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人  |    2026.06.17

「MOKUREN Photo Studio」代表・片岡氏が語る写真の真価【後編】

前編では、MOKUREN Photo Studio(以下、MOKUREN)誕生までの歩みと、地域に根ざした多才なサービス内容について紹介しました。しかし、彼らが切り取る一枚が、なぜこれほどまでに多くの人の心を揺さぶるのでしょうか。

後編では、代表・片岡氏の心の奥底にある「写真哲学」を深掘りします。そこには、4歳で息子を亡くした経験がありました。豪華なセットではなく、日常の何気ない姿こそが「一生の宝物」になると語る片岡氏。「写真は残酷で、だからこそ尊い」という言葉の真意と、スタッフへの深い愛から生まれるMOKUREN独自のチーム哲学に迫ります。

後編はこちら

「MOKUREN Photo Studio」愛媛で一生ものの写真を残す【前編】

息子との別れが教えてくれた「写真の宝物」

写真提供:MOKUREN 節目の日の緊張感も、愛おしい思い出に

片岡氏が語る「あの場所、あの時、あの瞬間」というコンセプトの裏側には、4歳で息子を亡くした経験があります。片岡氏は「息子がよく着ていた服の一枚の写真から、当時の匂いまで思い出す。それが僕の宝物だった」と語ります。

写真提供:MOKUREN お決まりのポーズより、その子らしい一瞬を追求

豪華な衣装やセットではなく、日常の中にある「その子らしさ」が写っている写真こそが、後に残された人の勇気になる。この確信が、MOKURENの撮影スタイルの根幹を成しています。MOKURENは単なる記念写真ではなく、人生の困難に直面した時に立ち返れる「場所」としての写真を提供し続けています。

「社長は一番下」という驚きのチーム哲学

スタッフからも愛される人柄

株式会社でありながら、片岡氏は「社長は会社の中で一番下の役割」だと断言します。

独自の哲学には、自身の独立後の苦労やスタッフへの深い感謝、そして「チームで最高の1枚を作る」という強い信念が背景にあります。

1.スタッフへの深い感謝と「理想の上司像」

写真提供:MOKUREN 写真一筋30年

片岡氏は、自分がゼロから作り上げた会社にスタッフが来て働いてくれること自体を「これほど幸せなことはない」と、奇跡のように感じています。独立後、初めてスタッフを雇おうとした際、なかなか人が見つからなかった苦い経験が背景にはあります。

「スタッフがどういう上司の下で働いたら幸せか」を自問自答した結果、社長が威張るのではなく、スタッフを支える側に回るという今の形に辿り着いたそうです。

2.率先して「雑用」を引き受ける姿勢

写真提供:MOKUREN 成長の足跡を、「写真屋」の視点で形に

片岡氏は、社長の役割を「スタッフが面倒だと感じることを引き受けること」だと定義しています。トイレ掃除や朝早く店に来て行う準備など、細かな雑務を自ら進んで行うそうです。

「スタッフよりも働いていないとダメだ」という考えから、片岡氏は自らを、組織の中で最も動く存在であるべきだとしています。

3.「一人の限界」を知り、チームの力を確信

写真提供:MOKUREN 愛媛の豊かな自然が撮影で活かされる

22年間の会社員時代を経て独立し、最初は個人事業主として活動していた片岡氏。そこで「自分の物差し以上のものは作れない」という限界を痛感しました。

仲間と同じ方向を向いて一つのものを作り上げることで、一人の力では到達できない価値が生まれることに気づいた」と片岡氏は言います。

4.スタッフが褒められることが最大の喜び

真剣な眼差しが印象的

片岡氏にとって、自身の写真が褒められることよりも、お客様から「スタッフの声掛けが良かった」「スタッフが素晴らしかった」と言われることの方が、はるかに幸せだと語っています。

この「スタッフの成長と幸せを第一に願う」姿勢が、組織の底辺でチームを支えるという哲学をより強固なものにしているのでしょう。このような、「愛・感謝・調和」を重んじるリーダーシップが、MOKUREN独自の温かい空気感と、お客様に寄り添う写真表現を支える基盤となっています。

