静岡県藤枝市のハイキング・ドライブスポット
静岡県藤枝市の山間部、静岡市にも程近い瀬戸谷の北部に位置する標高526mの石谷山（いしだにやま）。山頂付近にある巨石が、茶摘みの際に使う「びく（詰んだ茶を入れるカゴ）」に似ていることから地元では「びく石山」の愛称で親しまれています。
お茶の街静岡らしい愛称のびく石山には、おむすび石や仏石、なめくじ石などなど、数えきれないほどの奇石が点在し、山頂に近づくにつれてその大きさが巨大になっていくんです。山の中にいきなり現れる奇石、巨石郡はなんとも不思議な光景で、地元では昔から多くの伝説が伝わるミステリアスなスポットとしても知られています。
そんな石谷山（びく石山）に伝わる話の一つにあるのが『ダイダラボッチ伝説』。太古の昔に富士山を作ろうとしたダイダラボッチと呼ばれる巨人が、琵琶湖を掘って静岡県に土や石をモッコに積んで運んでいました。何往復もする中、静岡県にある大井川につまづいたダイダラボッチが転んでしまい、その際に落とした石や土がこの石谷山（びく石山）になったと伝わっており、この山に点在する奇石・巨石はダイダラボッチの「落とし物」と言われています。
その後、ダイダラボッチが作った富士山は日本一高い山となり、富士山を作るために掘った場所が日本一大きい琵琶湖になったとのこと。なんとも不思議な話ですね。
虫が少なく、山頂からは冠雪した壮大な富士山を望める秋。冬はびく石山ハイキングにぴったりの季節。今回はそんな藤枝市のダイダラボッチ伝説が残る「びく石山ハイキング」の魅力について紹介します。
びく石山ハイキング
びく石ハイキングの出発地点は道の駅「玉露の里」、もしくは山の麓にあるハイキング駐車場。どちらもトイレが備えられているので、ここでしっかり準備を整えてハイキングに挑みましょう。道の駅からはハイキングコースが続いているので、看板を見ながら進めば迷う心配も少ないです。
玉露の里からハイキング駐車場までは歩いて30分程度の距離なので、好きな方から出発してください。
ハイキング駐車場までは車道を歩くので車に注意が必要。山道に入ると10分ほどで最初の奇石「表石」が、しばらく進むと「仏石が」出迎えてくれます。山の中に奇石がごろごろ落ちているなんて、ダイダラボッチ伝説を知っていても不思議な気持ちになる光景です。
ダイダラボッチが落とした石でできた山なので、足元はゴツゴツした岩。滑らないように気をつけながら進んでください。
山頂までの道では「おむすび石」「三つ石」など、ここでは紹介しきれないほど多くの奇石に出会えます。実際に行っていくつ見つかられるか友人や家族と競うのも楽しいですよ。
ハイキング駐車場からは1時間弱、道の駅玉露の里からは1時間30分ほどで山頂に辿り着けるので、登山ほどハードではなく軽いハイキングとして程よい運動を楽しめます。
びく石山はただハイキングするだけじゃなくて、地元の伝説をたどりながらユニークな石を見つけながら登るのが楽しく、筆者の秋冬ハイキングお気に入りスポットなんです。
山頂に近づくにつれて石はどんどん大きくなります。途中、安全に登れる「まわり石」があるのでここから藤枝市を眺めるのもおすすめ。
山頂には「大名石」と呼ばれる巨大な石が鎮座しており、ひらけたスペースがあります。天気が良ければ藤枝市や富士山が一望できるので、ここでおにぎりやサンドイッチなどお弁当を広げてランチにしてみてはいかがでしょう。
石谷山（びく石山）ハイキング情報
・道の駅玉露の里：MAP
アクセス：新東名 藤枝岡部ICから約10分
休業日：年末年始（12月28日～1月2日）
＊玉露の里からハイキングする際は、道の駅も利用するようにしてください
・ハイキング駐車場：MAP
静岡のお茶、富士山といったシンボルにまつわる伝説が残る石谷山（びく石山）。
地元の人に親しまれた山で、トレイルランなどのイベントも多く開催されています。マニアックながら静岡の魅力が詰まった山で、山頂まで車で行くルートもあり山頂付近には数台車を停められる駐車場もあるので、ドライブにもおすすめ。
静岡市や焼津市からのアクセスも良好なので、近郊に来た際は是非、立ち寄ってみてください。
