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地域応援ブランド  |    2025.06.13

泡盛がカンヌの社交界へ!神村酒造が届けた「暖流」と特別な体験とは

神村酒造・中里迅志社長(写真提供:神村酒造)

2025年5月18日、フランスのカンヌで開催されたCANNES GALA(カンヌガラ)にて沖縄県・神村酒造の泡盛「暖流CRAFT 3年古酒40度」が提供されました。

CANNES GALAは、カンヌ映画祭の公式市場である「Marché du Film」と次世代テック部門「CANNES NEXT」の公認社交界。実業家やアーティスト、文化人など映画に貢献する企業や個人が集まる交流の場として開催されました。

フランス料理に合わせてワインが提供される中、デザートとともに提供されたのが神村酒造の泡盛「暖流CRAFT 3年古酒40度」。沖縄の酒器を使って提供される泡盛は、海外の方に大きなインパクトを与えたようです。

今回はCANNES GALAに足を運び、実際に泡盛を提供した神村酒造の社長・中里迅志(なかざと はやし)さんにお話をうかがいました。

フランス・カンヌの地で振る舞われた泡盛「暖流CRAFT」

CANNES GALAで提供された神村酒造「暖流CRAFT 3年古酒40度」(写真提供:神村酒造)

今回CANNES GALAで提供されたのは「暖流CRAFT 3年古酒40度」。世界三大酒類コンテストの一つである「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション(SFWSC)」で金賞を受賞した経歴を持つ泡盛です。

泡盛「暖流CRAFT 3年古酒40度」が提供されたのは、フランス料理のデザートのタイミング。前菜にシャンパン、メインディッシュにワインと「フランス料理の王道」のマリアージュを楽しんだ後、泡盛が提供されました。

テーブルにワイングラスが並ぶ中、沖縄の伝統的酒器「カラカラ(とっくり)」と「ちぶぐゎー(おちょこ)」を使って泡盛を提供したという中里さん。

CANNES GALA採用記念ブレンド「暖流BLESS46度」とカラカラ・ちぶぐゎー(写真提供:神村酒造)

「沖縄の酒器を持って行ったのは、沖縄文化を知ってもらいたいというのはもちろん、お客様に特別な体験をしていただきたいという思いがあったからなんです。

海外の方は初めて目にする酒器を見て、きっと関心を持ってくれるだろうと。それが会話のきっかけにもなると考えました」

この「特別な体験」のために、中里さんは25kgのスーツケースに酒器を詰め込んでフランス・カンヌまで運んで行ったのだそう。苦労して運んだ甲斐があり、酒器に対する反応はよく、酒器を買いたいという申し出もあったといいます。

CANNES GALAで「手応えを感じた」

2025年CANNES GALAの様子(写真提供:神村酒造)

CANNES GALAでは、泡盛を初めて飲む方ばかりだったといいます。デザートとともに提供されたのは、オーク樽で3年以上熟成された古酒とステンレスタンクで貯蔵された古酒をブレンドした「暖流CRAFT 3年古酒40度」。

ウイスキーの熟成にも使われるオーク樽を使った「暖流CRAFT 3年古酒40度」は、樽由来の甘い香りとやわらかな味わいが特徴の泡盛です。

今回、CANNES GALAで「暖流CRAFT 3年古酒40度」を提供したのは中里さんの経験に基づいた戦略によるもの。

「泡盛の炭酸割りや、泡盛カクテルではインパクトが弱いなと思ったんです。海外では食後にブランデーやグラッパを合わせる文化があるので、そのイメージでデザートに『暖流CRAFT 3年古酒40度』を合わせることに決めました。

海外の方が『暖流CRAFT 3年古酒40度』を口にしてくれた。おかわりをしてくださった方もいらっしゃった。さらに『買って帰りたい』という申し出もあった。

カンヌの社交の場で認められた!という手応えを感じましたね

CANNES GALA採用記念の特別ブレンド「暖流BLESS46度」(写真提供:神村酒造)

CANNES GALAでは、採用を記念して特別にブレンドされた「暖流BLESS46度」も提供されました。祝福を意味する「BLESS」の名がつく特別なブレンドには、40年ものの古酒をブレンドしているのだそう。

