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フード  |    2024.02.18

堺市のクリームチーズ・コンフィチュール専門店 En dehors【前編】|バレエの物語を手土産に

堺市南区の雑踏とした大通りから少しそれたところに、フランスの片田舎を想像させるような、ちょこんと可愛らしいお店が顔を見せました。

クリームチーズとコンフィチュール専門店「En dehors(アンディオール)」

他府県のマルシェやイベントにも多数出店されていて、お店には贈答品などを選びに遠方から来られる方も多いです。

前回取材した堺市の番茶屋「チャボさん」の抹茶のクリームチーズの美味しさに感動して、共同制作された En dehors をたずねました。

前回取材した「チャボさん」の記事はコチラ▼

フロマージュはクリームチーズをベースに色々な果実や素材を混ぜ合わせ炊き上げたスプレッドのこと。コンフィチュールとは果実と砂糖を煮詰めたもので、フランス語で「ジャム」のことです。

En dehorsはフランス語で「外へ」という意味。また、アンディオールはバレエの基本的な動きをあらわしており、初心を忘れず外へ発信し続けたいという想いが込められています。

代表の西辻 潤さん(以下、西辻さん)に、お店の始まりやこれからについてお話をうかがいました。

娘が踊ったクララが始まりだった

ーーお店の名前にもある通り、バレエをモチーフにされているんですね。

西辻さん「2015年にお店をオープンした頃、娘がバレエでクララを踊ったんです」

『くるみ割り人形』は毎年クリスマスシーズンになると、世界中で上演されているバレエの中でも代表的な作品のひとつ。

一番最初に作られた思い入れのあるクリームチーズのプレーンは、お子様がクララを踊られたことで『プレーン/クララ』と名付けられたそうです。

他の商品には、それぞれの役柄の衣装や独自の物語のイメージが表現されています。

『苺と木苺/パキータ』

『ココナッツ/瀕死の白鳥』

『ハニーシナモン・アップル/白雪姫』

瓶に貼られたラベルには、役柄を象徴するポーズをしたダンサーのシルエットが施されています。

家族も楽しめることを大切に

西辻さん「バレエって、楽屋見舞いの習慣があって焼き菓子など菓子類を渡すことが多いんです。ただ、足が早くて早く食べなくちゃいけないものや、カロリーが高いものも多くて。

保存食のフルーツ単体のジャムを作っていたことで知識もあったので、新しいお店で作るものをバレエの楽屋見舞いに使ってくれたら嬉しいなぁという思いで作りました

ーー西辻さんは元々バレエに詳しかったのでしょうか?

「娘が踊るまで知らない世界でしたけど、もともと妻も私も美術や芸術が好きだったので、バレエを見た時もあまり抵抗なく世界に入れましたね。

子どもの発表会や行事ごとは欠かさず参加していましたし、自然と詳しくなっていきました。

せっかく独立するなら家族も楽しめるようにしたいという気持ちで、バレエをモチーフにして始めたんです」

老舗果実店でのジャム作りからクリームチーズ専門店で独立

オーナー西辻さんとスタッフの永井さん

ーー西辻さんのご実家は、創業140年近く続く老舗果実店とのことですが、そこでジャムを作られていたんですよね。

西辻さん「中学生くらいからずっと店頭に立って手伝いをしていましたが、僕は次男なので、兄が後を継ぎました。それからは全然関係のない車の営業や整備の仕事をしていたんですが、兄から『果物を仕入れて売る商売は今後厳しくなっていくだろう。オリジナルで果実を加工する仕事を始めたいから戻ってきてくれ』って頼まれたんです」

果物の知識が豊富にあったことを見込んで、お兄様が西辻さんを加工場へ呼び戻しました。

しかし、西辻さんのお父様は「兄弟で同じ屋号にいることで、万が一の時に共倒れにならないか」を心配されていました。西辻さん自身も、遅くても40歳までには独立しようと考えていたそうです。

ーーそこからなぜ、クリームチーズを?

西辻さん「ジャムを作りながら色んな素材の製品を試作していた時に、特に依頼があったわけではないのですが、クリームチーズを使用した商品がすごく美味しくできたんです。そのとき、自分が独立する時チーズをやろうって思ったんです。

しかし、チーズをほかの材料と混ぜ合わせて常温保管が出来るように製造するには、工夫やタイミング、あと細心の注意が必要で仕上がるまで試行錯誤の毎日でした」

保存料・増粘剤・着色料・香料・酸化防止剤などを使用せず、長い期間常温保存できるクリームチーズスプレッドは、今も熟練した社員と西辻さんの二人で製造されています。

西辻さんの探究心と挑戦する力、そしてご家族への想いが形になった『プレーン/クララ』はお店の代表的商品になりました。クリームチーズの他、老舗果実店で培った技術が詰まったコンフィチュールも並んでいます。

色とりどりのバレエの物語を、大切な人への手土産に送ってみませんか?

スプーン付きのギフトセットはオーナー夫人のアイデア。

もちろんバレエに関係なくても、商品自体が本当にどれも美味しく長期保存できるので、贈り物にはピッタリです!

実際、バレエとは無縁の姉にプレゼントした『ラムレーズン/ライモンダ』も、渡したその日に半分ペロリと食べてしまうほど美味しかったと喜ばれました。

お店では、気になる味もクラッカーに乗せて試食させていただけるので味に納得して購入できます。

後編では、En dehorsのさらなる挑戦と新店舗のご案内をお届けします!

引き続きお楽しみいただけると幸いです。

お店横にあるオーナー夫人が手がけているガーデンに癒されます。

お店情報

En dehors(アンディオール)

営業時間:10:00〜18:00
住所:大阪府堺市南区豊田450-2
TEL/FAX:072-320-7035
駐車場:3台 お店斜め向かいに専用駐車場有り
定休日:火曜日(イベント出店時など土日祝日がお休みになる場合があります)

最新の情報はInstagramからご確認ください。

HP:https://en-dehors.net/

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この記事を書いた人

島田 おかゆ

生まれも育ちも大阪堺市。唯一無二のストーリーが見える執筆をします! 大阪ならどこでもお伺いします! 取材してほしい!と思った方はお気軽にお問い合わせください。

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