前編では、Ciras株式会社(以下、Ciras)が提供するAI実装サービスのスピード感と、次世代の検索指標であるAEO(回答エンジン最適化)について解説しました。しかし、同社を語る上で欠かせないのが、代表・杉本氏の独自の哲学と、デジタルとは対極にあるような「人の想い」に寄り添う活動です。後編では、かつて自作サイトの出来に絶望した経験を持つ杉本竜弥氏が、なぜ「やらないことが最大のリスク」と確信し、AIという未知の領域に全振りしたのか、その物語を紐解きます。
AI事業と並行して杉本氏が情熱を注ぐ、故人のための「燃やせるメガネ」の事業も紹介します。
泥臭い独学から始まった

今でこそ最新のAIツールを使いこなし、5,000件以上の相談に応じる杉本氏ですが、そのキャリアは「手探りの独学」から始まりました。
当初はウェブ広告の運用からスタートしました。しかし、顧客の悩みを解決するために必要であれば、未経験だったホームページ制作やWordPressの設定、チラシ作成まで、すべて自分で調べながら習得してきました。

かつて彼が最初に制作したホームページは、今振り返れば「設定もぐちゃぐちゃで、ひどい出来」だったと言います。しかし、その「まずやってみる」という姿勢が、顧客の課題にどこまでも寄り添う現在のCirasの原点となっています。
杉本氏は「自分が分かっていないと、人に伝えられない」という信念を持ち、常に今が最も大変だと言いながらも、新しい技術を吸収し続けています。
「やらない方が恐怖」AI全振りへの決断

2年前、ChatGPTが登場した瞬間、杉本氏は「誰もやらないかもしれないけど、やらないといけない」と直感しました。
多くの人がAIの不正確さ(ハルシネーション)をリスクとして敬遠する中、杉本氏はそれを「特性」として捉えました。そして、どう対策を講じるかを学ぶことに没頭。杉本氏にとっての最大の恐怖は、失敗することではなく、「あの時やっていれば」と後悔することです。
「やらない方がリスク。やっておいたら、その分成果も積み上がっていくはず」と言い切る杉本氏の行動力は圧倒的です。愛媛という地方にいながら、広島の工場やドローン測量の現場など、全国から高度なAI実装依頼が舞い込む理由もそこにあります。
「競合は敵ではない」誠実な仕事選びの流儀

杉本氏は「ホームページ制作会社の敵になりたいわけではない」とはっきり語ります。例えば、制作の相談を受けた際、既に別の制作会社が一生懸命に関わっていることが分かれば、無理に案件を奪うことはしないそうです。
むしろ「そちらで作ってもらってください」と、顧客に伝えることすらあるとか。杉本氏が大切にしているのは、目先の売り上げよりも「人と人との繋がり」や「筋を通すこと」です。
彼が自身の武器である「AIによる超効率化」を発揮するのは、保守費用があまりに高すぎる、対応が遅いなど、顧客が本質的に困っている場合に限ります。
かつて自身も手作業で苦労し、一歩ずつ技術を磨いてきた泥臭い経験があるからこそ、誠実に努力する同業者への敬意を忘れません。この不器用なまでの誠実さと、業界への不義理を良しとしないプライドこそが、「杉本さんなら信じられる」という信頼の源泉となっています。
「かたち製想所」AIの裏側にある心の繋がり

杉本氏にはもう一つの顔があります。それが、亡くなった方専用のメガネを制作する「かたち製想所(かたちせいぞうしょ)」の運営です。
通常のメガネには金属が含まれるため、火葬の際は外さなければなりません。そこで杉本氏は、「あの世でも目が見えるように」「生前の面影のまま見送りたい」という遺族の願いを叶えるため、金属を一切使わない「燃やせるメガネ(気づかい眼鏡)」を開発しました。さらに、東京ビッグサイトの展示会にも出展しました。

一見、最先端のAI事業とは対極にあるように見えますが、そこには共通する信念があります。それは『「できる」を増やす。』というミッションです。
- AIで業務時間を短縮し、人間が本来やるべき創造的な仕事に集中できる時間を増やす
- 慣例や技術的制約で諦めていた「故人にメガネをかける」という願いを可能にする
デジタルとアナログ、その両輪で杉本氏は「不可能性を可能性に変える」活動を続けています。
5年後のビジョンよりも今この瞬間の「進化」

「5年後、10年後のビジョンはありますか?」という問いに、杉本氏は「ないです」と答えます。AIの進化スピードを考えれば、今決めた計画などすぐに意味をなさなくなると確信しているからです。
数値目標は心の中に持ちつつも、彼が見つめているのは常に「今、目の前のお客さんに何ができるか」です。AIがどれほど進化しても、最後にお客さんの元へ行き、パソコンの設定をサポートしたり世間話をしたりする「人の力」は欠かせないと彼は語ります。
Cirasが提供するのは冷たいプログラムではなく、経営者の「影武者」として共に戦い、できないことを「やった!」という喜びに変える、温かみのあるパートナーシップです。
まとめ

Cirasが提供するAI活用支援は、単なる効率化のツールではなく、経営者が「できること」を増やし、本来向き合うべき仕事や大切な人との時間を生み出すためのものです。
杉本氏は、最新のAI開発ツールを使いこなしながらも、対面でのレクチャーや「燃やせるメガネ」を通じた心の繋がりを何より大切にしています。
「やらない方がリスク」という杉本氏の今後のさらなる活躍から、目が離せません。
基本情報
| 項目 | 内容 |
| 社名 | Ciras(シラス)株式会社 |
| 代表者 | 杉本 竜弥 |
| 所在地 | 〒790-0813 愛媛県松山市萱町3丁目2番3号 9CROSS 501 |
| 電話番号 | 050-3637-6324 |
| 営業時間 | 10:00〜17:30 |
| 定休日 | 土・日・祝日 |
| メールアドレス | info@ciras.jp |
| 公式サイト | https://www.ciras.jp/ |
| 主な事業内容 | 中小企業のAI導入、DX推進支援、AI業務システム開発、AI活用Webサイト制作など |




