40代の筆者は仕事、育児に追われる忙しい日々を送っています。そのストレスから、ついお菓子に手が伸び、体重増加が最近の悩みだったりします。運動不足は認識しているものの、宅トレは子どもに邪魔されて長続きしません。以前、大型スポーツジムに入会しましたが、ジム初心者の私には大型ジムの人数の多さや雰囲気に圧倒されて、場違いな気がして結局、続かなかった苦い経験があります。
そんなある日。Instagramを見ていたらお洒落な写真を発見しました。新しいカフェか?いや、ホテルのラウンジか?と思いきや、そこはなんとスポーツジム!ミーハーな乙女心をくすぐるスポーツジムを体験してきました。
住宅街の一角に入るとそこは絶景広がるスポーツジム
沖縄県の観光名所・首里城公園から徒歩5分。住宅街の一角に「タッチフィットネス」というスポーツジムがあり、代表の小渡勝徳さんは、店舗清掃・修繕・クリーニング・メンテナンスなどを主におこなっている「小渡ビル株式会社」の経営者でもあります。
―そもそも、フィットネスクラブを運営することになった経緯は何だったのでしょうか?
小渡さん:僕は26歳のときに、アメリカに1年ほど語学留学していたんです。ある日、おしゃれな建物から綺麗な女性が出てきて「カモン!」と言われて(笑)。そこはホットヨガスタジオだったんです。その翌朝、レッスンを受けました。人生で初めてのホットヨガ。そのとき、ものすごい衝撃を受けて、感動と心地よさにドはまりしました。
―だから、タッチフィットネスの姉妹店にホットヨガスタジオがあるんですね。確か、場所は豊見城市豊崎でしたか。
小渡さん:そうですね。留学から帰国して、ホットヨガスタジオをオープンしたんです。アメリカはフィットネスが盛んで、高級なフィットネスのEQUINOX(イクイノックス)があったんですよ。初めて高級フィットネスに足を運んだとき、ジムってこんなにお洒落で、日常の中にトレーニングが浸透していると思ったんですね。
―なるほど。タッチフィットネスの洗練された雰囲気は、アメリカ留学の際に受けた衝撃や感動体験からインスパイアされたんですね。利用客は女性が多いそうですね。
小渡さん:女性専用というわけではありませんが、もともとホットヨガスタジオから始めた延長線上として、会員さんの9割が女性なんです。女性がより優雅に過ごせるように、ムキムキよりも、しなやかに。もちろん、男性もウェルカムです。でも、男性の方は会費を高くしているため、必然的に女性が多くなっています。基本、女性ファーストなんです。
時間がない”お疲れママ向け”お勧めプログラムを組んでもらった
今回、トレーニングを体験するにあたってトレーナーのMIKIさんにお世話になりました。筆者は運動する習慣がなく、とにかく身体が硬い。悩みとしては、肩こりや眼精疲労と体重増加。そんな筆者の切実な悩みを聞いたMIKIさんは、30分でさくっと運動不足を解消でき、効果の高いトレーニングメニューを組んでくれました。
たとえ毎日、30分しか時間が取れなくても、しっかり身体の状態を確認しながらメニューに組むことで高い運動効果が得られるそうです。鍵を握るのは、最初のストレッチ。いきなりゴリゴリと筋力トレーニングを行うのはあまりよくないそうです。
「全身が凝り固まっているようなので、最初は全身の血流を循環させましょう。筋トレはその次です。いきなり負荷のかかるトレーニングをしたところで、身体を痛めつけるだけ。まずは、自分が心地いいと感じるストレッチを10分かけて丁寧に行ってみましょう」
MIKIさんのアドバイスにより、まずはストレッチから。
<最初のストレッチ>
1.肩甲骨の下にストレッチポールを挟む
2.仰向けに寝る
3.両腕をゆっくり上げて万歳する
動作はとても簡単。いつも丸まっている背中がスーッと伸びて、腕を上げたときに少し痛みが走りました。MIKIさんによれば、おそらく肩甲骨周りが相当凝っているらしく、身体に負担のかからないように少しずつ丁寧に凝りをほぐしていきました。
