横浜市青葉区の市が尾駅でヤキマメヤという珈琲豆専門店を営む渡部さん。
開業されて2年、近隣に住んでいる方はもちろん有名飲食店にも豆を卸す隠れた名店です。
季節によって豆の種類を入れ変えながらも常時16種類から18種類の豆を扱い、買いに行くたびに入荷した豆の特徴やおすすめの淹れ方を丁寧に話してくださる珈琲愛に溢れたお店です。
前編では、珈琲に出会い開業に踏み切るまでのストーリーやそれ以前の経歴を伺いましたが、後編では珈琲豆の焙煎へのこだわりやこれからについて伺いました。
開業準備は修行前から?!

ーー前編では西東京エリアのお店で修行されたと伺いましたが、修行後はすぐ開業されたのでしょうか?
1年ほど焙煎の仕方から修行させていただき、その後独立しました。
実は、修行する前からすでに開業場所を探していて、まだ修行も始まっていないのに大丈夫?と修行先の窓口担当者の方にも言われていました(笑)
ーー修行前から物件探しをされていたなんて、さすが不動産屋さんですね!
気が焦っていたわけではないのですが、修行と並行してできますかね?と担当者の方に相談しながら探していました。
今まで60人以上の弟子を輩出してきた中で、修行しながら店舗の相談をされたのは初めてだと言われましたが、そう言いながらも一緒に物件を見てくださいました。
はじめは東急田園都市線の青葉台駅近辺でいいところがあったので、担当者の方と一緒に物件を見ながら決めていきました。
最終的に青葉台の店舗は設備の関係で話は流れてしまいましたが、紆余曲折しながら現在の市が尾駅に落ち着き修行を終えてから開業したという流れです。
焙煎への深いこだわり

ーーそうだったんですね。焙煎機に触れてみたいというところから実店舗で学んだと伺いましたが、ヤキマメヤさんが焙煎でこだわっていることはなんでしょうか?
深煎りにする際に、嫌な苦味が残らないように焙煎時の煙を調節して豆に吸わさないよう工夫しています。
深みはあるけど後味はスッキリ飲める珈琲を目指していますね。
私自身は深煎りが好きですが、お客様のなかには深煎り独特の苦みを好まない方もいるので、扱う豆の幅を増やして飲みやすい珈琲が欲しいという需要にも応えられるラインナップにしています。
ーー確かにヤキマメヤさんの深煎りは後味に嫌な苦味が残らないですよね。豆に光沢感がありツヤっとしている印象もありますが、これも焙煎の仕方によるものなんでしょうか?
そうなんです。
中心からじっくり火入れを行うと豆自体もふっくらしますし、その状態で数日保管していると光沢感が出てきます。
光沢感の正体は脂で、珈琲豆は穀物なので糖分を含んでいて、焙煎後ガスが抜けていくと旨味がキャラメル状になってにじみ出てくるんです。
よく焙煎仕立ては新鮮でおいしいイメージから「焙煎日はいつですか?」と聞いてくださるお客様もいらっしゃるんですが、ヤキマメヤの豆は少しおいてからがオススメですよとお伝えしています。
マニアの方には「豆が黒光りしてる!」と驚いていただけて、あえて焙煎してから少しおいた豆を購入される方もいらっしゃいます。
ーー焙煎仕立て=新鮮だと思っていました。珈琲の世界は奥深くて面白いですね。
楽しみ方は人それぞれなので、オススメはありながらも思い思いに淹れてもらえればと考えています。
ただ劣化していくわけではなく、同じ豆でも日がたつと味が変化していきますので様子を楽しんでもらいたいですし、醍醐味だと思っています。
開業して3年、今後の展望

ーー最後に、今年で3年目を迎えられましたが、今年やってみたいことや今後の展望などはありますか?
珈琲豆屋だけでなく、いつどの仕事をしていても「自分が楽しむ」ということは忘れないようにしたいと思っています。
また新しい挑戦としては、今年は催事にも積極的に出店していこうと考えています。
珈琲の良さやヤキマメヤのことを知ってもらいたいという気持ちはもちろんですが、人間って日々同じことの繰り返しだと飽きてしまう側面もあると思うんです。
なので、店を出て催事にも参加することでまた新しいお客様に出会えたり、珈琲のお話ができる場が増えていくといいなと。
日によっては出せないこともあるかもしれませんが、最近ドリップ珈琲のテイクアウトがあったらいいのにというお声をいただいたので、豆の販売だけでなくテイクアウトも提供していきたいです。
おわりに
コロナ禍で飲食店の撤退が相次ぐ中、不動産業を辞め飲食業界へ新規参入。
周りの反対がありながらも、夢を実現され今の生活が楽しいと話される渡部さんの姿が印象的でした。
淹れ方やおすすめの温度など丁寧に教えてくださるので、珈琲初心者さんにもぜひ訪れていただきたいお店です。
今後は催事にも出店する機会があるそうなので、気になる方はInstagramをチェックしてみてください!
自家焙煎珈琲豆店ヤキマメヤ
住所:神奈川県横浜市青葉区市ケ尾町1157-1東急ドエル市ヶ尾アネックスショッピングビル1階
アクセス:市が尾駅徒歩1分
営業時間:11時~18時
電話番号:045-482-3773
定休日:月曜日・第3火曜日
※月曜日が祝日の場合は営業、火曜日が休みとなります。第3火曜日が祝日の場合は営業、第3水曜日が休みとなります。
公式Instagram:www.instagram.com
ホームページ:横浜市 | 自家焙煎珈琲豆店ヤキマメヤ | 自家焙煎珈琲豆店