2025年、夢洲で開催中の大阪・関西万博。西ゲートから徒歩約4分の「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、ガンダムシリーズを知らなくても楽しめる“未来体験型パビリオン”です。
来場者は、西暦2150年の設定で、夢洲ターミナルから宇宙ステーションへ出発。最新の宇宙開発技術や未来の暮らしに触れながら、まるで物語の主人公になったかのような体験が楽しめます。

宇宙で“食べて暮らす”未来へ

最初に案内された部屋では、宇宙での持続可能な生活について、さまざまな視点で紹介されます。とくに印象的だったのが「宇宙でお米や魚を育てる」という未来の“食”に関する取り組み。
ガンダムの物語に登場する“宇宙コロニー群”のひとつ「サイド7(※1)」で、そこに設置された農業プラントを例に、宇宙での稲作や養殖、さらにプラズマ技術を使って空気中の窒素から肥料を生み出すシステムなどが語られました。
「いつか宇宙産のお寿司が食べられるかもしれない」――そんな言葉に、今から体験するツアーの中で「どんな未来が見られるのだろう」と、心が弾みました!
※1. 宇宙空間に設けられた人工の居住エリアのひとつ。地球と月のあいだに浮かぶ“宇宙コロニー群”として、ガンダムの物語にたびたび登場する。
地球と宇宙を結ぶ、架空じゃない“軌道エレベーター”

パビリオンでのツアーは、夢洲から軌道エレベーターに乗り込み、静止軌道上に浮かぶ巨大ステーション「スタージャブロー」を訪れるところから始まります。
エレベーター内では光や振動、演出音が加わり、本当に宇宙に向かって出発するかのような没入感! 頭上や側面の窓から見える景色がものすごいスピードで変わっていき、どんどん宇宙空間へとあがっていきます。
ツアーでは、人や荷物を宇宙へ運ぶ“ペイロード輸送”の仕組みや、静止軌道3万6,000km地点との連結についても紹介されました。想像の世界を超えて、「これがいつか現実になるかもしれない」という期待に胸が膨らみます。
宇宙の“ごみ”が、未来の資源に?

もうひとつ重要なテーマが、宇宙で増え続けているスペースデブリ(宇宙ごみ)の存在。
ツアーでは、デブリを回収・分解して金属資源として再利用する技術について解説があり、「形を変えると、ゴミは宝の山にもなる」という言葉に感動しましたが…
突然、何か不穏な空気…。質量が大きくて回転しているスペースデブリがあり、事故を未然に防ぐ自動修復システムの説明中に、ふと違和感が――何かがおかしい…!?
急に、ブザーが鳴り出し…。え…、何が起こっているの?
会場全体の空気が一変し、平和だった空間に緊張が走ります。そして、アナウンスに従って、次の部屋に移動しました。
伝説のモビルスーツ登場!

「非常事態発生のため、緊急退避用ポッドへ避難してください」
一人ひとり、不安げな表情を浮かべながらも、私たちは落ち着いてスタッフの誘導に従い、緊急退避用ポッドのほうへ進みました。
そして、伝説のモビルスーツ登場!物語は大きな山場を迎えます。
ここから先で何が起きたのか、そしてその先に何が残されたのか――その答えは、ぜひ現地で体験してみてください。
約17mのガンダム像が、関西に初登場!

体験の締めくくりは、屋外に展示された実物大ガンダム像「RX-78F00/E ガンダム」。
高さは約17m、片膝を立て、空に向かって手を差し伸べるポーズは、宇宙、そして未来へと手を差し伸べる新たな姿で、来場者を力強く見守っています。

このガンダムは、2020年に横浜で話題となった“動くガンダム”の資材を再利用して制作されたもの。今回は稼働こそしませんが、その圧倒的な存在感と未来へのメッセージに、誰もが立ち止まって見上げてしまいます。
会場の外では、公式ガイドブック『GUNDAM FUTURE PAVILION』が販売されていて、見本もあります。展示や世界観について、より深く知りたい人にはおすすめの一冊です。
「未来はすべての人に開かれている」

ツアーの最後に語られたひとことが、今も心に残っています。
「未来はすべての人々に開かれている。そして、人は地球というゆりかごで、その可能性を育んでいく」
“ガンダム”という存在を通じて、未来の技術や宇宙での暮らしを想像する。それは、戦いの物語ではなく、“共に生きる”未来を描く旅なのかもしれません。
大阪・関西万博という舞台で、あなたも“新たな宇宙世紀”をのぞいてみませんか?
◆大阪・関西万博 GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION(公式サイト)
※この記事は、株式会社バンダイナムコホールディングスの許可を得て取材・撮影を行っています。
