『笠間〇〇といえば何でしょう?』と聞かれた時に、皆様は何を思い浮かべますか?
「やはり笠間稲荷神社でしょう!」
「笠間の菊は、とても綺麗ですよ?」
「いや、笠間焼じゃないですか?」
「モンブラン、笠間の栗……」
茨城県水戸市の西部に位置する笠間市は、江戸時代には笠間藩主が厚く崇敬し、昔から参拝客を集めてきた門前町。『笠間稲荷神社』を中心に発展してきた、歴史ある街です。
この神社の創建は651年とも伝えられています。現在でも茨城県内の初詣参拝者数はトップクラスで、80万人以上もの参拝者が訪れるそうです。秋には、境内を中心に「菊まつり」が行われます。それ以外にも、江戸時代から生産が始められた笠間焼、名産の栗を使ったモンブランなどの名物のほか、各種イベントや多くの飲食店が来る人の心をくすぐります……。
「見どころや美味しいものが満載、観光の要素がたくさん! 人が集まってきては思い思いに進んでいく『辻道』といっても良いですね」
確かに、笠間の街は『辻(つじ)』にどこか似ています。東西南北へと十字形に道が伸びているのです。笠間市の南東部では、高速道路の「笠間ジャンクション」が十字に交わっています。近くの人も、遠くの人も、みんなが来やすい交通の要衝……。
本記事では、そんな笠間の魅力の一端を、「辻」になぞらえて『つつじ』を通して紹介してみよう、と思います!
笠間つつじまつり
笠間の街は「つつじの花」でも有名です。2026年は、4月11日(土)から5月6日(水・振替休日)までの期間で『笠間つつじまつり』が行われました。
「菊まつりは知っていますが、つつじまつり、とは……?」
これは笠間稲荷神社の東にある『笠間つつじ公園』を会場として開かれているイベントです。
笠間の街は、盆地にあります。東西南北を山々で囲まれているのです。お城があった佐白山(さしろさん)は東の山。笠間つつじ公園は、そのすぐ北の山につくられた公園です。小高い山の上から見下ろす、8,000株以上のつつじが所狭しと植えられている風景は、まさに圧巻。霧島、日の出などのさまざまな品種が咲き誇ります。
では、早速に会場へと向かってみましょう!
※本記事の画像は2025年に撮影したものです。直近の開花状況はホームページなどでご確認ください。
まつりの時期には交通規制がかかります。渋滞や一方通行などに気を付けながら進んでいきましょう。麓からハイキング気分で登るも良し、山頂の臨時駐車場近くまで車で上がっていくのも良し、です。

まつりの期間中は、会場の入口に料金所が設けられています。ここで入場料を支払ってから入るのです。……待ちきれずに、ここで記念写真を撮っている方もいらっしゃいました。

坂道を徒歩で登っていくと、色鮮やかなつつじが視界に飛び込んできます。花が大きい。でかい! その横で坂道が山頂へと続いていきます。

山頂の近くにはフォトスポットも設けられていました。『KasamaInsta』と名付けられた写真枠、そして綺麗な傘が開かれて置いてあります。これはインスタ映えすること間違いなしですね!
山頂の展望台
撮影した日はとても良い天気で、暑いくらいでした。私もさすがに坂道で息が切れました。
「どこかで少し、休憩を……」
そう思ったところで現れたのが、臨時営業のカフェスタンドです。何というグッドなタイミングとロケーション……! まるで山を登ってきた人の心を見透かしたような、最高の場所にあります。

「……? お店の上にも上がれるんですか?」
何と、お店の上には展望台があります。これは、上がらない選択肢はありません。……その展望台からの眺めは、つつじの赤、盆地に広がる笠間の街並み、それに緑の山々がどこまでも広がる絶景!