「『暖流BLESS46度』は、デザートのラズベリータルトに合う味わいをイメージしてブレンドしたものです。40年ものの古酒を使うことで、スペシャル感のある味わいに仕上がっています。

ラベルにはカンヌ映画祭のレッドカーペットに白い砂が広がっていて、船が新しい世界に進んで行く姿が描かれているんですよ」と中里さん。

特別「暖流BLESS46度」は、2025年7月1日(火)発売予定。この機会に泡盛に馴染みのない方も、特別にブレンドされた「暖流BLESS46度」を試してみてはいかがでしょうか。

【商品情報】
暖流BLESS46度 700ml/30,500円(税抜)
2025年7月1日(火)発売予定
神村酒造オンラインショップ

泡盛の作り手として、日本や世界に向けての思い

神村酒造・中里迅志社長(写真提供:神村酒造)

CANNES GALAでの成功が、自分たちの造る泡盛に対する自信につながったと語る中里さん。CANNES GALAに関わった思いについて、次のように話してくださいました。

「神村酒造『暖流』のファンの方々が、CANNES GALAで採用されたことを一緒に喜んでくれると嬉しい。

『泡盛はウイスキーやブランデー、ウォッカみたいな世界の名だたる蒸留酒と同じようなクオリティを持っているし、歴史もある。カンヌの社交場でも認められた。泡盛ってすごいでしょう!』というように、泡盛を誇れるきっかけになってくれたら嬉しい。

そこから、泡盛の魅力が広がってくれたらもっと嬉しい。そう考えていました。

そして実際に、CANNES GALAでの採用をファンの方々が一緒に喜んでくださったんです。自分の大事にしてきたものが、その方々にしっかり評価されたんだと感じました

中里さんは人と人とのつながりを大切にしているといいます。神村酒造の商品を取り扱っている飲食店や商品のファンの方々は、商品だけでなく中里さん自身のキャラクターも含めて大事にしてくれているありがたい存在なのだとか。

神村酒造の商品を大切にしてくれている方々を思う気持ちが中里さんの話から伝わってきました。

人とのつながりを大切に

2025年CANNES GALAのテーブル(写真提供:神村酒造)

「暖かいご縁をつなぐ」がミッションの神村酒造。中里さん自身も、日頃から人との縁を大事にしているのだそう。今回、CANNES GALAで「暖流CRAFT 3年古酒40度」を提供することになったのも、人とのつながりがきっかけだったといいます。

「主催者の方が、日本のお酒をCANNES GALAで提供したいと考え、知人を通して僕に声をかけてくださったんです。お互いリスペクトできるような関係性だったからこそ、今回のお話をいただけたのかなと」

人とのつながりを大切にすることで、大きなステージに辿り着くことを実感したという中里さん。今後も人とのつながりを通して、神村酒造の商品を広めていけたらと考えているそうです。

今回のインタビューを通して、中里さんの泡盛に対する熱い思いと人との縁を大切にしているという温かさを強く感じました。神村酒造のファンには、中里さんご夫妻のファンが多いというのも納得です。

ワイン王国フランス・カンヌの社交場で認められた泡盛「暖流CRAFT 3年古酒40度」と「暖流BLESS46度」。泡盛を飲み慣れていない方も、試してみてはいかがでしょうか。

有限会社 神村酒造

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有限会社 神村酒造

神村酒造は、1882年創業の沖縄県うるま市にある泡盛酒造所です。戦後の泡盛離れを救った「暖流」や伝統的製法の「守禮」が代表銘柄です。独自のブレンド技術を活かし、時代のニーズに合わせた味の開発に挑戦し続けています。2023年には工場長が「泡盛ブレンダー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。"暖かいご縁をつなぐ"をミッションとし、泡盛を通じて人々がつながることを大切にしています。見学や直売店も運営しており、泡盛の魅力を広く伝える活動も行っています。

この記事を書いた人

大崎 沙織

宮崎県出身、東京都中野区在住のWebライター。 結婚を機に住み始めた中野区の面白さに魅了され「中野のディープな魅力をもっと広めたい!」との思いからMediallで執筆することになりました。 前職はホテルマン・ソムリエ。シャンパンと唐揚げが大好物です。

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