「そろそろ終了のお時間です」
交流会の終盤、運営スタッフが終了を呼びかけます。しかし、その声に気付かないほど参加者たちの会話は続いていました。
2026年6月、博多で初開催された経営者交流会「つながってみたらどうだい?in博多」。
この交流イベントは、大同生命保険株式会社が運営する全国の中小企業経営者向け無料オンラインコミュニティサイト「どうだい?」が主催。
九州での開催は、2025年の福岡県糸島市に続いて2回目となります。
運営スタッフによると、博多開催は「九州でも有数の都市でありながら、これまで開催できていなかった」ことがきっかけだったそうです。
地方で活動する経営者同士がつながる場を広げたいという思いも込められていました。
参加者は13人。
決して大規模なイベントではありません。
しかし、その場には最後まで話が尽きないほどの熱気がありました。
SNSやオンライン会議が当たり前になった今、なぜ人はわざわざ会場へ足を運び、初対面の人と話そうとするのでしょうか。
参加者たちが何を求めてこの場に集まったのか、その理由を探ってみました。
13人だから生まれた距離の近さ

交流会は乾杯とともにスタートしました。
乾杯後、会場では自然と会話が生まれていきました。
初対面同士で言葉を交わしながら、それぞれが少しずつ打ち解けていきます。
13人という規模感だからこそ一人ひとりの顔が見え、会話も広がりやすかったのかもしれません。
どこに目を向けても誰かが会話を交わしており、会場には終始にぎやかな空気が流れていました。
2人や3人で話し込む姿があちこちで見られ、時間が経つにつれて参加者同士の距離も縮まっているようでした。
人はなぜ交流会に足を運ぶのか

参加者に話を聞くと、交流会に足を運んだ理由はさまざまでした。
「少し先を歩いている経営者の話を聞いてみたい」
「気軽に相談できる相手がほしい」
「まずは人とのつながりをつくりたい」
そんな声が聞かれます。
昨年の糸島開催にも参加した参加者は、今回も新たな出会いを求めて博多を訪れていました。
すぐに仕事につながることを期待するのではなく、まずは人と知り合い、関係を築いていくことを大切にしているそうです。
その積み重ねが、将来的な協働や新たな挑戦につながればうれしいと話してくれました。
実際に会場では名刺交換だけで終わるのではなく、その後も互いの仕事や考え方について会話を深める姿が見られます。
交流会には、そんなゆるやかな関係づくりを求める空気が流れていました。
一度きりで終わらない出会い

参加者の中には、
「実は人見知りなんです」
と笑いながら話す人もいました。
交流会というと社交的な人ばかりが集まるイメージがあります。
しかし人見知りだからこそ、あえてこうした場に足を運ぶという考え方もあるようです。
また、過去の「どうだい?」イベントをきっかけに運営との交流が続いている参加者もいました。
一度の出会いがその場限りで終わらず、継続的なつながりへ発展していることも、このコミュニティの特徴なのかもしれません。
相続に関わる仕事をしている参加者は、普段の仕事では接点の少ない事業者と話せたことが印象に残ったと話してくれました。
交流会では、自分の業界とは異なる分野で活動する人と出会えることも大きな魅力です。
実際に、「もっと詳しく話を聞いてみたいと思う相手が見つかった」という声も聞かれました。
こうした偶然の出会いは、リアルな場ならではなのかもしれません。
オンライン上でも人とつながることはできます。
しかし、リアルで顔を合わせることで初めて生まれる会話もあります。
だからこそより興味が生まれ、「もっと話を聞いてみたい」という気持ちにつながるのでしょう。
参加者からも、
「やっぱり会って話した方がいいですね」
という声が聞かれました。
博多で見た交流のかたち

交流会の終了時間が近づいても、会場のあちこちで会話は続いていました。
参加者たちは次々と相手を変えながら交流を続け、運営スタッフの終了の呼びかけにも気付かないほどです。
開始直後は近くの参加者同士で交わされていた会話も、終盤には会場全体へと広がっていました。
13人という小規模な交流会だからこそ生まれた距離の近さ。
終了の声が届かないほど続いていた会話が、この交流会の価値を物語っていました。
人はなぜ交流会に足を運ぶのか。
その答えの一端を、博多の会場で見ることができたように思います。