脇のリンパに詰まっていた何かが流れていく感じ。年齢を重ねると腕が上げにくくなるという話を聞いたことがあるし、毎日のパソコンやスマホの操作で肩がガチガチ。血液を循環させれば、眼精疲労も改善していくようです。
「続いて、下半身のストレッチです。足は全身のポンプですから、足の血流をしっかり循環させて、いっきに全身を温めます。ポカポカしてきませんか。忙しくて時間がない方は、ストレッチポールをごろごろ転がして、血液を循環させるだけでもいいですよ。自分に合う道具をジム内で試してみてください。運動が取り入れやすくなりますよ」
MIKIさんのワーママを労わってくれる親切な言葉と、初心者にもわかりやすい丁寧な指導。ストレッチポールを無心にごろごろさせると、全身の血液が巡っていく感覚があり、だんだんと身体と心が軽くなっていく。「慌ただしい毎日のなかで自分の心と身体を労わる習慣がなかったな」とストレッチに没頭しながら思いました。
10分間のストレッチを終えて、いよいよ筋トレに挑戦します。
タッチフィットネスには、韓国製の最新マシーンが豊富に揃っています。アメリカ、イタリア、台湾、中国などの外国製マシーンを代表の小渡さんが自ら全て試して、この韓国製マシーンを導入することを決めたそうです。
韓国製に決めた理由は、韓国人と日本人の骨格は似ている部分が多く、体格的にも合っているからだそうです。確かに、タッチフィットネスのマシーンは運動に慣れていない筆者でも使いやすい印象でした。デザイン性も高く、どんな人にも馴染みやすいマシーンの導入を目指した代表の徹底的なこだわりや配慮が随所にみられます。
「優先的に大きな筋肉に負荷をかけることで、効率的なダイエットに繋がります。まずは、取り組みやすいインナーサイ・アウターサイと呼ばれているマシーンを使って、内ももと外ももを鍛えてみましょう。動作を確認していただくために、重さは一番軽い10キロに設定します」
足を左右に開くだけの動きは正直、楽勝だなと思った筆者。これは気軽に取り組むことができるうえ、楽しいかも。注意点としては、負荷を軽くし過ぎてパタパタと早く足を動かしてもトレーニングにはならないそうです。
姿勢を正しくして、なるべく背もたれに背中をくっつけずに内ももと、外ももに意識を集中させ、ゆっくりと動作を行うようにMIKIさんからアドバイスをもらいました。アドバイスに従うと、だんだんと汗がでてきて足が重く感じてきます。さっきまで楽勝と思っていたのは、勘違いだったようですね。
引き続き、背中と二の腕の引き締め効果のあるロングプルというマシーンに挑戦。
ストレッチで脇のリンパを丁寧にほぐしたおかげで、普段はあまり使わない筋肉を動かします。姿勢の改善や代謝アップに繋がるトレーニングは、わりとスムーズに行えて筆者の抱えている悩みにぴったりでした。大きく息をすったり吐いたり、背中を伸ばす動作は、リラックス効果と肩こり改善に期待できそう。
20分ほど経過しました。残り10分は、お勧めのマシーンを紹介してくれました。
「では、続いて日本に数台しかないマシーンを紹介しますね。LEXCOというメーカーのスタンディングアウターサイ。お尻を鍛えるマシーンです。日本でもまだ導入しているスポーツジムは珍しいと思います」
使い方は意外と簡単でした。このマシーンでは、足を開きながら腰を落とすスクワットのような動作をします。主にヒップアップ効果が狙えるそうです。
トレーニング中は正面を見て、少し遠くに視線を合わせるのが最適とのこと。ちょうどマシーンの目の前には窓があり、視線の先には首里の赤瓦が見えます。負荷のかかるトレーニングでも、癒し効果を得ながら過ごせます。こんな癒し系ジムは、なかなか存在しないでしょう。
30分が経過しました。
激しい筋力トレーニングではないものの、しっかり汗をかき、久しぶりに運動したぞ!という達成感を味わいました。MIKIさんいわく、もう少し時間に余裕がある日は、最初に軽い有酸素運動、または最後にストレッチを入れると完璧らしいです。
タッチフィットネスには、上級者向けのフリーウエイトスペースも充実しています。もちろん自由に使用することができ、器具の使用方法が分からない初心者に対しては、いつでもトレーナーさんが詳しく説明をしてくれます。ジム内はアットホームな雰囲気なので、遠慮せず気軽に質問できます。
