前編では、「かんころ」と「かんころ餅」についてご紹介しました。
出津農楽舎の近くには、ド・ロ神父が造られた救助院・外海歴史民俗資料館があり、ぜひ足を運んでほしい施設です。
救助院や外海歴史民族資料館では、外海の歴史を知ることができるのですが、どちらの施設にも「かんころ切り」の器械や「芋かんな」が展示されていて、歴史の中にもかんころ餅を感じることができました。
後編では、カフェ「出津農楽舎」についてご紹介します。
カフェ出津農楽舎
年配の方にとっての「かんころ餅」は、昔の食糧難だった時代に、かんころを混ぜてカサマシして食べた苦い思い出だと考える人も居るそう。
カフェを開業し、若い人たちにもかんころ餅を広め、後世に残していきたいと考えました。
長崎に根付いているかんころ餅
長崎の人にとっては、かんころ餅はトースターなどで焼いて食べるものという認識。
今では、暖房器具は安全のために電気を利用したものが増えてきましたが、ストーブの上で焼くかんころ餅は、長崎生まれの私にとっては「冬の風景」の1つでした。
1㎝くらいに切ったかんころ餅は、焼くだけでとっても美味しい。
出津農楽舎では、色々なかんころ餅の食べ方をアピールしたいとメニューを考案されました。
しかし、アレンジメニューにビックリするのは、「焼いて食べるかんころ餅」が当たり前の長崎の人だけ。
県外や外国から来られるお客さまは、かんころ餅って、色んな食べ方ができるとスッと受け入れられるそうです。
かんころ餅を楽しむカフェメニュー
長崎人にとっては、びっくり&新鮮なかんころ餅アレンジメニュー。
誰が食べても美味しい カフェのメニューは
- かんころ餅の炭火焼き(3枚付き)
- かんころ餅のチーズ焼き
- かんころ餅の素揚げ(かんころん)
ランチメニューのかんころ餅メニュー3種がすべて詰まった「かんころ餅づくし御膳」は、店内で販売されている紫もち麦や味噌が使われているこだわりの御膳です。
今回頂いたチーズ焼きには、2種類のかんころ餅が使用されていました。トロトロになったかんころ餅と、ビヨーンと伸びるチーズがとても合っていました。
かんころ餅の素揚げのかんころんは、塩の味とかんころ餅の甘さがマッチしていて、止まらない食感でした。
夫婦2人で営む「出津農楽舎」
取材の日、事前に連絡していた時間よりも早く到着してしまいました。
すでにお店にいらっしゃたので、お声をかけさせて頂きました。
「今からゆっくり朝ごはんを食べようと思ってたんだよ~」「一緒に食べよう」と、私の分の朝ごはんまで準備していただきました。
初めてお会いするお2人でしたが、アットホームな雰囲気で受け入れて頂き、心がほっこりするご夫婦。
カフェのお話を聞いている時も「若いカップルが『もういいかな?もう少し焼く?』と話しながらかんころ餅を焼いている様子を見ると『かわいいなぁ~』って思うの」と、ニコニコと笑顔で教えて頂いて、こちらまで心が温まりました。
夫婦2人でかんころ作り・かんころ餅作り・料理・接客と忙しくされていますが、カフェのお食事の合間に、ぜひご夫婦のかんころ餅に対する熱い・温かい思いを聞いて、かんころ餅に思いを馳せてほしいと思います。
出津農楽舎
住所:長崎県長崎市西出津2442
電話番号:0959-25-0880
カフェ営業日:土曜日・日曜日、不定期
営業時間:11時~17時
カフェやかんころ餅の販売についてはInstagramを確認してください。
駐車場:農楽舎の近くに10台ほど停められる駐車場あり。
座席:屋内3テーブル10席
屋外席では、ペットと一緒に過ごすこともできます。