浜松市内の住宅街に、毎週たくさんのママと赤ちゃんが集まる自宅教室があります。
「実家に帰ってきたような感覚で来てもらえたら、というのが理想で」
そう話すのは、ベビーマッサージ教室『えがおのわ』を運営する佐藤倫恵子さん。自身もかつて、他県での出産や慣れない土地での子育てに、不安や孤独を感じていたといいます。
「ちょっと行ってみようかなって、気軽に来られる場所を作りたかったんです」
自身の経験をきっかけに始まった『えがおのわ』は、今では多くのママたちが安心して集まれる場所になっています。

今回は、浜松市のベビーマッサージ教室『えがおのわ』の佐藤さんにお話を伺いました。
孤独だった子育て経験が、教室づくりの原点に
佐藤さんがベビーマッサージ教室を開こうと思った背景には、自身の子育て経験がありました。
他県での出産。里帰りもできず、近くに頼れる家族もいない環境での育児は、想像以上に孤独だったといいます。3時間おきの授乳、細切れ睡眠、慣れない土地での生活が続きました。
「子育ての悩みを気軽に話せる相手もいなくて、ずっと不安でした。」
支援センターへ足を運んでも、ママたちとは挨拶程度。すでにできていたグループの輪に入りづらいと感じることも多かったそうです。
「結局、わが子と1対1で過ごして帰る感じで。外に出ても気を遣って疲れてしまう日が続きましたね」
気を張り続ける日々の中で、持病も悪化。少しずつ、“孤育て”になっていく感覚があったと振り返ります。

「もう少し気軽に行ける場所があったらいいなって、ずっと思っていました」
そのときの経験が、今の教室の原点になっています。浜松は、転勤などをきっかけに県外から移り住む家庭も多い地域です。
「私みたいに、頼れる人が近くにいないママって、きっとまだたくさんいると思うんです」
だからこそ佐藤さんは、“孤独を感じながら子育てをしているママたちの力になりたい”“産後うつを未然に防ぎたい”という想いを抱き、教室の大きなテーマにしています。
「うちに来てくれたら、何か変わると思っていて」
その言葉からは、自身が孤独な子育てを経験してきたからこそ生まれた、誰かの力になりたいという強い想いが伝わってきました。
自宅教室だからこそ、生まれる安心感
『えがおのわ』は、佐藤さんの自宅で開かれています。
「ママたちが、赤ちゃんの泣き声や周囲の目を気にすることなく、リラックスして過ごせる場所にしたいんです」
明るい光が差し込む開放的な部屋で行われるベビーマッサージ。そこには、佐藤さんが目指している実家に帰ってきたような安心感が自然と広がっていました。

初めて参加する親子も、少しずつ打ち解けながら、和やかな雰囲気の中でベビーマッサージを楽しんでいます。
『えがおのわ』には、毎月参加するリピーターの親子も多いそうです。
来るたびに顔なじみが増え、気づけばみんなで子どもたちの成長を見守るような、家族みたいな雰囲気になってきたと佐藤さんは話します。

「生後1ヶ月頃から来てくれていた子が、もう2歳を過ぎて。初めて笑った日、寝返りできた日、歩いた日。ママと一緒に喜べることが、本当に幸せです」
そう話す佐藤さんの表情からも、教室の温かな関係性が伝わってきます。
『えがおのわ』は、ベビーマッサージを体験する場所というだけではなく、ママも赤ちゃんも安心してそのままの自分で過ごせる場所。
相手に寄り添う佐藤さんのおおらかな人柄と、安心感のある教室の雰囲気が、多くの親子を惹きつけているのかもしれません。
後編では、ママたちの「もっと通いたい」という声から生まれたリトミッククラスや、教室で人気の“ペタペタアート”、口コミで少しずつ広がっていった『えがおのわ』のつながりについてもご紹介します。
わらべうたマッサージおうち教室「えがおのわ」
Instagram:https://www.instagram.com/ritora38/




