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スポット  |    2026.07.11

「体感!しだみ古墳群ミュージアム」で五感を使って、古代の世界を体験しよう

愛知県名古屋市守山区にある「体感!しだみ古墳群ミュージアム」、通称SHIDAMU(しだみゅー)は、古墳時代の文化や人々の暮らしを「見て、触れて、体感する」ことができる体験型施設です。古墳時代の出土品や展示、体験プログラムを通して、古代を身近に感じることができます。子どもから大人まで楽しめる学びの場として、注目を集めています。

今回は施設を訪れ、副館長にお話を伺いました。

「古墳を守りたい!」想いから生まれたミュージアム

名古屋市内では、約200基の古墳が確認されていますが、その約3分の1にあたる66基が守山区の上志段味(かみしだみ)地区に集まっています。

「都市開発によって、この古墳地域が開発される可能性があり、名古屋市文化財調査委員の提言により、国の史跡指定に向けて動き出しました。その結果、いくつかの古墳が国の史跡に指定されました。国からの補助金を活用し、古墳を保護するため、ミュージアムを建設し、古墳群を公園化する形で整備が進められました」(副館長談、要約)

こうして2019年4月1日に「体感!しだみ古墳群ミュージアム」は開館。取材時に副館長から伺ったお話では、2026年4月現在、来館者は76万人を超えているとのことです。

「リアル古墳図鑑」とも呼ばれる施設の強み

志段味地方は、様々な形の古墳が集まっている全国でも珍しい場所です。しだみ古墳群には、前方後円墳、帆立貝式古墳、円墳、方墳など色々な形があります。

「古墳時代の前期から後期の古墳があり、色々な形の古墳が見られます。我々は、古墳時代の縮図とか、リアル古墳図鑑と言っています。まるで図鑑を見ているように、一箇所で学ぶことができるというのが特徴です」(副館長)

施設には、社会科の授業で古墳時代について勉強した小学生が、校外学習で訪れるそうです。教科書だけでなく、実際に自分の目で見ると、より深く学ぶことができますね。

また、しだみ古墳群にはもう1つ大きな特徴があります。

「大阪にある天皇陵のような立ち入りが制限される古墳とは異なり、登れる古墳や、触れられる展示など、古墳を身近に感じられるのがここの強み」(副館長)

私は、大阪の堺市にある大仙陵古墳を訪れたことがあります。とても大きいので、レンタサイクルを借りて自転車で一周しました。大きな古墳を見て、昔の人の偉大さを感じるのも良かったのですが、古墳を間近で味わえるのも、とても素敵だと感じました。

それでは、施設の魅力について、詳しくご紹介します。

魅力①見て、触れて学べる展示

館内の展示室には、しだみ古墳群から見つかった貴重な出土品が数多く展示されています。

中でも印象的なのが、西大久手古墳から出土した巫女形埴輪。施設のマスコットキャラクターしだみこちゃんのモデルにもなっています。

「巫女形埴輪は、古墳時代の中期くらいに作りはじめられたと言われていますが、すぐにこの地方にも伝来しています。当時の流行りのものがすぐに伝わってきたことから、中央とパイプがつながっており、この地方を東へ向かう拠点のように重要視したのかと推測されます」(副館長)

「東京の原宿とかで流行った店が、名古屋には来ないとかありますが、この時代は割と連絡を密にして流行がすぐ来ている。こういうところが押しポイントです」

現在には名古屋飛ばしなんて言葉がありますが、古墳時代は名古屋地方が重要とされていたというので驚きです。

また、土器の1種である須恵器もたくさん見つかっています。壺や高坏、器や埴輪など、種類も豊富です。

「最初に大阪に入ってきた窯の文化も、割と早くこちらに伝わります。この辺りは土が良質なので、(作品の)完成度が高く、全国に広がっていきます。現代の瀬戸や常滑のような焼き物文化のルーツにもなっています」(副館長)

展示は触れて学べるものもあります。下の写真は、野焼きと窯焼成で作った埴輪の一部を触って比べることができます。これ以外にも、触れる展示が何カ所かあり、体感しながら学ぶことができます。

古代の人の服を着て、記念写真が撮れる体験コーナーもありますよ。

展示の中で特徴的だったのが、各所にある子ども研究員の「私のイチ押し」という掲示です。年1~2回子ども研究員の講座を公募しているそうで、子ども達が学芸員の解説を聞き、学んだことを発表します。その一環として、おすすめの古墳を紹介するカードを書いています。子どもならではの視点で魅力が語られており、読んでいて心が和む、素敵な取り組みでした。

展示室を出て、2階に上がり、扉から外へ出ると、そのまま古墳群へと繋がっています。徒歩5分ほどで志段味大塚古墳に到着。実際にこの場所から多くの出土品が見つかっています。発掘調査して、詳しく調べた上で、崩れて丘のようになった古墳を上からカバーするような形で、復元しています。

古墳には階段があり、登ることができます。

埴輪などのレプリカが置いてあり、間近で見ることができます。また、古墳の上には、木棺の復元模型もあり、当時の埋葬の様子を感じられます。天気が良ければ、東谷山がきれいに見えますよ。

