以前取材させていただいた、明治初年創業「酒のながた」7代目・永田博之さん。取材後もご縁が続き、今回、永田さんからお声がけいただいて2026年5月24日に開催された「大阪地酒天満大酒会」に参加させていただきました。
実はボランティア参加のお話までいただいていたのですが、今回は一般参加として、大阪各地の地酒や酒蔵の魅力に触れる1日に。取材を通して出会った人とのつながりが、また新しい地域の魅力へとつながっていく。そんな嬉しいご縁を感じながら、初めての日本酒イベントへ向かいました。

「何飲む?」作戦会議から始まる大酒会

初めて参加した「大阪地酒天満大酒会」。会場には大阪の酒蔵がずらりと並び、日本酒だけでなくクラフトビールやフードブースも並んでいました。前売り券には、会場で使用する特製グラス、ミネラルウォーター1本引換券、さらに日本酒販売ブースで使用できる500円券付き(1本につき1枚使用可)がついています。グラスを片手に、会場を回りながら飲み比べを楽しめるスタイルです。
今回は友人と弟の3人で参加。「大吟醸は外せへんやろ!」「クラフトビールも気になる」「この日本酒も飲みたいけど、このラインナップで選んでたらチケット1枚しか残らない!」
開始前から、どのお酒を飲むか作戦会議が始まっていました。

飲み比べで見つけた“お気に入りの一杯”

作戦会議の結果、私が最初に向かったのは、交野市の酒蔵「山野酒造」のブースでした。山野酒造は、大阪北東部・交野の自然に囲まれた酒蔵として知られています。会場には、堺市の「利休蔵」や阪南市にある「浪速酒造」など、大阪各地の酒蔵が12蔵集結。それぞれの地域ならではの個性ある日本酒を楽しめるのも、このイベントの魅力です。
中でも高槻市・壽酒造の「國乃長 大吟醸」はクセが少なく、思わず「これ美味しい!」と声が出るほど飲みやすい一杯でした。友人が選んだ能勢町の「秋鹿」は、口当たりはまろやかなのに後からしっかりとしたキレを感じる味わい。同じ日本酒でも酒蔵ごとに個性が異なり、飲み比べならではの楽しさを実感しました。

大阪といえば大阪市内を思い浮かべる方も多いですが、実際には各地域に個性豊かな酒蔵が点在しています。飲み比べを通して、お酒だけでなく、それぞれの土地の魅力にも触れることができました。
そして個人的に強く印象に残ったのが、河内長野市の酒蔵「天野酒」の梅酒です。グラス越しに見える赤みがかった琥珀色の美しさに思わず目を奪われ、一口飲んでみると、今まで飲んだ梅酒の中でも特に印象に残る味わいでした。
あまりの美味しさに「家でも飲みたい!」と思い、後日公式ホームページを見ているうちに、天野酒の歴史や酒造りにも興味を持つようになりました。

樽割りに酒粕アイス!イベントならではの楽しみ

12時からは樽割りも開催されました。割られた樽酒はその場で参加者へ振る舞われ、木樽の香りが移った独特の風味を楽しめます。私は少しクセを感じましたが、弟はかなり気に入ったようで、私の分までしっかり飲んでいました。
さらに、「片野桜」の酒粕を使用した交野ジェラートというアイスも販売。真ん中をくり抜き、そこへ熟成酒を注いでもらうスタイルで、甘いバニラアイスと日本酒のほろ苦さが絶妙な組み合わせ。日本酒イベントならではの楽しみ方に出会えました。

人との距離が近い“天満らしいイベント”
会場には府内各地の酒蔵が集まり、それぞれ個性豊かな日本酒を飲み比べ。販売スタッフの方と直接お話ししたり、参加者同士でおすすめを教え合ったりと、お酒を通じて自然と会話が生まれる温かな雰囲気が印象的でした。
イベント前、永田さんからは「それぞれ人気ですぐに売り切れることが多いので気になるものは早めに行くのがおすすめ」と教えていただいていました。当日配布されたリストには、日本酒ごとの引換券数やボトル販売の有無も掲載。「お手頃価格のものからどんどん売り切れていきますよ」という言葉どおり、会場が始まると人気銘柄には一気に列ができていました。実際、気になっていた日本酒のボトルを買い逃してしまい、「さっき買っとけばよかった!」と悔しがる場面も。友人は岸和田市にある井坂酒造場の「三輪福」のボトルを購入し、3人で少しずつ飲み比べを楽しみました。
また、イベント中には隣に座っていたご家族とも自然と交流が生まれました。屋台で購入されたがっちょや水茄子のおつまみを分けていただき、こちらもお返しにおつまみをお渡しすることに。
お話を聞くと、堺から来られていたそうで、私自身も以前堺に住んでいたことがあり、地元話で思わず盛り上がりました。さらに、ご家族のうちの一人であるご主人は施設や子どもたちに無料でバルーンアートを届ける活動もされているそう。日本酒イベントでありながら、こうした人との自然な交流が生まれるのも、「大阪地酒天満大酒会」の魅力なのかもしれません。
そして、イベント中には永田さんやイベントスタッフの木村さんとも再会。「樽の前で撮った方がええやろ!」と気さくに撮影場所まで案内してくださり、その人柄の温かさも天満らしさを感じる瞬間でした。

日本酒を味わうだけでなく、人との自然な交流が生まれるのも「大阪地酒天満大酒会」の魅力です。初対面の方と会話が弾み、おつまみを分け合う。そんな大阪らしい温かな空気に触れ、お酒が人と人をつなぐ存在なのだと改めて感じました。地域に根付く酒文化の魅力を、味だけでなく人との出会いを通して実感できた一日でした。
イベント概要
大阪地酒天満大酒会
開催場所:大阪アメニティパーク特設会場(大阪市北区天満橋)
内容:大阪府内の酒蔵12蔵が集まる地酒イベント
主催:大阪北酒販青年会・大阪府酒造組合
後援:大阪北小売酒販組合
協力:大阪アメニティパーク



