいさんのこれまでの活動が、この拠点で形になる瞬間は、まもなくです。

そしてオープン後には、「いっぱいマルシェ(仮)」として再びマルシェを開く構想もあります。からっぽだった場所が、人で埋まる日が、今から楽しみです。

情報

駐車場について

  • 公園入口に5~6台、店の横に6~7台、店を挟んで土手側に15台程度あり。
  • コーンを設置している場所は所有者が異なるため駐車できません。
  • 敷地内では車が行き交います。速度を落として走行してください。

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この記事を書いた人

坂本 千秋

和歌山県南部の女性ライター・ラジオパーソナリティ。「人」が好き・「街」が好き・「伝える」が好き。取材と日英&英日翻訳が得意分野。南北に長い和歌山で走り回ることをライフワークとする。

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