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もの・こと  |    2026.03.16

【茨城県桜川市】100軒の扉が開き100通りの物語を紡ぐ。春の足音を感じる「真壁のひなまつり」に行ってみた

女の子の健やかな成長と幸せを願う伝統行事「ひなまつり」。おひなさまは家庭内で静かに愛でるもの。けれど、そんな家族の大切な宝物を「まちに来てくれる方たちにもぜひ」と、扉をそっと開いてくれる場所があります。

そこは、江戸から昭和にかけて文化と産業の中心地として栄えた茨城県桜川市真壁(まかべ)。国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されているエリアでは、昔の重厚な門や蔵が残る町並みが大切に守られています。「真壁のひなまつり」は、毎年冬のしんとした空気が残る2月4日の立春から春の気配が漂う3月3日まで開催されます。

まちが華やぐ「真壁のひなまつり」の舞台裏を、実行委員長の柳田隆さんと副委員長の鈴木謙一さんにお話を伺いました。そして、実際に街を歩いて見つけた、見どころと合わせてご紹介します。

始まりは「おもてなしをしたい」という気持ちから

2026年で22回目を迎える「真壁のひなまつり」。その始まりは、地域の方の「寒い時期にわざわざ訪れてくれた人へ、喜んでもらいたい」という純粋な気持ちから、「まちなかにおひなさまを飾ろう」という発想が飛び出しました。

当初、予算はゼロ。それでも「おもてなしをしたい」という一心で、有志メンバーが一軒一軒、家々を訪ね歩き、丁寧に想いを伝えました。その熱意に共感した約40軒の家々が、第1回目から扉を開いてくれたのです。その「おもてなしの心」は、20年以上の歳月を経た今も、受け継がれています。

おひなさまとの物語

ひな人形の展示スポットが100軒以上もある真壁の街。歩き始めるときは、まず「真壁のひなまつりマップ」を手に入れましょう。ダウンロードはこちら。展示場所には、エリアを示す英字と番号のマークがわかりやすい入り口付近に出ています。

目的地を決めすぎずに、まずは歩いてみるのもおすすめです。入る時には勇気をだして「こんにちは」と一声かけてみると、地域の方から真壁やおひなさまの話が聞けるかも。今回は、私がまちあるきの中で出会った4つのおひなさまと伺ったお話を紹介します。

染色工芸サロン蔵布都(くらふと)

大正時代の石蔵の暖簾をくぐると、大正7年の立派な七段飾りが出迎えてくれます。このおひまさまは、地域の方から大切に受け継がれたものです。人形の「すり減った歯」まで再現された精巧な職人技も必見。傍らに飾られた愛らしい「吊るし雛」も、空間を彩っています。地図番号:B56

ひと咲き工房風和里

こちらでは、約300年前(江戸時代)の貴重な「享保雛」などを見学できます。元々は近所の方が「体が弱って飾れなくなったけれど、蔵に眠らせておくのは忍びない。代わりに飾ってほしい」と託されたものだそう。持ち主の想いを引き継ぎ、今も大切に飾られています。地図番号:A53(土日祝のみ展示)

ムラカミ書店

街の本屋さんらしい遊び心に出会えるのが「ムラカミ書店」のおひなさま。一見普通のおひなさまですが、よく見ると小さな手に雑誌や本を携えています。おひなさまたちがそれぞれ本を読んでいるような姿に、思わず頬が緩みます。地図番号:A6

西岡本店

江戸時代に創業した酒蔵へ足を踏み入れると、そこはまるで別世界。幻想的なひょうたんランプの灯りに照らされ、10揃え以上のおひなさまが静かに佇んでいます。こちらは通年で見学が可能。旅の終わりに、自分へのお土産として日本酒を選ぶのも楽しみのひとつです。
地図番号:D33

なぜ真壁にはこれほどおひなさまが残っているのか

かつて木綿や石材業で栄えた真壁の商家にとって、おひなさまは豊かな経済力の象徴であり、大切な嫁入り道具でもありました。保存に適した「蔵」があったことや、そして幸いにも昭和の戦災を免れたことで、数百年という歳月を超えて人形たちは今もこのまちで息づいていると言われています。

立ち寄りたいお土産スポット

ひなまつりの開催期間中、期間限定で出張販売をしているお店をご紹介。おひなさまを見学しつつ、お土産もゲットできるスポットです。

加波山市場(出張販売所)
桜川の豊かな土壌で育った新鮮野菜や、みかんの香りがふわりと広がる「福来みかん入り七味唐辛子」、村井醸造の酒粕でつくった甘酒など、地域の「おいしい」が勢揃いしています。地図番号:B61

田中勝利・アルバ
アルバさんが作る、カラフルな笠間焼が魅力的なお店です。日常使いできるお皿からカバンをモチーフにした花瓶など、伝統の中に新しい感性が光る陶器が魅力です。地図番号:B26

開催概要・アクセス

期間: 2026年2月4日〜3月3日(※水曜日は定休のお店が多いので予めご了承ください)
場所: 桜川市真壁町市街地ほか
料金:入場・見学無料
アクセス:真壁のひなまつりへの交通アクセス・駐車場案内図の詳細は下記よりご確認ください。http://www.kankou-sakuragawa.jp/page/page001133.html

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この記事を書いた人

山まみー

東京都で会社員をしながらライターとしても活動中。登山、旅行、アート、おいしいものを食べることが好き。

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