福島県いわき市の山間部に、日本ではここでしか体験できない特別なミュージアムがあります。それが「いわき市アンモナイトセンター」です。
8900万年前の化石発掘現場をそのまま建物で覆っている、日本で初めて化石の産出地に作られた博物館で、誰でも本物の化石発掘を体験できます。
「化石って博物館で見るもの」という常識を覆すこの場所では、自分の手で太古の化石を掘り出すという、まさに考古学者になったような体験が待っています。
今回は「いわき市アンモナイトセンター」の魅力や化石発掘体験談をご紹介します!
アンモナイトセンター設立のきっかけ

約100年前から、地元の化石好きの人たちから「大久町では化石が掘れるのでは?」と注目されていた土地で、いわき市が土地を購入し、上層から計画的に発掘を進めました。
発掘を進めていった結果、化石が密集して発見されたため、発掘を停止。
貴重な化石を保護するために、化石の周りに建物を建設したことでアンモナイトセンターが設立されました。
アンモナイトセンターが位置するのは、中生代白亜紀(約1億4,500万年前~6,600万年前)後半にあたる地層です。
地層の名前を「双葉層群足沢層(ふたばそうぐんあしざわそう)」と言います。当時の浅い海(水深200メートル程度まで)で形成されたもので、陸地から流れ込んだ砂や泥が海底に堆積してできました。
体験発掘レポート – 8900万年前への旅

アンモナイトセンターの最大の魅力は、なんといっても本格的な化石発掘体験です。
毎週土日限定で開催される化石発掘体験は、通常事前予約ができないため、当日施設で申し込む必要があります。(ゴールデンウィーク中は事前予約ができ、予約は必須です)
ここからは、実際に化石発掘体験をしたレポートをお伝えします!
化石発掘体験の流れ
化石発掘体験の流れは、以下の順番で進んでいきます。
- 受付
- レクリエーション(事前説明)
- 発掘体験
- 体験後補足説明
事前準備
発掘体験を行うために、以下の服装や持ち物を忘れずに準備しましょう。
- 運動可能な服装
- スニーカー、長靴(サンダルやハイヒールは発掘体験場立ち入り禁止)
- 軍手(無料貸出可能)
- 化石を持って帰るための袋、新聞紙
- タオル
- 飲み物(発掘体験場持ち込み可能)
- 保護メガネ(持っていれば)
受付
化石発掘体験は、毎週土日に2回ずつ開催され、各回の所要時間は約1時間30分です。
〇受付時間(当日受付のみ)※ゴールデンウィークのみ事前予約必須
1回目:9:00~受付/体験時間10:00~11:30
2回目:12:30~受付/体験時間13:30~15:00
定員:200名
※連休以外は、毎回約30名ほど参加しています。
入口の正面にある券売機で入館券(体験発掘付)を購入した後、入口の横にある体験発掘参加申込書を記入して受付窓口に提出します。

体験発掘参加申込書は事前に記入して持ち込むことも可能。記入例を参考に記入していくと時間が短縮できます。体験発掘参加申込書はこちらから

下の画像にある、割引対象になるカードを持っていたら団体割引が適用されるので、必ず持っていきましょう!
〇カード1枚で5名まで
- マルトCoGCa
- ハッピーワーク
- ファミたん
- イオン
- JAF
〇本人のみ
- 福島県民カード
〇券1枚で1グループ
- ハイウェイドライブチャンス
〇1グループ
- タイムズレンタカー(レンタカー利用を証明できるもの)

レクリエーション(事前説明)

所要時間は約30分で、アンモナイトセンターや化石について、発掘体験時の流れや注意事項についての説明を受けます。
この後の発掘体験で、貴重な化石を発掘するコツを説明してくれるので、しっかり聞いておきましょう!
発掘体験

ここからは、待ちに待った発掘体験の時間。
ハンマー・タガネ・保護メガネ・ヘルメットを受け取り装着したら、発掘体験場の説明が最初に始まります。

発掘できるかもしれない化石はこちら。

説明が終わったら各々発掘したいポイントに歩いていき、いざ発掘開始!
説明を受けたとおりに、地層が白くなっているポイントを目印にタガネとハンマーで発掘します。
この日は、太陽が出ていてとても暑く、大量の汗を流しながらひたすら発掘を続けました…

30分ほど発掘を続けていると、珍しいサメの歯の化石を発掘できました!

1時間弱の発掘作業は、暑い中ハンマーを振り続けとても大変な作業でしたが、「珍しい化石を発掘したい!」という思いでひたすら発掘していたので、あっという間に時間が過ぎていきました。
発掘した化石の中で、二枚貝、サメの歯、アンモナイトの化石など、持ち帰りの許可を得た化石は記念品として持ち帰ることができます。
貴重で楽しい体験でした!
体験後補足説明
発掘体験が終わった後は、化石の保存処理方法と標本作成の説明があります。
〇化石の保存処理方法
化石は風化が早いため、木工用ボンド6:水4で割った液体を満遍なく塗り、保存処理します。
化石を発掘した日の前後に雨が降って湿気を含んでいる可能性がある場合は、外に置いて水分を飛ばすことも重要です。
〇標本作成
当日もらえる「化石体験発掘ガイド」に記載の「標本ラベル」を参考にラベルを作成し、保存処理した化石に貼り付けます。
保存処理と標本作成をしないと、化石としての歴史的価値がなくなってしまうので、価値として残したい人は必ず行いましょう。
以上で、体験発掘は終了です!
アンモナイトセンター館内の様子
館内には、無数の発掘された化石が展示されています。
順路に従って進んでいくと、まず目の前に大きな地層が飛び込んできてびっくりしました。

そこからさらに進んでいくと、地層の表面に発掘された化石が見学できます。


地層の真正面に立って見てみると、迫力がすごくて「おぉ~」と声を出してしまいました。

8900万年前のタイムトリップがあなたを待っています
想像してみてください。自分の手で8900万年前の化石を掘り出す瞬間を―。
福島県いわき市の「アンモナイトセンター」は、日本で唯一、本物の化石発掘現場で実際に発掘体験ができる特別なミュージアムです。
毎週土日限定・予約不要で参加でき、世界に数十個程度しかない超希少なアンモナイトや恐竜化石に出会えるかもしれません。
次の土日、本物の化石と出会うため、太古のロマンを掘り起こしに出かけませんか?
いわき市アンモナイトセンター
HP:http://www.ammonite-center.jp/
住所:福島県いわき市大久町大久字鶴房147-2
電話番号:0246-82-4561
開館時間:9:00~17:00(入館時間は16:30まで)
休館日:毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、元旦
アクセス:常磐道いわき四倉ICから車で約15分
JR常磐線久ノ浜駅から車で約15分