
2024年12月、約6年間にわたる「道後温泉本館」の保存修理工事が完了しました。道後温泉本館は約3,000年の歴史をもつ日本三古湯である「道後温泉」のシンボルです。
今回、リニューアルされた道後温泉本館を訪れたので、道後温泉の見どころなどを紹介します。愛媛や松山旅行の参考にしてくださいね。
なお、道後温泉に浸かって癒されたあとは、商店街で買い物や愛媛ならではのグルメを堪能しましょう。近くの御利益のある神社仏閣を巡るのもおすすめです。
こちらは「道後温泉をもっと楽しむ!周辺にある御利益いっぱいの神社仏閣や商店街などを紹介」および「タルトや坊ちゃん団子だけじゃない!道後温泉や愛媛松山観光で外せない銘菓を厳選して紹介」をご覧ください。
日本三古湯(にほんさんことう)とは

日本三古湯とは、日本で古くからの歴史がある3つの温泉のこと。
日本三古湯は以下の2つの選び方で決められているそうですが、いずれにも道後温泉と有馬温泉が選ばれています。
日本書紀などに登場することに基づいて選ばれた三古湯
古書などの文献による日本三古湯には、「道後温泉(愛媛県)」「有馬温泉(兵庫県)」「白浜温泉(和歌山県)」の3つが挙げられます。
延喜式神名帳に基づいて選ばれた三古湯
延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)は、平安時代中期にまとめられた格式にしたがい「官社」に指定した神社の一覧です。この記録に残された記述から、「道後温泉」「有馬温泉」「いわき湯本温泉(福島県)」の3つを日本三古湯とすることもあります。
道後温泉の歴史

道後温泉には約3,000年の歴史があるそう。足に傷を負った白鷺が岩間に噴出する温泉に足を浸していたところ、傷が完全に癒えて元気に飛び去ったという伝説があります。これを見た人々が入浴したところ、疲労回復や病にも効果があり、利用されるようになったとのこと。

また、重病にかかった少彦名命(すくなひこなのみこと)を大国主命(おおくにぬしのみこと)とが掌にのせて道後温泉の湯であたためたところ、たちまち元気になったという記録も残っているそうです。この時、喜んだ少彦名命は石の上で踊ったそうですが、その石は「玉の石」と呼ばれ、道後温泉本館の北側に奉られています。
道後温泉にある公共温泉施設は3つ

道後温泉にある公共の温泉施設は、道後温泉本館と飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)、椿の湯の3つがあります。観光施設として人気があるのは道後温泉本館と飛鳥乃湯泉ですが、地元住民の銭湯として愛されているのは道後温泉本館と椿の湯です。
なお、道後温泉本館は、平成6年12月に公衆浴場で初めて、国の重要文化財に指定されました。

道後温泉本館と飛鳥乃湯泉には休憩所がある(別料金が必要)ため、入浴後に休憩するという利用もいくつかのパターンで可能です。なお、札所(チケット売り場)で入浴券を購入する時点で、どのパターンで利用するかを決める必要があります。利用料金や利用時間などはこちらから確認してくださいね。
なお、3つの施設を利用できるお得な2割引の「道後温泉3館周湯チケット」も1,400円で販売されています。

飛鳥乃湯泉は道後温泉別館として新たな温泉施設として建てられました。飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋がコンセプト。

また、「愛媛の伝統工芸」と「最先端アート」のコラボレーションで道後温泉にまつわる伝説や物語を演出するという斬新な手法で彩られています。
飛鳥乃湯泉は道後温泉本館と同じく、全国でも珍しい加温も加水もしていない源泉かけ流しの「美人の湯」として人気です。

椿をシンボルとした松山市民の「親しみの湯」として愛される公衆浴場です。椿の湯も無加温、無加水の源泉かけ流しの贅沢な銭湯なので、筆者も学生時代には何度も通いました。
道後温泉で癒されよう!

道後温泉は無色透明の単純アルカリ泉です。単純アルカリ泉はお肌によく、傷にも効くという泉質のため、美人お湯と言われています。道後温泉は20℃から55℃の18本の源泉から汲み上げられた源泉をブレンドすることで42℃程度の適温にするため、無加温・無加水です。
全国でも本当に珍しい仕組みを持つ道後温泉でぜひ、心も身体も癒されてくださいね。本館でも飛鳥乃湯泉でも椿の湯でもどこも同じ温泉なので、安心して好きなところへお入りください。
道後温泉本館はかなり混雑します。土曜日と日曜日は、一日中混雑し、特に午後3時から6時は最も混雑するので避けた方がよいかもしれません。おすすめは朝一番(6時頃)です。筆者は5時40分に列に並びましたが、すでに15人待ちでした。ただ、6時に開場したらすぐに入ることができ、ゆっくり温泉を堪能できました。
なお、飛鳥乃湯泉と椿の湯はここまでの混雑はあまりないため、本館が混雑しているときは、こちらをおすすめします。
現在の待ち時間については、公式サイトの「待ち時間/利用状況」をご確認すると便利です。

今回、8年ぶりの道後温泉本館訪問で、受付のお姉さまに写真撮影を依頼したところ快諾いただきました。道後温泉本館では、このような笑顔のおもてなしにも癒されます。筆者が学生時代から通っている道後温泉本館が、次の100年も続いて欲しいと切に願います。
なお、別記事「道後温泉をもっと楽しむ!周辺にある御利益いっぱいの神社仏閣や商店街などを紹介」では、道後温泉周辺の見どころを紹介するので、ぜひご覧ください。
また、お土産におすすめの松山銘菓については「タルトや坊ちゃん団子だけじゃない!道後温泉や愛媛松山観光で外せない銘菓を厳選して紹介」をチェックしてくださいね。
【道後温泉本館の情報】
住所:愛媛県松山市道後湯之町5番6号
電話:089-921-5141
営業時間:6:00~23:00(温泉利用だけと休憩所利用で異なる)
定休日:なし(12月第一週に1日だけあり)
公式ホームページ:道後温泉
駐車場:近隣に市営駐車所が合計200台ほどあり。臨時駐車場は無料ですが、開場は毎日ではないため、公式サイトのアクセス情報をご確認ください。
道後温泉へのアクセス
主要な空港や駅からのアクセスを以下に記載します。
松山空港から
- 松山空港リムジンバス「道後温泉駅前行き」で約43分
- タクシーで約30分
JR松山駅から
- 伊予鉄道市内電車「JR松山駅前」から「道後温泉駅」下車(約25分)
- タクシーで約25分
松山観光港から
- 松山観光港リムジンバス「道後温泉駅前行き」で約43分
- タクシーで約25分