のれんに込められた愛・感謝・調和の想い

写真提供:MOKUREN 親御さんの温かな眼差しも、しっかりと写真に

MOKURENの新店舗ののれんに掲げられた「そしじ」という文字は、「愛・感謝・調和」の3つの意味を一字に凝縮した創作漢字です。古くからある漢字、あるいはGHQによって廃止された字だという噂もありますが、実際には「もともと存在しなかった字」とされています。

片岡氏は、自分たちの仕事の本質は何かと自問自答した末に、この3つの想いが最もふさわしいと確信し、「そしじ」の採用を決めました。文字は、インスタグラムで見つけた書道家に依頼して書いてもらったものです。

スタッフ全員が同じ方向を向き、愛と調和を大切にしながらお客様に寄り添うという、MOKURENの組織哲学と「写真屋」としての覚悟を象徴するシンボルとなっています。

写真は「残酷」、だからこそ「尊い」

写真提供:MOKUREN 今しか撮れない、2人の距離感

片岡氏は「写真は、過去に引きずられる恐ろしいものでもある」と語ります。楽しかったときに戻りたくなる残酷さを知った上で、それでも、そこから一歩踏み出すための気づきを写真から得てほしいといいます。

さらに、「データだけでいいという時代だからこそ、一枚でいいから形にして、写真のある生活を始めてほしい」とも。リビングに飾られた一枚の写真が家族の会話を生み、明日への活力になる。その「写真の力」を信じる熱意が、多くのリピーターを惹きつけてやみません。

表現者ではなく誠実な「写真屋」でありたい

写真提供:MOKUREN 会話から生まれる表情を大切にしている

「フォトグラファー」や「写真家」という言葉が溢れる中で、片岡氏はあえて自らを「写真屋」と称します。そこには、自分のエゴを押し付けるのではなく、商いとしてお客様が求めているものを形にするという、一商売人としての誠実さが込められています。

「大切なのは、撮影そのものよりも、そこに至るまでの『対話』です。なぜ今、写真を撮ろうと思ったのか。その背景にある思いを深掘りしていく。お客様自身も気づいていない魅力を引き出すためのコミュニケーションこそが、私たちの付加価値です」

2026年:伊予市から始まる「写真屋」の新しい形

写真提供:MOKUREN 撮影を楽しんでいることが伝わってきます

2026年3月にオープンした新店舗は、単なる撮影場所ではありません。伊予市の海、山、川という絶好のロケーションを活かしつつ、「お客様の思いをゆっくり聞ける場所」を目指しています。

新店舗では、流れ作業の撮影を排し、打ち合わせの段階から丁寧に向き合います。「なぜ今、写真を撮るのか」という問いを深掘りし、お客様自身も気づいていない魅力を形にします。30年のキャリアを経て片岡氏が行き着いた「写真屋」としての究極の姿が、この新しいスタジオで花開こうとしています。

あなたの物語に寄り添う一枚を

写真提供:MOKUREN 大切な一枚はMOKURENに

片岡氏の仕事の根底にあるのは、新店舗ののれんに掲げられた「愛・感謝・調和」という想いです。たとえ人生でくじけそうになっても、リビングに飾られた一枚の写真が明日への勇気を与えてくれる宝物になる。

そんな「写真のある暮らし」を届けるため、片岡氏は対話を重ね、シャッターを切り続けています。2026年3月、伊予市に誕生した新たな拠点は、あなたの人生の物語にじっくりと寄り添う場所となるはずです。大切な「今」を未来へ残す旅を、ぜひMOKURENのチームと共に始めてみてください。

会社情報
項目内容
会社名MOKUREN 株式会社
代表取締役片岡 仁(カタオカ ヒトシ)
所在地愛媛県伊予市灘町102番地6
営業時間10:00〜18:00
定休日火曜日・水曜日(祝日除く)
電話番号089-908-5123
公式サイトhttps://mokuren-photo.com
SNShttps://www.instagram.com/mokuren_photostudio/

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この記事を書いた人

世界のわたなべけん

地域に眠る人・場所・想いを取材し、 文章✕映像✕出版✕AIで編集、 世界に向けて発信しています。 神社仏閣、地域活動、仕事など、 現場に足を運び、空気感を伝えることを大切にしています。 地域の価値を最大化し、世界に届けるのがテーマです。

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