魅力②体験プログラムが豊富

館内では、日替わりで体験プログラムを行っています。埴輪や勾玉、管玉、古代オリジナルバッグ、古墳消しゴム、拓本しおりなど、古代の物づくりを体験することができます。

埴輪の作品

3歳と5歳の子どもと一緒に体験プログラムに参加しました。私は、勾玉作りを体験。初めての挑戦です。

粗めの紙やすりで石を削り、形を整えていきます。形がある程度整ったら、次は細かい目の紙やすりで表面を整えます。石を削って形を整える作業は、想像以上に奥深く、大人も夢中になりました。自分の好みの形になったら、ビーズと紐をつけて完成。

勾玉

3歳と5歳の子どもは、管玉づくりを体験しました。

こちらも、勾玉同様、石をやすりで削り、管玉の形に整えていきます。

角がとれ、形が整ってきたら、やすりに水をつけ、細かい目の紙やすりで表面をつるつるにしていきます。

5歳児は、石を均等の太さにするのが難しく、苦戦していましたが、施設の方が丁寧に指導してくださいました。「自分がこれでいいと思ったところが完成。いろんな形があっていいからね」という言葉が印象的でした。ビーズを通し、完成。3歳児も大人の補助でなんとかできました。

管玉

古代の火起こし体験など、ものづくり以外のプログラムもあり、年齢に合わせて楽しめます。

魅力③小さな子どもから大人まで楽しめる

エントランス向かって左手には、小さな公園があり、スプリング遊具で遊べます。写真左側にある古墳を形どったオブジェは、穴から顔を出し記念撮影もできますよ。

また、館内2階には、「こどもこふん」というキッズスペースがあります。

こどもこふんには、古墳をモチーフにした丘やラグ、積み木やマグネット、絵本などがあります。靴を脱いで上がるので、小さな子どもでも安心して遊べます。

また、外の広場ではレジャーシートを広げて、ピクニックを楽しんでいる家族の姿も見られました。

古墳をより深く知りたい方向けに、ガイドツアーも開催。大塚・大久手古墳群コースと、白鳥塚・東谷山白鳥古墳コースがあり、ガイドの解説を聞きながら古墳巡りができます。

小さな子どもから大人まで、満足できる施設です。

「地域の遊び場、憩いの場」として愛される施設へ

今後の展望について、副館長は、古墳を身近に感じられる点を大切にしながら、来館者がより体感的に学べるよう工夫を重ねていきたいとの考えです。

また、「地域の子どもの遊び場としての役割も重視」しています。夏季には、クーリングシェルターとして施設を開放し、放課後暑くて外で遊べない小学生が自由に過ごせる「遊び場」を提供。子ども達は、それぞれ思い思いにリラックスして過ごしてるそうです。

さらに、今後は「高齢の方を対象にしたイベントを行っていきたい」とのこと。

「例えば夏休みにラジオ体操をやったり、健康体操でちょっと踊ってもらったり。歴史を感じてもらうのはもちろんだけど、地域の人とうまく連携して『憩いの場所』として使ってもらえたらいいなと思っています」と話します。

古代を学ぶ場としてだけでなく、地域の遊び場やくつろぎの場として、多くの人に親しまれる施設を目指しています。

取材を終えて

取材前に、3歳5歳の子どもと施設を訪れました。正直まだ早いかなとも思ったのですが、とても楽しい時間を過ごすことができました。特に「こどもこふん」というキッズスペースに大喜び。5歳になると、体験プログラムも十分楽しむことができました。

館内の壁画は、絵本『100かいだてのいえ』シリーズで知られる絵本作家の「いわいとしおさん」によるもの。かわいいタッチのイラストに、思わず見入ってしまいます。訪れた際は、ぜひ見てみてください。

また、春と秋にはお祭りも開催されます。古代体験プログラムに加え、スタンプラリーや種まき体験(春)など、参加型のイベントがたくさんあります。さらに、地域交流ステージとして、地元のダンスチームや大学生による演奏なども行われ、会場を盛り上げます。詳細は、公式ホームページで確認できます。

古代の世界を体感できる「体感!しだみ古墳群ミュージアム」に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?

施設紹介

体感!しだみ古墳群ミュージアム

住所:名古屋市守山区大字上志段味字前山1367

電話番号:052-739-0520 

営業時間:9:00~17:00(展示室への最終入場16:30)

休館日:月曜日(祝日の場合翌平日) 年末年始(12/29~1/3)

入館料:無料(展示室のみ大人は有料。中学生以下は無料)

※2026年4月現在

駐車場:無料(特定のイベント時のみ300円)

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この記事を書いた人

ゆうさ

兵庫県出身、愛知県在住のフリーライター。2児の母です。地元や旅先の、楽しいお出かけスポットや素敵なお店、地域で活躍する魅力的な方をご紹介。実際に足を運んだり、お会いしたりしてこそ分かる雰囲気を、文字と写真に詰め込んでお伝えします。趣味は、食べ歩きと山登り、読書です。日本百名山を制覇するのが夢です。

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