
寒かった冬やあたたかな春が終わったと思ったら、あっという間に夏の陽気ですね。
お花見や歓送迎会、ゴールデンウィークなどでビールを飲んだ人も多いかもしれません。これからの時期は、バーベキューやお祭りなど、よりいっそうビールの出番が増えるでしょう。
私もビールは大好きです。特にクラフトビールには、その土地の歴史や醸造家さんたちの想いがたくさんつまっていますよね。
今回はさいたま市大宮区の「氷川ブリュワリー」の麦ふみイベントに参加したときの様子をお伝えします。

氷川ブリュワリーとは
氷川ブリュワリーは、大宮駅東口の大型商業施設撤退後のまちの衰退を危惧した仲間が集まって、まち起こしをするために生まれました。
元技術者であるオーナーが、醸造体験を通して自分なりのクラフトビールのレシピを持っていたのをきっかけに、クラフトビールでのまち起こしにふみ切りました。
氷川の杜は、以下のように、氷川神社をイメージしたおいしいビールをたくさん醸造しています。
- 神社の幽玄な雰囲気をイメージしたアンバーエール
- 神社と周囲の活気ある街をイメージしたゴールデンエール
氷川神社とは、埼玉県さいたま市で関東一円の信仰を集める地域の守り神です。
初の試み「麦ふみイベント」

今回は、伝統的な農作業「麦ふみ」を体験しました。氷川ブリュワリーのスタッフさんたちが見沼の休耕地を使って心を込めてまいた麦の発芽にあわせて実施されたイベントです。
当日は氷川ブリュワリーに集合して、スタッフさんの車で畑に移動します。
道中、社長さんに麦ふみについてお話をうかがいました。
麦ふみとは?
麦ふみとは、秋にまいた麦の芽が伸びる前に足やローラーで麦をふみつける作業で、主に以下のような効果が期待されます。
- 麦の根張りをよくする
- 霜柱を防ぎ、倒伏を防止する。
また、麦ふみは日本独自の栽培手法とみられており、俳句では春の季語とされています。
広い麦畑を足で踏んでまわるのは大変なので、トラクターでローラーを引いて行うケースが多くありますが、農業体験として実施する農家さんも増えているようです。
実際に参加してみた!
作業に入る前に麦の試食をさせてもらいました。麦を試食する機会はなかなかありません。
ビールの原料として使われる麦は、炒られた麦芽です。
生麦はでんぷんが主体であり、麦本来の味である苦味や渋味が感じられます。甘みはあまりありません。
一方、麦芽は甘みや香ばしさが感じられました。また、生麦よりもビタミンやミネラルが増加し、栄養価が高まります。特にビタミンB群が豊富に含まれます。ビールとの相性も生麦よりも良さそうです。どんどん食べられるお味でした。

試食のあとは、実際に麦ふみを行います。
作業はいたって簡単で、ただ麦をふみながら畑を歩くだけです。
ビール好きな大人のみなさんはもちろん、お子さまも一緒に作業ができます。この日は数名のお子さまが参加していました。
色あざやかな緑の芽をふむのは少しためらいましたが、おいしいビールを作る過程に関われていると思うと、ワクワクしますね。
参加者のみなさんで協力して30分ほど畑を歩いたあとは、なんとビールと麦茶を試飲させていただきました。

体を動かしたあとに青空の下で飲むビールは格別ですね。参加者さんやスタッフさんたちと交流もでき、とても楽しいイベントでした。
氷川ブリュワリーの今後のイベント
氷川ブリュワリーでは今回の麦ふみだけでなく、今後も様々なイベントを予定しています。
まずは、6月8日開催予定の麦刈り体験です。
今回ふんだ麦をみんなで刈り取ります。そして、夏にはこの麦でクラフトビールが誕生するそうです。
参加者にはなんとおみやげもありますよ。
- 8月に提供される予定の「麦刈りビール」テイスティング券
- ドライフラワー風の麦束
氷川ブリュワリーのイベントは、ビールを飲める人はもちろん、飲めない人も楽しめます。
あなたもぜひ、ビールのはじまりを体験してみませんか?普段は何気なく飲んでいるビールが、思い出深く地元大宮とのつながりを実感できる1杯になりますよ。