熊本県人吉市にある幸福温泉。
2024年9月をもって休業に入られた温泉で、地元の方のみならず観光客の方にも惜しまれながらの休業となりました。
「このまま閉業になるのではないか」と地元民の不安もあったなか、なんと2025年10月に約1年の歳月を経て幸福温泉の再開が発表されたのです!
今回は、幸福温泉とはどんな温泉なのか、再開にいたった背景などをオーナーの吹春さんにお伺いしてきました。
幸福温泉とはどんな温泉?
幸福温泉は内湯の大浴場、露天風呂、家族風呂、サウナ、水風呂などを備えた温泉施設です。人吉市内でも郊外のほうにあるため、周りを田園や山々に囲まれています。

泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物・炭酸水素塩泉で、いわゆる美人の湯。観光客のみならず、地元のファンの方も多く、取材時も平日にもかかわらず多くの入浴客が見えていました。

郊外にある立地なので、おすすめはなんといっても露天風呂。人吉市の中心市街地の温泉とは違い、目の前に山々や自然が広がります。

オーナーの吹春さんもこちらの露天風呂がお気に入りだそう。ちなみに、幸福温泉には大浴場だけでなく家族湯もあり、そちらにも一部の部屋を除き、内湯だけでなく露天風呂が備え付けてあります。


個人でも家族でも幸福温泉に来たら、まずはこの雄大な自然を露天風呂でお楽しみいただくのがおすすめです。
幸福温泉を復活させたきっかけ
そんな魅力ある幸福温泉ですが、冒頭でもご紹介したとおり、一度は休業に入り、このままでは廃業になってしまう危機に瀕していました。
それを復活させたのが現オーナーの吹春さんです。
吹春さんはもともと人吉市のご出身で、就職で東京に行かれて現在は神奈川在住とのこと。以前は人吉に帰省するタイミングで幸福温泉をよく利用されていたそうです。
そんな遠方から吹春さんが人吉市にかかわるきっかけになったのが、2024年の幸福温泉の休業を知ったとき。2025年の年明けに幸福温泉を訪ね、当時のオーナーとお話をされたそう。そして、こちらの露天風呂が好きだったこともあり、「閉業してしまうのはもったいないので継承できるなら」と温泉を継承し、オーナーとなったそうです。

初めての温泉事業ということもあり、右も左もわからず、資金調達などいろいろなご苦労をされたそうですが、不動産屋などいろいろな方のお話を聞きながらこうして再スタートできたとのことです。
今までの幸福温泉と変わったこと、変わらないこと
再スタートにあたり、以前から通っていた方が気になるであろうことが、「これまでの幸福温泉と何が変わったのか?」。
幸福温泉ではこれまでと変わったこと、そして変わらないことがそれぞれあります。
まず変わったこととしては、営業料金や営業時間、そして内装の壁の張替えや休憩室を新しくされたことが挙げられます。


この休憩室は、今後食堂としての再開も計画されているそうで、軽食やアルコールなどを提供予定とのこと。
ゆくゆくは宴会なども検討されているとのことで、温泉施設としてだけでなく様々なシーンで利用される場所に変化していきそうです。
一方で、以前と変わっていないこともあります。たとえば、現在働かれているパートさんたちは、以前の幸福温泉から働かれている方たちだそうで、再開にあたり、以前の常連さんと思しき方たちと親しそうにご挨拶をされていたのが印象的でした。
なにより、以前と変わっていないのが温泉の名前。
「オーナーが変わったタイミングで温泉の名前を変えようとは思いませんでしたか?」と尋ねたところ、吹春さんは「名前を変えようとは一切思わなかった。いい名前なので、ぜひ継承したい」と思い、名前には手を加えなかったそうです。
施設やサービスは新しく、でも幸福温泉として大事なところは以前とは変わっていないことがうかがえます。
今後の幸福温泉について
そして最後に、吹春さんに今後の幸福温泉について「どんな風にご利用いただきたいか」をお話しいただきました。
まず地元住民の方に宛てて「近所の方にはもう一度利用してほしい。近所の方が便利に使っていただければなと」とのこと。
一方で「観光客の方にも利用してほしい」という想いもあるとのことで、郊外立地ということもあるので、ゆくゆくは人吉のほかの温泉や飲食店などに送迎などもできたらと仰っていました。
新たなオーナーを迎え再スタートした幸福温泉。まだまだこれからいろいろなサービスが展開されていきそうで、今後の変化が楽しみな温泉です!
幸福温泉
〒868-0062 熊本県人吉市古仏頂町1408-1
年中無休
11:00~21:00
料金:大人400円、小学生以下200円、家族湯1,200円~
※毎月26日ふろの日は大人200円、小学生以下100円




