
大阪市北区にある天神橋筋商店街。全長およそ2.6kmの間に軒を連ねる店舗数は飲食店や衣料雑貨店など約800とも言われ、普段から多くの人でにぎわっている。そのなかの一店舗が『占い夢館』天六店。創業は1979年で、2026年現在、47年の歴史を誇る。
今回お話をうかがったのは、このお店に在籍されているベテラン占い鑑定士・荻野 暖己(オギノ ハルナ)先生。キャリアは20年近くになり、たしかな実力とやさしい人柄に定評がある。悩みがあるとき占いを心の羅針盤にする人は多いと思うが、先生の考え方や相談者との接し方、占い師を志したきっかけなどについてうかがった。
相談者の方が本当に心配だから、親身にならずにいられない

お店のホームページにある荻野先生の紹介文を確認すると、『ふんわり穏やかな雰囲気でありながら、占いの結果はハッキリとお伝えする』と記載されている。「あれは本当にその通りです。私はぼーっとしているように見えるかもしれないけれど、伝えるべきことはきちんとお教えするようにしています」
感性のみにしたがい鑑定する占い師は多いそうだが、先生が意識しているのは理性的な判断。「たとえば、『離婚したい』とおっしゃる人に別れたほうがいいという結果が出たとしますよね。だからと言って、感情的になっている相談者さん同様、私まで熱くなり別れを強くすすめるのは違うと思うんです。そこまで親身にならなくても良いのかもしれないけれど、私はどうしても気になってね」
本気で心配になるがゆえに、相手の性質を見て離婚しても現実的にやっていける人なのか、きちんと見極めたうえで現実的な助言をするようにしている。
もともと離婚の星を持って生まれた人はいるのだそう。だからと言って、仕方がないとは決めつけない。「なぜ別れる道を選んでしまうのか、どうして結婚に向いていないのか。人それぞれ違うから、具体的な理由を分析するには占いの基本をしっかり勉強しておくことが欠かせません」と、先生は言う。
AIでも占える時代、勉強の継続と豊富な人生経験は、より不可欠に

「私が長年にわたりこの仕事を続けられているのは、基礎をしっかり習得しているからかも。それに、占いをする際には、人に寄り添うのはもちろん、激しく移り変わる時代には、さらに寄り添う必要があると感じています。
特にコロナ禍が始まった2020年あたりから、世の中はものすごく変化しました。人が生きていくうえにおいて、時代は無関係ではありません。時代を踏まえた占いをすることに関しても、基本的な知識をきちんと持って勉強を続けるのはとても大事です」
2026年に76歳を迎える現在も、学びに余念がない。「私は高齢者ですが、2024年に占いの素晴らしい先生に出会ってから、学ぶ意欲がますます湧きました。何歳になっても自分の力になるし、前向きにもなれます。占いの勉強に終わりはなくて、きっと永遠なんじゃないかな」
さらに、人工知能がまるで占い師の役割を担えるかのような時代になったからこそ、以前にも増して自らが積み重ねてきた経験の重要性も切実に感じている。
「最近はAIが出した鑑定結果が正しいかどうか、判断してほしいという人もお見えになります。でもね、AIには心も身体もありません。あるのは知識だけ。もし相談者の方が心は必要ないと思うのであればAIもアリでしょうけど、私はいままで培ってきた経験を交えながら、自分なりの言葉で伝える鑑定をしてあげたいです。この年齢になり人生において何が本当に大切なのか、ようやくわかった気がします。私だからこそ、みなさんにお伝えできる言葉があるのかなと思っているんですよね」
一番輝いているところを見つけ、伸ばしてあげたい
「この仕事を始めた当初は、ぴたりと当てる占い師になりたかったの。でも、いまは違います。いまはね、相談者の方が最も輝いているところを見つけてあげたい。みんなそれぞれ長所があるのに、気づけないまま自己否定しているのはもったいないです。最終的には輝いている点を伸ばし、さらに素晴らしい人生を歩めるお手伝いができればうれしいですね」
先生をたずねてくるのは、恋愛や仕事だけに限らず子育てに悩む人も少なくない。「お子さんだけじゃなくて、相談者であるお母さんの一番良いところも見つけるようにしています。お母さんはいろいろ悩まれていても、結局お子さんの魅力は、ちゃんとわかっていらっしゃる。でも、自分のことは見えていないのよね。だから輝いている部分を伝えると、自分にも自信を持てる面があったんだって安心してくださり、表情がぱっと明るくなるの」
天職と言える占いの世界に飛び込んだのは、55歳のころ
子どものころは占いになじみがなかったせいか、抱いていたのは、こわそうなイメージだった。その印象が一変したのは、いまから約20年前。55歳のころだ。
「主人が経営する会社を手伝っていたけど、私がしたいのはこれじゃないなとずっと思っていました。そんななか目に留まったのが、手相教室の講習会のパンフレット。参加してみたら、掌にあるたったこれだけの線で、とてもたくさんのことがわかるんだって心をすごく動かされて。それが占い師を志したきっかけです」
実践を積むうちにとても楽しくなり、63歳のとき占いの仕事を本格的に始める。経営の助けになる占い講座を開催していた経験も通して、活かすところに活かせば人のためになるのみならず、1人1人を笑顔にできる力もあるのだと身を以って知り、自分の天職はこれだと確信した。
以来、占い鑑定士として変わらず大事にしていることがある。「私のところへきてくださる方々には、いつもきれいな気持ちで平等に接するようにしています。そして、冷静な鑑定を心がけ、じっくり丁寧に見てあげたい。そういった思いには、私が澄んだ空気や美しい自然に恵まれた故郷・島根の奥出雲でのんびり育った背景、それから出雲の神様とのゆかりが影響しているのかもしれません」
◆『占い夢館』天六店
住所:大阪府大阪市北区天神橋5丁目5-16 天神橋筋商店街内
営業時間:12時~19時30分
定休日:年中無休
HP:https://www.yume-yakata.com/ten6.php
荻野 暖己(オギノ ハルナ)先生の在勤曜日と時間:水曜日 11時~18時
※予約は以下のURLから可能。(時間帯によっては混み合うため、予約をおすすめします)
https://www.yume-yakata.com/uranai-s-ogino.php
荻野 暖己(オギノ ハルナ)
占い鑑定士。2026年現在、鑑定歴は約20年。占いの学校「東明学院」で手相を習得し、系列店舗「東明館」で実践を積む。また「高尾学館」では算命学を学び、講師として自宅で教えていた経験も持つ。占法は、算命学、手相、断易、イーチンタロット、オラクルカード。島根県出身。




