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フード  |    2023.11.24

自然に囲まれたハッピーとサプライズ|カフェレストラン Vegan Life SoiSoi

自然豊かな京丹波町の外れにある、山の谷間。
「この道の先に、本当にお店があるの?」と思わせる道を少し登ると、木々に囲まれた場所にお店がありました。

ここは、千田さんご夫妻が営む「カフェレストラン Vegan Life SoiSoi」。
心地よさのなかに驚きがある、素敵な時間が過ごせる場所。

実際に料理をいただいた後、お店のコンセプトやご夫婦の想いを伺いました。

イスラエル料理・シュニッツェル

私が訪れた10月は、イスラエル料理の月でした。

こちらの料理は「シュニッツェル」。
シュニツェルとは、お肉を平たくしてパン粉をつけて揚げたカツのこと。

でも、実はここはヴィーガンレストラン。
だから、肉ではなく、エノキ、テンペ、ビーツが使われているんです。
副菜も含め、さまざまな食材が楽しめて、ボリュームたっぷり。

さらにデザートのヴィーガンチーズケーキとスパイスたっぷりのチャイもいただきました。
身体も温まり、ホッとするお味に、心の底から大満足の時間でした。

世界の料理に込めた想い

千田さんご夫妻

イスラエル料理と聞いて、ピンとくる方は少ないかもしれません。

「Vegan Life SoiSoi」では、これまでにギリシャ料理やイタリア料理、イスラエル料理、ネパール・カシミール料理と、世界の珍しい料理を提供しています。

世界の珍しい料理を作る理由は、バックパッカーだったご夫婦の想いが込められているから。

バックパッカーの経験から伝えたいこと

千田夫妻は、元バックパッカーのバックグラウンドがあります。

特にご主人は約10年間バックパッカー生活をしており、そのなかでもイスラエルは、ご主人が長期滞在した思い出の場所。皿洗いなどをして働きながら滞在していたそうです。

このように世界各国へ行ったとはいえ、ヴィーガンであるため食べられないものも多く、イタリアでの食事はトマトソースのパスタばかりだったといいます。 

「バックパッカーというのは基本的にお金がないので、その国の食材を使って自炊するのが普通。レストランはいけないし、いろいろ食べたわけではないけれど、どんな料理があったかは知っている」と語るご主人。

そしてなにより、世界を旅してみて、風土、料理、宗教、歴史、文化…いろんな世界があることを知ったそうです。

「あえて口には出しませんが、美味しい料理を通して『こんな国があるんだ』と知ってほしい、興味をもつきっかけになればいい」そんな想いで料理を作っているのだといいます。

紛争地帯や日本ではあまりフォーカスされない地域をあえて選んでいるのは、このような理由があるのです。

メニューが決まるまで

イスラエル料理・マクルーバプレート

ワンプレートに数種類の料理が並ぶ「Vegan Life SoiSoi」のメニュー。3種類ほどのプレートの中から選べます。

「すんなり決まることもあれば、試作品を作ってもしっくりこず、直前になって決まることもある」「万人受けする料理と珍しさのサプライズ要素、両方のバランスをとるのが難しい」といいます。

メニューは基本2ヶ月に1度変わり、期間中でも旬の野菜の変化などに応じて、実は少しずつ内容を変えているそうです。変化は楽しさにもつながるとか。

また、メニューを決めるときは、季節の野菜に合わせた工夫もしており、例えば「寒い季節には寒い地域の料理を」といった具合に決めるそうです。
京丹波町は農家さんが多いので、お店の強い味方にもなっていますね。

11月・12月に食べられるカシミール料理

現在食べられる料理(2023年11月現在)は「ネパール・カシミール料理」。この地域はご夫婦それぞれが滞在経験のある思い出の場所でもあるとか。
カシミール料理はスパイスの使い方が独特なので、お客さんの口に合うように試行錯誤したといいます。

「これまでは、自分たちが行ったことのある地域の料理を提供してきた。これからは行ったことがない地域の料理も出していきたい」と語るご夫婦。
メニューが変わる度に来店するお客様もいてありがたいそうです。

「ハッピーとサプライズ」がテーマ

お店のコンセプトは「ハッピーとサプライズ」。そう聞くと、来店したときのワクワク感の理由がわかる気がしました。

ハッピーになれる空間

心地よい音楽が流れる、ゆったりした店内で、森や木々を見ながらの食事。
田舎の古民家とも違った、洗練された空間。

さらに、庭に出てくつろぐこともでき、季節によっては柿や柚子の収穫など、田舎ならではの体験も楽しめます。
あまりの心地よさに、お昼寝して帰られるお客様もいるそうですよ。

「ここは、ゆっくりしにくるお店。心の底からくつろいで、ハッピーな気持ちになって帰ってほしいという想いでやっている」と奥様はいいます。

サプライズは世界の料理×ヴィーガン

世界の珍しいお料理が食べられるサプライズに加えて、ここはヴィーガンレストランであり、アレルギーフリーに配慮したお店でもあります。

店名に記載はあるものの「あえてヴィーガンだということは全面には出してない。ヴィーガン料理が美味しいということを伝えたいからこそ、普通のレストランだと思って食べてほしい」といいます。
実際に食べたお客様からは「ヴィーガン料理のイメージが変わった」と言われることが多いそう。

世界各国の珍しい料理のサプライズとヴィーガン料理というサプライズ。心地よい刺激が受けられるお店なのですね。

お店を開いたきっかけ

お店を開いたきっかけは、ご主人のお店を持ちたいという夢でした。

「もともとヴィーガンだから食べられるものが少なかった。だから自分たちで作ってきた」というご夫妻は、料理の腕を毎日の料理で磨き上げてきたのです。

そして、下のお子さんが小学生になったタイミングで、開店準備に着手しました。

また、実はファイヤーダンスのパフォーマーでもあるご夫婦は、2020年〜のコロナ禍で出演が減り、家にいる時間が増えたそうです。
それをチャンスと捉え、料理の腕を磨いたり、Instagramでの発信を増やす期間にして、開店の準備を進めてきたといいます。

そして2023年4月12日、ついにオープンを果たしました。

「Vegan Life SoiSoi」今後の展望

最後に今後の展望をお伺いしました。

「人と人とが繋がる拠点、地域の人が集まる場所にしたい」
「京丹波町のよさや田舎のよさを伝え、地域活性にもつなげたい」

とはいえ、お店はオープンしてまだ半年。
「今は土台作り。楽しんでがんばりすぎず、長続きするお店にしていきたい」とご主人は語ります。

「京丹波町から世界へ」「人と人とがつながれる心地よい場所」このお店から広がる可能性に、ワクワクがとまりません。
ご夫婦の「ハッピーとサプライズ」にあふれた挑戦は今後も続きます。

「カフェレストランVegan Life SoiSoi」の情報

営業日:月・水曜日(不定休あり)
営業時間:11:00〜15:00(ラストオーダー14:30)
住所:京都府船井郡京丹波町新水戸黒地44
電話番号:090-1221-3693
Instagram:​​​​https://www.instagram.com/veganlifesoisoi_cafe/
※バスや電車でのアクセスが大変なため、月1回土曜日に送迎サービスあり。

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この記事を書いた人

くるみ

京都府在住、歴史が得意な5児子育て中ライター。Webライティング・ブログ・Kindle執筆を中心に活動しています。得意ジャンルは、歴史とWeb3。歴史の勉強、読書、神社仏閣や遺跡、博物館巡りが好き。秋田県に生まれ育ち、大学進学を機に関西へ。京都といえども雅な古都ではない、一味違う京都府の魅力&ふるさと東北の魅力をお伝えします。

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