日本本土最南端に位置する鹿児島。
温暖な気候と豊かな自然に恵まれたこの土地で育った和牛が、「日本一」だということを知っていますか?
正直なところ、「鹿児島県産和牛」と聞いても、ピンと来ないという方も多いのではないでしょうか。
私自身も、鹿児島といえば黒豚やさつまいも、芋焼酎のイメージはあっても、「和牛」という印象はあまりありませんでした。
そんな中で参加したのが、2026年2月9日に東京・日本橋のXEX日本橋で開催された「和牛日本一鹿児島 至高の饗宴」です。
鹿児島県の「東京食肉市場まつり2025」PR事業の一環として行われたこの1Dayイベントは、和牛日本一である鹿児島県産和牛を実際に味わいながら、その魅力や背景を知ってもらうことを目的に開催されました。
実際に料理を味わいお話を聞く中で、なぜ鹿児島和牛が日本一と呼ばれているのか、その理由が少しずつ見えてきました。
鹿児島県産和牛を使ったコース料理を味わって

会場では、鹿児島県産和牛を使ったコース料理が提供されました。
真鯛のカルパッチョから始まり、鹿児島県産和牛のひとつ「のざき牛」のラグー、そして部位ごとの盛り合わせをいただきました。
まず印象に残ったのはその香り。和牛特有の重さやクセはなく、やさしく香ばしい香りがふわっと立ち上がります。

ラグーは口に入れた瞬間にほどけるようなやわらかさで、脂の甘みがゆっくりと広がる味わい。濃厚なのに重くならず、最後まで心地よく食べ進められました。

盛り合わせでいただいたヒレ肉は、身がしっかりとしているのに驚くほどやわらかく、噛むほどに旨みがじんわりと感じられます。
同じく盛り合わせでのもうひとつの部位・サーロインは、脂はしっかりと濃厚なのに、不思議と後味はあっさりとしていて重たさが残りません。口の中で脂の旨みが広がったあと、赤身のジューシーなやわらかな甘みが続き、噛むほどに肉そのもののおいしさが伝わってきました。
「おいしい」だけじゃない。鹿児島和牛が日本一と呼ばれる理由

脂は濃厚なのに重くなく、赤身の旨みもしっかりと感じられる。確かに「おいしい」けれど、なぜ日本一なのか。イベントの中では、その理由についても伺うことができました。
実は鹿児島県は、和牛の飼養頭数がおよそ35万頭と全国一を誇る、日本最大級の和牛産地なのだそう。
さらに、5年に一度開催される全国和牛能力共進会では、令和4年大会で全9部門のうち6部門で1位を獲得。平成29年大会に続き、二大会連続で「日本一」の栄冠を手にしています。
温暖な気候と豊かな自然に恵まれた土地で、生産者が一頭一頭に手をかけながら育てた鹿児島和牛。肉質のきめ細かいサシと、脂の融点が低くまろやかな甘みがあることも大きな特徴です。実際に食べたときに感じた脂の軽さ(=重くない印象)は、こうした特徴によるものなのだと感じました。
ちなみに、今回の「のざき牛」も含まれる「鹿児島黒牛(鹿児島県産黒毛和牛を総称するブランド)」の歴史は古く、明治時代には全国に先駆けて畜産試験場が設置され、おいしい牛肉づくりの研究が始まっています。羽島牛や加世田牛、種子島牛など、地域ごとに飼育されていた牛を改良し続けて生まれたのが現在の「鹿児島黒牛」です。
長い時間をかけて続けられてきた改良と、恵まれた自然環境。その中で育てられてきた鹿児島黒牛が、世界にも誇れるブランド牛へと成長したのだと感じました。
食べて知った鹿児島の魅力

これまで食材について名前は知っていても、その背景まで考える機会はあまりありませんでした。けれど、実際に味わいながら話を聞くことで、食材の向こう側にある土地や、生産者の存在を自然と意識することができました。
ただ「おいしい」で終わるのではなく、その食材がどこで、どんな環境で育てられてきたのかを知ること。その体験こそが、地域を知るきっかけになるのだと感じました。
東京で知った鹿児島産和牛の魅力。もし鹿児島を訪れる機会があれば、ぜひその土地の空気の中で味わってみたいと思います。