頑張った自分にご褒美を。家族の笑顔のために
充実したトレーニングを終えた後も、ジム内の至るところで女性が喜ぶこだわりポイントを発見しました。更衣室は清潔に保たれ、広々としたシャワールームはまるでホテルのようです。
足ふきマットも1人ずつ新品が用意されていて、特に筆者が嬉しかったのは、アメニティ類の癒される香りでした。シャンプー、トリートメント、ボディソープ。トイレに置いてるハンドソープまで、全てがオーガニック。全身お洒落な香りに包まれて、リッチな気分になりました。
シャワーを済ませて、カフェスペースでくつろぐことに。
オーガニックコーヒーの無料サービスをいただきました。コーヒーはテイクアウトもできるので、帰りの車で飲みながら帰路につくこともできます。
また、健康な身体は食事からも作られるという考えのもと、自家製オーガニックサラダやジュース、マフィンの販売などを行っています。一体なぜ、ここまで健康や癒しの空間づくりにこだわっているのか、代表の小渡さんに再び話を聞いてみました。
小渡さん:実は、僕たちのコンセプトは「健康長寿」なんですよ。ずっと健康で、長寿でいてもらう。僕は、沖縄からアメリカに行く前、休みなく朝から晩まで働いていて、そのころは、やっぱり余裕がなかったんです。
アメリカに行ったときに初めてホットヨガに出会い、ヨガを通して自分と向き合う時間が生まれたときに感動しました。両親も経営者で毎日忙しくしている様子を見てきたので、両親のことが真っ先に頭に浮かびました。やっぱり家族には、自分の時間を作っていつも笑顔でずっと健康でいてほしいと。美と健康の発想はそこからですね。
タッチフィットネスの滞在時間はそこまで長くなかったものの、スポーツジムに来て癒し効果を実感できたのは初めてでした。スポーツジムでは自分を追い込み、ヘトヘトになって帰宅するイメージを持っていましたが、印象が180度変わりました。今回は、まるでホテルステイをしてきたかのような感覚でした。
タッチフィットネスは完全予約制です。
だから混雑することなく、大型ジムでの苦い経験の数々を払拭する場所でした。ゆっくりと自分の時間を満喫し、自分の心と身体に心地いいことをする。帰るころには自己肯定感が爆上がりしました。
小渡さん:僕の考えとして、会員さんに「優雅・快適・爽やか」でいてほしい思っています。たとえば、現在の大型ジムってモニターがついているマシーンが多いじゃないですか、テレビとか。ああいうマシーンは僕は敢えて選ばなくて。テレビはいつでも見れるじゃん!みたいな(笑)。ジムにいるときは自分と向き合う時間。景色やBGMを楽しみながらとか、人それぞれの楽しみ方ができると思うんです。そういった空間づくりに徹底的にこだわりました。
窓から見える雄大な景色を眺めながら、オーガニックサラダと自家製人参ジュースに舌鼓を打ちました。タッチフィットネスには、代表小渡さんの健康長寿への想いが詰まっています。そして、トレーナーさんの親切な対応と笑顔が溢れていました。
家庭でもない、職場でもない、サードプレイスを持つことがメンタル面でもいい相乗効果を生み出すといわれている昨今、筆者にとって、まさに第3の場所を見つけた気分でした。今回タッチフィットネスにお邪魔したことで、仕事と育児をせわしなく過ごす日々のなかに、少しでも自分を労わる時間をつくりたいなと改めて感じることができました。
心地よい疲労感に包まれながら、笑顔でお家へ帰ります。タッチフィットネスで、充実した時間を過ごすことができました。ママが心身ともに元気でいることは、家族の笑顔に繋がると思います。
取材・撮影・文/ジモジマイコ
編集/みやねえ(OKINAWA GRIT)
touch fitness club
沖縄県那覇市首里金城町3-5-2
9:00~21:00/日曜定休(日曜以外、祝日も営業中)
専用駐車場完備
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