展望台のすぐ近くには「身代わり観音」と呼ばれる石像が立っていました。この観音様と一緒に、絶景を眺める形です。「人々の苦難を代わりに受けて救済する」といわれる観音菩薩の姿は何とも神々しく、思わず見入ってしまいます。

たくさんのベンチも設置されています。山頂まで登ってきた自分を褒めながら、しばし休息するのにぴったり。もちろん坂道を登っていくのは大変なことでしょう。しかしそれに見合うほどの絶景が待っています。苦難の後の救済……。そんなことを体感できる、つつじまつりなのです。
つつじ公園周辺の見どころ
この公園だけではありません。笠間の街は多彩な観光スポットがたくさんあります。ここからは、つつじ公園の周辺を中心に、見どころを紹介していきます!

まずは『笠間日動美術館』です。日本やフランスの名作を中心に、多彩な美術作品を楽しめます。

その近くには『大石内蔵助像』がありました。おおいしくらのすけ。忠臣蔵の主人公です。
「えっ、笠間で忠臣蔵……?」
実は、忠臣蔵で吉良上野介に殿中で斬りつけた浅野内匠頭の一族・浅野家は笠間藩を治めていたことがあるのです。ゆえに家老の大石家が住んでいた御屋敷も、このあたりにあったと伝わっています。
「花も美術も歴史も味わえる街なんですね!」
いえ、それだけではありません。つつじ公園から南に向かえば、丘の上に『笠間芸術の森公園』という
広い公園が広がっているのです。ここでは笠間焼の購入はもちろん、『茨城県陶芸美術館』で名作を味わったり、陶芸体験を行ったりすることができます。子どもの遊び場もあります。

さらにゴールデンウィークの時期には、この公園のイベント広場にて『陶炎祭(ひまつり)』と呼ばれる笠間焼などの直売イベントが開催されています。

「つつじまつりに、ひまつり……!? これはもう一度、笠間に来たくなりますね」
もう一度どころか、二度、三度、何度でも訪れても良いと思います。秋には『笠間の菊まつり』。モンブランをはじめとした栗スイーツや栗料理が味わえる『かさま新栗まつり』も開催されます。これら以外にもたくさんのイベントが目白押し……!

笠間稲荷神社の境内で、私は美しい藤の花も見ることができました。つつじに藤に、菊の花……。四季折々の花々に彩られる笠間の街には、たくさんの魅力が詰まっています。

……ただ、それらは、いきなりパッと咲いたわけではありません。どこかから押し付けられて、いきなり生まれたものではなく、笠間に住む方々が種をまき、少しずつ花を開かせていったものです。つつじまつりは、昭和の時代に、市民による「つつじ一株運動」から始まったといわれています。ただの山が、みんなの憩いの場に生まれ変わったのです。
街のみんなで協力して、各地から訪れてくれたお客さんを楽しませようという心……。
それこそが、笠間の街の一番の魅力なのかもしれませんね。
アクセス
笠間つつじ公園
〒309-1611 茨城県笠間市笠間616−7
◆公共交通機関:
最寄りの駅は、JR水戸線の笠間駅です。駅から笠間稲荷神社方面に向かって歩き、神社から東の方向に門前通りを進みます。「かさま歴史交流館 井筒屋」の突き当りを北に向かい、すぐに右折して東に向かえば、山の麓の「稲荷駐車場」に着きます(徒歩40分)。
シェアサイクルや「かさま観光周遊バス」で向かうこともできますので、ホームページなどでご確認ください。
◆自動車:
最寄りの高速インターは、北関東自動車道の友部インターチェンジです。インターチェンジを降りて、笠間方面に向かって国道355号線を北西へと向かいます。西手越の交差点で笠間市街地方面に北に向かって右折します。「かさま歴史交流館 井筒屋」を越えたところで東に右折すれば、「稲荷駐車場」に着きます。160台ほど駐車が可能です。
山頂の近くの臨時駐車場にも停められますが、渋滞や一方通行にくれぐれもお気を付けください。




