世界最大の群島国家・インドネシア。大阪・関西万博の「インドネシアパビリオン(インドネシア館)」は、船体を持ち上げたような外観デザインが印象的で、力強く未来へ進むビジョンを象徴しています。
テーマは「調和の中で繁栄する:自然、文化、未来」。自然や文化を大切にしながら未来へ向かうインドネシアの姿を、会場でぜひ体感しましょう!

ウェルカミングエリア

エントランスに入ると、まず目を引くのは「Indonesia」の文字と壁いっぱいに並ぶ木彫りの仮面です。バリ島のアーティストによるもので、地域ごとに異なる表情が刻まれています。

ここでスタッフさんが、皆さんと旅をともにする小さなマスコット「TUMTUM」を紹介。自然を描くトゥマラ、文化を表すトゥンバヤ、未来を象徴するトゥマサの3種類が来館者を迎えます。
ネイチャーエリア

次に進むのは、熱帯雨林を再現したゾーン。ここにある植物はすべてインドネシアの熱帯雨林から持ってきたもので、館内には本物の植物が植え込まれ、熱帯の空気を肌で感じられます。道の途中ではジャワヒョウやスマトラゾウ、コモドドラゴンなど、アーティストが手掛けた動物が展示され、立体的なアート空間に入り込むような、不思議な感覚を味わえます。

森を抜けると、床と壁一面に映像が広がる没入型の体験エリアへ。鮮やかな花柄模様、マングローブの森、大迫力の滝などが次々に映し出されます。インドネシアの豊かな自然に包まれるような臨場感で、心ゆさぶる自然に没入し、一瞬でインドネシアへ旅した気分に。
カルチャーエリア

自然の次に待っているのは、文化エリア。インドネシアには1万7千以上の島があり、約1300の民族が存在します。緩やかなスロープの壁面には、それぞれの民族や宗教、職業を紹介するパネルが並び、多様な文化を感じ取れます。

進んだ先には、大きな窓のある明るいフロアが登場。窓の向こうには大屋根リングが見渡せ、開放的な空間から、最初に歩いた森林ゾーンを見下ろすこともできます。

さらに2階では、伝統的な工芸品や武器を展示。スマトラの「カランビット」やスラウェシの「タッピ」など独特の形を持つ武器は、地域の歴史や信仰とも深く結びついています。
フューチャーエリア

円形の巨大ジオラマと360度スクリーンが広がるフューチャーエリアでは、インドネシアの新首都「ヌサンタラ」の姿を体感できます。立体模型に映像を投影することで、街並みや自然、時間の移ろいがリアルに表現され、持続可能な都市として発展していく未来像が描かれています。

周囲の壁面には、インドネシア語や日本語で「違っていても一つに」ということわざが映し出されていますので、あなたもぜひ、自分の心に響く言葉を探してみてください。
シアターエリア

未来都市を体感したあとは、シアターエリアへ。待合スペースには地域ごとの織物が展示され、大きなスクリーンにはインドネシアの広大な景色が映し出されます。美しい映像に癒やされながら、上映開始を待ちましょう。
ミニシアターでは、ユネスコ無形文化財にも登録されている『ワヤン・クリット』の短編映画が上映されます。語り部がインドネシアの伝承や物語を静かに語り聞かせるドキュメンタリー映画で、神秘的で神聖な雰囲気に浸り、心が静まっていきます。
リラクシングエリア

シアターを出るとそこはリラクシングエリア。自然素材を活かしたあたたかみのある空間です。ショップにはインドネシアの食品や雑貨、大人気の「TUMTUM」のグッズが並び、カフェでは、名物料理「ソト・アヤム(鶏スープ)」が味わえますよ。
未来への思いが込められた船

建物の前では、軽快なダンスとともに「ヨヤク ナシデ スグハイレル~♪」と明るく呼びかける様子が見られます。この姿がテレビやSNS動画で話題となり、フレンドリーな雰囲気が来場者に人気です。
自然の恵み、文化の多様性、そして未来への挑戦――。インドネシア館はそのすべてを船に乗せ、訪れる人に旅する気分を届けてくれます。インドネシアが描く「調和の未来」を体感してみてはいかがでしょうか。
◆大阪・関西万博 インドネシア パビリオン 公式サイト
※こちらの記事は、インドネシアパビリオンの許可を得て取材・撮影を行っています。